コロナ対策禍の国と自治体 ――災害行政の迷走と閉塞
著者 金井利之
日本の行政は、突発事態への臨機応変な対応を得意としていない。そこへ想定外の新型コロナウイルスの世界的流行がやってきた。行政は不具合に陥り、国対自治体の構図に象徴される非難...
コロナ対策禍の国と自治体 ――災害行政の迷走と閉塞
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商品説明
日本の行政は、突発事態への臨機応変な対応を得意としていない。そこへ想定外の新型コロナウイルスの世界的流行がやってきた。行政は不具合に陥り、国対自治体の構図に象徴される非難応酬が起きている。内閣に権力を集中させて危機管理に当たるかに見せて、それは空想の「災害行政組織」と迷走の「災害行政対応」として閉塞に陥る。民衆にとって行政のコロナ対策自体が禍いとなっている苛政の現状を分析し、現状の権力集中の願望に代わる、地道な災害行政のあるべき姿を考える。
目次
- はじめに/序章 コロナ元年/疫病禍と行政/(1)新型コロナウイルス感染症(COVID-19) (2)厄災禍と災害行政/災害行政の分析枠組/(1)災害復興と復興災害 (2)コロナ禍対策とコロナ対策禍 (3)コロナ対策禍の無限ループ/一般的含意/第1章 災害対策と自治体/1 災害行政組織の特徴/災害行政組織の必要性/防災会議・災害対策本部方式/(1)災害行政における乖離 (2)伊勢湾台風と災害対策基本法 (3)趣旨/緊急本部方式──権力集中への指向性/(1)内閣機能強化論 (2)重要政策会議と中央防災会議 (3)災害緊急事態 (4)緊急事態布告=対策本部=非常時集権方式/災害復興官庁論/(1)帝都復興院 (2)戦災復興院 (3)阪神・淡路復興対策本部 (4)復興庁 (5)大規模災害復興法/組織転用の限界・司令塔の限界/2 災害行政対応の特徴/空想的災害行政対応/(1)必然の失敗 (2)「完璧」な対応/法令への逃避/(1)法的措置の膨張主義 (2)「泥縄」という対処方針/財源への逃避/(1)財政措置の膨張主義 (2)経済的限界/学知への逃避/(1)専門性と非難回避 (2)専門性の限界 (3)権力集中と実務的専門性の軽視/災害行政対応の方向性/(1)計画化 (2)冗長化 (3)人脈化 (4)標準化/第2章 コロナ対策禍と自治体/1 追従・忖度から放縦へ/権力集中と自治体/国の初動対応/(1)災害としての疫病 (2)「新感染症」からの逃避 (3)改正特措法の適用 (4)緊急事態宣言の要件 (5)コロナ対策における法令への逃避/権力集中から権力迷走へ/(1)自治体の初動忖度 (2)潮目の変化 (3)非常時集権方式の自壊/コロナ対策禍と放縦/(1)空想的災害行政対応の自縛 (2)演技系の諸特徴 (3)我欲系の諸特徴 (4)愚昧系の諸特徴/無規律型社会か分権型社会か/2 排除と鎮静/排除と矯正と流行/排除の政策枠組/(1)感染症対策と排除 (2)感染症法という政策枠組 (3)排除への自戒とその限界/排除の実行/(1)国外からの排除 (2)国内での排除 (3)排除の限界──医療崩壊対策と〈排除の排除〉による排除の表面的維持/鎮静の実行/(1)鎮静の登場──接触自粛措置 (2)鎮静の限界/3 折衷と流行/鎮静の限界/(1)投網型鎮静の実質的不公平性 (2)排除と鎮静の折衷/排除の変容/(1)集団免疫戦略 (2)地域間排除 (3)排除の拡張/排除・鎮静・流行の振り子/4 非難応酬/対策の決め手のなさ/非難応酬の構造/(1)弁明の方策 (2)権力集中による災害行政対応の限界 (3)他者非難 (4)非難応酬の意義/自治体組織内部への非難/(1)自治体内部の上下関係構造 (2)不満の捌け口 (3)感染源としての自治体職員 (4)安泰者としての自治体職員 (5)職員叩きによる自滅/自治体組織外部への非難/(1)民衆非難への誘因 (2)他自治体非難への誘因 (3)国非難への誘因/首長の暴走への誘因のなかで/第3章 コロナ対策の閉塞/1 三すくみの閉塞──蔓延防止・医療提供・生活経済/政策構造による閉塞/特措法の政策構造/ほか
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