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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
5篇の短篇作かと思いきや、一種の長篇作品でした。
1篇毎が独立した内容でしたが、どれも結末が中途半端感がありましたので、物足りなく感じながら読んでいました。しかし5篇を読んでやっと理解できました。しかも異種移植という難問に導かれるとは。
恐らく最初から異種移植の内容であれば読むにも難しく感じたでしょうが、先の4篇がいい前振りをしていてくれたおかげで、非常にわかりやすかった。
電子書籍
短編じゃないです
2022/08/04 20:21
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
はじめは、短編か……それにしては、なんだかなぁ……というちょっと物足りなさ感あるあるのお話ばかりでした。しかし、お終いまで読むと、あー……でした。良く練ってあるなあ……さすが
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長編かと思ったら短編集かと思いきや・・・
最終章の『究極の選択』は最後にお読みくださいとある?
これ何?と思いきや、少し驚きの構成となっている。
下村さんの作品のメディア批判には共感が持てます。
作中の動物愛護団体をみて思うことは、何かを守るために何かを傷つける人達は沢山います。
メディアの方々と何かを守る団体の方々には世の中に対してフェアに生きてほしいと思います。
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短編から、長編へ繋がって行くところが面白く、視点が変わることによって、真相も変わって行くところが凄いなと思いました。
ただ、登場人物が思い悩むほど、私自身に倫理的な嫌悪感がないところに、温度差があって、緊迫感に入り込めませんでした。
異種移植、そんなに嫌悪感あるかなぁ。内臓変わっても、外見からじゃわかんないし。姿かたちが変わってしまったり、本人では無くなってしまうわけじゃないのなら、そんなに嫌悪感は感じないかな。
そもそも、輸血も臓器移植も、何なら予防接種だって、異物混入には変わりないと思ってしまいます。私としては、自分以外はすべて、人だろうが動物だろうが機械だろうが「他」には変わりないので、嫌悪があるとしたら、「人」と「動物」ではなく、「自分」と「他」だと思います。
まあ、当事者ではないので、現時点での想像ですけどね。部分をもらって生きると覚悟したならば、使えるものを使うのは当たり前に受け入れられると思うんですけど、そうじゃないのかなあ。
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いやもうホントなんて題材を扱うんだ。
“命の重さ”と“人としての尊厳”を問う短編集。
読みながらいろんなことを考えてしまって、正直騙されるどころじゃなかった。
その選択は正しかったのか間違っていたのか。
今の自分には判断できないけど、おそらく受け入れることはできないだろうなと思った。
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下村作品初読み‼︎
楽しみにしていた一冊は単なる謎解きミステリーではありませんでした。
巻頭から四つの短編がおさめられ、それぞれが独立したミステリー作品であり、しっかりとどんでん返しにより結末を向かえます。
そう、それぞれはしっかりと短編の中で完結しているんです。
そして迎えた終章ともいえる「究極の選択」ではご丁寧に注意書きから始まります。
※前知識が必要なので必ず他の四篇の読了後お読みください
こんな展開を知らずに読み進めていた私は、これから待ち受ける衝撃を前に思わず襟をただすような、一瞬時が止まったような感覚を体験することに。
そして始まった「究極の選択」。
独立していた四つの短編全てが一つの謎を解き明かす為に仕組まれたプロット。
どんでん返しに次ぐどんでん返し。
確かに謎解きミステリーとしても非常に良く出来た作品でありますが、本作を通じて著者は読者に「命」についてい問かけます。
まさに「究極の選択」。
なんて作品なんだ‼︎
巻末の解説で有栖川有栖先生がこれまた上手く本作を表現してくれていますので、そのまま引用させて頂きます。
本書『黙過』は、どちらの気分の方にも応える構成になっている。独立した短編として読める四つのエピソードが、最後の「究極の選択」に至り思いもかけない形で一つに束ねられ、クライマックスに雪崩れ込むのだ。
(※どちらの気分:「今は長編(短編)が読みたい」)
〜〜〜
それは、たとえるならば——ジグソーパズルを四つ完成させて満足していたら、「それをバラして、こう組み立てるときれいだよ」と言われて、予想外の大きな絵ができるのを目撃するかのようだ。
また、あるいは——四つの独唱曲に聴きほれた後、「その歌は、こんなふうに展開するよ」と言われて、すべてが美しい四声体の合唱曲と化して響き合うのを耳にするようでもあり、構築の美に感動さえ覚える。いわば、本作は四声体ミステリと言えるだろう。
説明
内容紹介
第7回徳間文庫大賞受賞!!
