紙の本
ぜつぼうってなんでしょう
2007/11/22 00:00
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トマト館 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本谷有希子は、
性格の悪い、精神に何かをかかえた女性の、
劇的な展開が専門なのだと思っていた。
今回は違う。
元・売れっ子芸人(男)が、
絶望してる話だ。
素性がばれない田舎で、
シズミというなぞの女性と、
夫婦のふりをして暮らす生活がはじまる。
いつものばりっときまったカタストロフイもいいけれど、
時折安心させる展開がまじっているのも、
この小説は独特だった。
なにをもってぜつぼうとするのか。
負の感情をどうあつかうか、そこにたいして本谷有希子は、
いつもいい勝負を挑んでいる。
紙の本
現れては消えていくもの
2015/12/29 04:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
テレビのスイッチを入れるとたくさんのタレントが現れる。そして次から次へと消えていく。そんな忘れられた存在に向けられた著書の視点は秀逸だ。全く希望の見えない景色の中で、物語の最後にはわずかに光が見えてきたような気がした。
電子書籍
はじめは
2021/08/25 22:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんだかなぁ……みたいな出だしでした。いまいち、主人公には、……だったんですけど、ラストは良かったですね。やはり……。タイトルが平仮名のぜつぼう、なのも……。
投稿元:
レビューを見る
『夜の朝顔』と同じく、最近の書評でよくよくほめられている本。期待しすぎた感あり。んーわかる。けども。ラストは好きです。途中は微妙です。 猿岩石的芸能人が、気持ち病んで、田舎に行く。そこでよくわからん女にあって、最終的に眠れる=だんだん癒される。
投稿元:
レビューを見る
周りの目を気にしていたらお笑い芸人なんて務まらないと思うのです。そういった意味でここに出てくる主人公はお笑い芸人に向いてなかったんでしょうね。そこが悲劇。
投稿元:
レビューを見る
「生きてるだけで、愛。」が今回の芥川賞候補作にもなっていましたが、
今勢いのある作家(糸井談)の 昨年群像に掲載された小説。
鬱に悩んでいる元売れっ子お笑い芸人の心の葛藤がずーと語られて
いくのだが、とくに暗さはなく、むしろ 町田康を彷彿とさせるロックの
リズム感覚で、笑いながら一気に読了。
絶望絶望絶望のどん底にいる(と考えている)主人公が無意識に
口笛を吹いたところ、連れの女性に「あら、口笛?のんき君ね」
と指摘されるところは、見事に壺に的中。
自分にとって相当重要な「悩み/考え」って他人にとっては、
ほんと取るに足らないハナクソみたいなもんだなーと、つくづく
おもい、そして今抱えている獏とした不安も軽くあしらえてしまう
ほどに頭が軽くなった感じを受けた。一種の薬。まー真摯に向き合わず
現実逃避をすると、ホントににっちもさっちもいかなくなるんだろなー。
投稿元:
レビューを見る
なかなかいい話じゃん。普通に心が温かくなった。どーした?こんな作風の人だったっけ?ここがターニング・ポイントか。恋って、いいね。ダメ人間でも恋できるんだね。希望が湧いてきた。それにしても、著者の性格の悪さというか、人間のイヤなトコを隠さず晒していく姿勢は最高です。
投稿元:
レビューを見る
この本の文体に慣れるのに時間がかかった。関係ないけど鳩はちゃんと飛んで来たと信じたい。2人でやり直せたらいいなぁ。
2006.10.16 読了
投稿元:
レビューを見る
最初、「せつぼう(切望)」だと思ってました、題名。この人の作品はちょっと読んでみたいと思っていたんです。最近、やけにビレッジでもプッシュされてたりして。群像からデビューしてるんですね。劇団の人で。ああ、確かにそうっぽいなぁ、と思った。話を展開せずにはいられない性質なんだなぁ、と。あとは擬音をうまく使うなぁ、と。まだ一作読んだだけでは判断しかねる。正直、どうでもいい物語だったけれど。反語か。そもそも小説自体がどうでもいいものだから、どうでもいい物語でもよい。(06/8/5)
投稿元:
レビューを見る
やはり鬱。
あきらかに猿岩石。
強い魅力は感じないままに読み進んだが
最後に救いがあって良かった。
人ごとながら、眠れないというは
読んでるだけで同情してしまう
投稿元:
レビューを見る
あまりにもヤバそうな表紙にジャケ買いをしました。
最高に絶望的。
救いがあるような、ないような。
徹底していて素晴らしい。
投稿元:
レビューを見る
かつて人気を博した芸人が、いつのまにか社会に見捨てられてしまっていた。その当人が感じていた“ぜつぼう”と、ある村で暮らして、そして感じた“ぜつぼう”。
本谷ワールドがひろがっている一冊。
投稿元:
レビューを見る
▼素うどんが食べたくなった。▼落ちぶれた芸人と捨てられた女、ダメな二人がぬるーく傷を舐め合いをする話。鬱でしょうがないのに周囲はわかってくれないという、寂しく過酷な温度差の書き方が秀逸。口笛を吹いているシーンに鳥肌が立った。あるある。▼心の中ではアグレッシヴな絶望も、周囲にとってはうす甘い「ぜつぼう」。▼絶望に酔っていたい人間を容赦なく突き落とすシーンの連続。超クール。▼周囲の眼を随分気にする人なんでしょうねー。▼そしてこのラスト(大爆笑)。私、本谷さんのギャグセンスが完全にツボらしいです。今回も涙を流して笑わせて戴きました。
投稿元:
レビューを見る
随所随所で私の笑いポイントをくすぐられました。
いったい何度一人で、ププーッとしたことか(笑)
でもそんな楽しいお話ではありません。実際は…
投稿元:
レビューを見る
絶頂からどん底にまっさかさまに落ちてしまい、不眠症に悩まされ続けた男が、気付くと自分を絶望たらしめることによって自我を保っていたという話。でした。