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世界史から読み解く「コロナ後」の現代
著者 佐藤けんいち
グローバリゼーションが強制終了した「中世から近世の移行期」を振り返り激動の「新・鎖国時代」の乗り越え方を学ぶ2020年初頭から始まった「新型コロナウイルス感染症」(COV...
世界史から読み解く「コロナ後」の現代
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世界史から読み解く「コロナ後」の現代 (ディスカヴァー携書)
商品説明
グローバリゼーションが強制終了した
「中世から近世の移行期」を振り返り
激動の「新・鎖国時代」の乗り越え方を学ぶ
2020年初頭から始まった「新型コロナウイルス感染症」(COVID-19)が、依然として猛威を振るいつづけている。
中国の武漢発のパンデミックは、まさに不意打ちのような形で全世界を襲っただけではない。
安全か経済かという、究極的で根源的な問いを突きつけている。
パンデミックによる外出制限は、「ロックダウン」や「ステイホーム」という形で、私たちの生活を直撃した。
生命を守るための外出制限は、感染拡大を防ぐために必要だったが、
経済活動が停滞してしまうと、仕事によって得られる報酬や、生きがいもまた失われてしまう。代償はきわめて大きいのだ。また、環境の激変によって、「リモートワーク」という、あらたな就業形態が常態化しつつある。
「新型コロナウイルス感染症」によるパンデミックが、これほど急拡大したのは、「グローバリゼーション」が進行していたからだ。すでに世界中のヒト・モノ・カネ・情報が密接につながりあっているのである。だからこそ、感染症もまた一気に全世界に拡大してしまうのだ。グローバリゼーションの経済的メリットは、きわめて大きなものがあったが、同時に負の側面もあったことを、私たちはどうやら失念していたようだ。
もしかすると、今回の新型コロナウイルスのパンデミックで、「グローバリゼーション」が終わったのではないだろうか。そんな問いをしてみる必要があるだろう。「不確実性」の霧のなかにいる私たちは、手探りでも前に進んでいくしかないのだが、これから世の中がどうなっていくか考えるためには、いったん過去に遡って歴史を振り返ってみるべきだろう。
2020年現在のいま終わりつつある「グローバリゼーション」は、歴史的には16世紀以来3度目のものだ。グローバリゼーションによって引き起こされたカオス状態は、その都度、地球レベルで大激動をもたらしてきた。だが、自然環境の激変による「異常気象」もその原因の1つとなって、カオス状態はあらたな安定状態に向けて動き出すことになる。安定するまでには長い時間がかかるだけでなく、その間にはまだまだ激動が続くだろう。とはいえ、最終的には状態は安定化していくはずだ。カオス状態は、あらたな秩序が形成されるための前段階でもある。
もちろん、「新型コロナウイルス感染症」の渦中にいる私たちには、はっきりと先が見えているわけではない。だからこそ、自分自身の経験ではなく、歴史に学ぶことが必要なのだ。環境が変わる以上、歴史がそのまま繰り返すことはないが、似たようなパターンが繰り返されてきたことは否定できないのである。
そこで本書では、16世紀後半に始まり、17世紀半ばに終息した「第1次グローバリゼーション」とその後について考えてみたいと思う。「コロナ後」に生きるための、ヒントなり教訓を見つけることができるはずだ。
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これからを世界史から考える参考書
2021/08/01 22:20
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:浦辺 登 - この投稿者のレビュー一覧を見る
令和2年(2020)、日本は未曽有のパニック状態にあった。中国武漢を発生源とする新型コロナ・ウイルスによって、人間の思考を含む全ての機能が停止したからだ。この現象について、政府のみならず、日本国民も何をどのように対処して良いのかわからなかった。しかし、このような世界的感染症拡大は、今回だけのことではない。およそ100年前のスペイン風邪もそうだった。全ては歴史の中に答えが用意してあるが、「歴史を勉強しても儲からない」「歴史を勉強する意味がない」などといって、先人の知恵を無視し続けたツケが、今に表れたに過ぎない。
本書は、その歴史を世界史の視点から解き明かし、「なぜ、今があるのか」「過去から学ぶヒントは無いのか」という事々を俯瞰するものだ。第1章から終章まで4章に分類されているが、終章の教訓1から6に今後の指針が示されている。その教訓1には「現代人だけが生きづらいわけではない」と記されている。まさに正鵠を射ている。教訓2には、内需比率の高かった日本であれば、少額でもよいので、内需を刺激すれば景気はよくなる。一発、大型予算を組んでも中抜きされるので、下々は潤わない。教訓3には、「自分の判断や行動は、けっして他人にゆだねきってしまわない」とある。まさに、ワクチンを接種する、しないは、自己判断であって、他者の言動に惑わされるべきではない。教訓4には、「ローカルをつねに意識する」。まさに、自己の足元をよく見つめることが肝要だ。教訓5では、新たなる日本文化の構築が世界貢献につながる。これは、教訓1に結びつくヒントとして日本モデルの創出ということか。教訓6では、コロナ禍から「なんらかのヒントなり教訓なりを見つけ出してほしい」と述べてある。自宅時間は思考の時間である。
明治維新から150年。日本は西洋列強による植民地支配を回避するため、西洋近代を取り込み、中央集権国家を維持してきた。しかし、原理原則を振り返り、日本モデルを確立するときにきたのではとのメッセージが、今回のコロナ禍である。リモート・ワークの拡大から、住宅の新規購入が増えている。企業内での人間関係から、家庭内での人間関係構築の必需品としての結果である。これに伴い、エネルギーの地産地消が求められ、休耕田はもとより耕作地の田んぼでも太陽光発電が始まっている。すでに経済需要の変化は起きている。
ふと、空を見上げれば、青空が広がっている。旅客機パイロットの飲酒が問題となっていたが、それも、どこへやら。原理原則を考える時をコロナ・ウイルスがもたらしてくれたと思えば、未来に悲観する必要はない。たくましく生き抜いた人間の、400年前からの世界の動きから、これからを考える。その一助が本書である。