瞠目の医療ミステリー
下村敦史はあくまでもミステリの枠内に留まり、濃厚な謎解きの味わいと〈どんでん返し〉を盛った上で、死を真正面からテーマにしてみせた。構築の美に感動さえ覚える。
作家・有栖川有栖
読み終わったとき、思わず胸に手を当てずにはいられなかった。
東京慈恵会医科大学 教授・嘉糠洋陸
移植手術を巡り葛藤する新米医師――「優先順位」。安楽死を乞う父を前に懊悩する家族――「詐病」。過激な動物愛護団体が突き付けたある命題――「命の天秤」。ほか、生命の現場を舞台にした衝撃の医療ミステリー。注目の江戸川乱歩賞作家が放つ渾身のどんでん返しに、あなたの涙腺は耐えられるか。最終章「究極の選択」は、最後にお読みいただくことを強くお勧めいたします。
(解説・有栖川有栖)
内容(「BOOK」データベースより)
移植手術を巡り葛藤する新米医師―「優先順位」。安楽死を乞う父を前に懊��する家族―「詐病」。過激な動物愛護団体が突き付けたある命題―「命の天秤」。ほか、生命の現場を舞台にした衝撃の医療ミステリー。注目の江戸川乱歩賞作家が放つ渾身のどんでん返しに、あなたの涙腺は耐えられるか。最終章「究極の選択」は、最後にお読みいただくことを強くお勧めいたします。
著者について
1981年京都府生まれ。2014年に『闇に香る嘘』で第60回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。同作は数々のミステリランキングにおいて高い評価を受ける。同年に発表した短編「死は朝、羽ばたく」が第68回日本推理作家協会賞短編部門候補、『生還者』が第69回日本推理作家協会賞の長編及び連作短編集部門の候補、『黙過』が第21回大藪春彦賞候補となるなど、今注目を集める若手作家である。『難民調査官』『叛徒』『真実の檻』『失踪者』『告白の余白』『緑の窓口 樹木トラブル解決します』『サハラの薔薇』『悲願花』『刑事の慟哭』『絶声』『コープス・ハント』『法の雨』など著書多数。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
下村/敦史
1981年京都府生まれ。2014年に『闇に香る嘘』で第60回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。同作は数々のミステリランキングにおいて高い評価を受ける。同年に発表した短編「死は朝、羽ばたく」が第68回日本推理作家協会賞短編部門候補、『生還者』が第69回日本推理作家協会賞の長編及び連作短編集部門の候補、『黙過』が第21回大藪春彦賞候補となるなど、今注目を集める若手作家である。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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3.3
短編集だが最後の話ですべての短編が集約されていく形式。一つ一つの短編にオチはなく、謎が残されたままで最終話を迎えていくが、伏線が弱くオチも途中で見えてしまったのが残念であった。5回騙されない。
しかし、各々の話において命について考えさせられる構成となっている。話の中ではジャーナリストが自分に置き換えて考察しているが、自分だったらどうするか考えながら読むのは楽しかった。
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本屋さんで、装丁を表に向けて私の方を向いていた。
書店のポップに目が止まり、ブクログで評価を調べて購入。
「優先順位」
ひき逃げされた患者は、ドナーの意思を保険証に示していた。しかしその患者も3日以内に肝臓移植を受けられれば生きられる可能性がある。
しかし今のまま3日生きられる保証がない。
彼の臓器が使えたら、助かる人が沢山いる。
「詐病」
父親かパーキンソン病を患い、兄は仕事を辞めて父親の介護をしていた。
その父親が行方不明になり、勘当されていた弟が兄から連絡を受けて実家に戻る。
ひょんなきっかけで、弟が父親の詐病に気づく。
と、ここまで読んで、、
あれ?これ?短編!?
うっそーん。騙されたーーー(ToT)
がっくり。
と思っていたのだが、次の「命の天秤」の登場人物の名前が何か引っかかる。
そしてもう一話「不正疑惑」を読み終えて、最後の「究極の選択」へ。
ええーーー!?
これはびっくり!!
