読割 50
電子書籍
栗林忠道
著者 柘植久慶(著)
太平洋戦争屈指の激闘だった硫黄島をめぐる日米の戦い――。米国はB-29による東京爆撃の中継基地として硫黄島を欲し、日本は予想される本土決戦を少しでも遅らせるため、この島を...
栗林忠道
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
栗林忠道 硫黄島の死闘を指揮した名将 (PHP文庫)
商品説明
太平洋戦争屈指の激闘だった硫黄島をめぐる日米の戦い――。米国はB-29による東京爆撃の中継基地として硫黄島を欲し、日本は予想される本土決戦を少しでも遅らせるため、この島を死守する必要に迫られた。しかし硫黄島は火山島であり、いたる所で硫黄ガスが噴出し、満足に飲み水すら確保できない場所――。そんな悪条件ばかりの孤立無援の島で守備隊の将兵を鼓舞し、米軍の猛攻に死力を尽くして立ち向かった日本側指揮官、それが栗林忠道中将である。彼は、それまで日本軍の伝統だった“水際撃滅”の戦術を放棄し、硫黄島全体に巨大な地下要塞を造りあげ“徹底的な持久戦”で挑んだ。そして自軍の3倍を超える圧倒的兵力の米軍に対して、ガダルカナル戦を遥かに上回る大損害を与えて米国民を震撼させた。戦後60年を経た今なお、太平洋戦争中、日本陸軍で“最も優秀な指揮官”として日米双方から高く評価される名将の実像に迫る。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
指揮官の冷静な視点で描かれた硫黄島。
2011/05/05 10:54
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:浦辺 登 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者自身、戦地を駆け巡った経験があるからだろうか、不思議と薬莢、砂塵、爆音、血の匂いがしてこない。意図的に戦場の凄まじさを消すことで、栗林忠道という最高指揮官の戦略を際立たせたかったのだろうか。
もしくは、すでに数多くの日本軍守備隊とアメリカ海兵隊との戦いについて作品があるので、作戦という観点から硫黄島を解説したかったのかもしれない。
硫黄島で戦う目的、目標、戦術など、戦場での出来事をビジネス市場に置き換えたらば、どうだろうか。あえて、戦場での爆音や砂塵が省かれたことによって、最高指揮官が何を基準に幕僚の意見を取り入れ、判断、決断しているのかを理解できるが、ライバル企業との市場獲得競争としてみても面白い。摺鉢山に国旗を掲げることで戦場における優位性を誇示する姿は、ライバル企業優勢の市場に出店するかのよう。
かつて、太平洋を挟んでの日米の戦いはアメリカの工業生産力と日本の精神力との戦いであったと比較されるが、もう一方でマーケティング戦略の相違だったのではと思った。
そんな中、一銭五厘といわれた日本兵の命も市民権を得るために参戦した移民アメリカ海兵隊員の命も、単なる紙切れ一枚でしかない。戦場の匂いがしない文体だけに、逆に戦いの冷酷さを感じた。