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池波正太郎を歩く
著者 須藤 靖貴
私たちは小説の舞台に立ち、歩き、池波正太郎の道程をたどることができる。梅安の遠州藤枝、鬼平の谷中、真田太平記の信州上田、そして幸村終焉の大坂……あの名場面の舞台を訪ねてー...
池波正太郎を歩く
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池波正太郎を歩く (講談社文庫)
商品説明
私たちは小説の舞台に立ち、歩き、池波正太郎の道程をたどることができる。梅安の遠州藤枝、鬼平の谷中、真田太平記の信州上田、そして幸村終焉の大坂……あの名場面の舞台を訪ねてーー男の在り方、気概ある生き方を、時代小説やエッセイに著した池波正太郎。その珠玉の数々を、いま一度熟読し、池波文学の道程をたどりたい。そうした想いから、筆者は、各地を訪ね歩いた。土地ごとの人情に触れ、酒を愉しみ、舌鼓を打つ。『仕掛人・藤枝梅安』などの19編の舞台を、旅して記した、充実の1冊。
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紙の本
池波作品が並んでいるので、横並びで比較する良い機会かもしれない
2012/11/04 21:25
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
作家・池波正太郎の作品にちなんだ場所に出かけ、作中の登場人物や風景、環境などを見て歩く紀行文のような作品である。池波正太郎の作品と一口に言っても色々だ。三大作品の鬼平犯科帳、梅安、剣客商売から、長編、短編、そして食通池波が自由闊達に思いを描いた食卓編まで、多様である。
本編はそこに気を遣って平等、公平に作品を選択しているようだ。ということは、読者としては全てを守備範囲に収めている人は少ないと見ているようだ。たしかに、私も鬼平犯科帳、長編、食卓編までしかない。したがって、本編でも梅安、剣客商売が出てくるともうお手上げである。
本当は鬼平犯科帳に出てくる江戸界隈の名所を巡る旅にして欲しかった。読んだこともない作品にちなんだ場所を描かれてもどうということはないのだ。しかし、よく見ると鬼平犯科帳にちなんだ場所をめぐる散歩コースなどの作品はそこら中に出回っていることに気付く。実際に散歩ツアーがあるくらいだ。
内容は、上記の作品の中から選択し、当該作品に出てくる人物、場所などを作者自身が歩いている。その作品が上記のとおり、池波の作品を公平に選択している。鬼平、梅安、剣客商売はもちろん、真田太平記、おとこの秘図、剣の天地、あほうがらす、男振、忍びの旗など知らない作品も多い。
これだけ公平に選択されていると、本書を読んでいるうちに、池波の読んだことのないこれらの作品を読んでみようかという気になってくる。明治維新の西郷隆盛や桐野利秋などの人物を描いた作品もある。鬼平は鬼平の人柄がひとつの焦点であろう。鬼平を囲む登場人物と鬼平との関係において、鬼平とかかわる人物との情のかけ方が興味深いし、読みどころでもある。
そこに描かれている人間関係は近年ではすっかり廃れてしまっている。こういう人物の下で働ければ、働きがいがあろうというものである。さて、池波の他の作品での焦点はどこにあるのだろうか? 楽しみになってきた。