短編だと思っていた全く別の物語が最後に全て繋がり、しかも、、、
いやー、素晴らしい!
これはかなり読み応えがあった!
医療ミステリはそれほど沢山読んだことが無かったが、これはかなりレベルの高い作品なのでは!?
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本屋さんで「あなたは5回騙される」という帯に惹かれて購入。帯の通り何度も騙されてしまった。
ミステリー小説だが、「命の重さ」や「尊厳死」についてなど、命や生き方について考えさせられた。
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途中までは「…期待はずれだったかな?」と思いつつも色々考えさせられながら読んでいたら、五つ目の物語に入ったところでガラリと印象が変わった。そして読後に知る、タイトルの本当の意味。
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4つの短編が最終話で、パズルのごとく組み合わされる連作医療ミステリ。構成がしっかりと練られていて、ミステリとしての完成度はもちろんのこと、生命倫理に深く切り込むテーマ性、そして専門的な知識を話に落とし込む技術も、素晴らしい一作です。
個人的には第3話の「命の天秤」で養豚場を舞台にしたミステリが特に新鮮でした。特殊な舞台設定名ながら、説明や描写が分かりやすくスッと入ってくるのが本当にすごいと思います。
各短編でそれぞれに微妙な違和感が残ります。どこか無理やり説明をつけた感じであったり、動機に必然性を感じにくいところがありました。そこだけ切り取ると、何とも言い難い評価になってしまうのですが、それぞれの違和感を、そしてばらばらの舞台に見えた4つの話をきれいにつなげ、全く違った物語の全容を明らかにする。その技巧がとにかく素晴らしいの一言に尽きます。
中国残留孤児がテーマの『闇に香る嘘』、外国人労働者問題を扱った『叛徒』、山を舞台にした青春ミステリ『失踪者』に続いて、この医療ミステリである『黙過』が4作目の下村作品でしたが、いずれも完成度の高さとテーマの切り込み方に惚れ惚れしてしまいます。次読む作品は何をテーマに、どう切り込むのか。本当に楽しみな作家さんです。
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いつだか、大様のブランチで下村敦史さんご本人が出演されており、久しぶりに読みたいなと手を取りました
再読作品でしたがやっぱり面白かった!
短編なる長編スタイルはもともと大好きだけど
この作品は
異なる4編の大どんでん返し作品があり、最後5編にこの4編からなるストーリーの大大大どんでん返しが展開する形で、
再読ではあったものの、5編をしっかり楽しむには
「1~4編の登場人物は自分の中でしっかりキャラ立ちさせておく」のがおすすめ
医療ミステリ、人間と動物の命、助成金収賄…などなど
テーマはかなり重めなのに、
なんの違和感もなくさらっと読めます
どんでん返しもあり、キャラもよかったので
「なんだかこれを読んだことのある人と
お茶しながらいろいろと語り合いたい~~~~!」
と
あまり社交的でない私が思ったんだから
それくらい読了後の余韻がすごい(笑)
あと
解説者としてあの有栖川有栖さんが登場しますが
要所要所に
「ミステリが嫌いな人も存在する」ということを
書いていて、
素晴らしいミステリの巨匠であるにもかかわらずそういうことをサバサバと捉えているあたりがすごく好感を持てました
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いやいやいや、たまげました。60頁前後の短編4つと160頁ほどの中編1つ。久坂部羊っぽいなと思いながら読み始めた短編4つは、完全に独立した読み物でした。いえ、そう思われました。
病院から突然消えた危篤患者。重病人のふりをする元官僚。子豚が忽然と消えた養豚場。科研費の不正受給に関わっていたと見られる研究者の自殺。
それが中編に入ろうというときに、前の4つを必ず先に読むように言われる。えーっっっ、これが全部ひとつにまとまるのか。
正直なところ、その4つはさして心に響くものではなかったのですが、最後にこうなるとは。お見事としか言いようがありません。
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4つの短編それぞれもちゃんと完結しているのに、最後に見事なまとまりだった。
それぞれの視点から読んだあとの最終章。
命のありかたについても考えさせられたし、自分だったらどういう選択をするのか…
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最後に物語を無理やり繋げた感もあるが、異種間移植というものがあるものがあることを初めて知り、勉強になった。
現時点で実際どこまでできるのか分からないが、倫理上の問題が非常に多そうだ。