紙の本
『コロナ狂騒録』
2022/02/23 12:42
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
非常事態宣言解除から3か月
安保首相が辞任、後継の酸ヶ湯首相がGotoキャンペーンを強行する中、感染者数がじわじわと増加してゆくコロナ日本
東城大医学部付属病院の元看護師藤原が開いた喫茶「スリジエ」に集まったのは高階、田口、別宮、彦根、白鳥、天馬、冷泉
白虎党の無知と横暴により医療崩壊の危機にある浪速を救うべく秘策を練り、動き出す
《混迷を極める日本の2020-2021を描き尽くす、最新コロナウイルス小説》──帯のコピー
海堂尊のメディカル・エンターテインメント最新書き下ろし
虚実綯い交ぜの、いや、虚にカモフラージュされた実ばかり
『コロナ黙示録』(2020年7月)に続く“ニッポンコロナ正史”第2弾、2021年7月刊
“浪速の風雲児”こと梁山泊総帥の村雨が浪速府知事のポピドン鵜飼を(32章)、厚労省技官の“火喰い鳥”白鳥が油すまし宰相の酸ヶ湯を(34章)、こてんぱんにやりこめるくだり、痛快無比
※p.335〈国勢調査権〉⇒〈国政調査権〉では
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混沌とした…怒りで筆を走らせてるんだろうなって。でも悪意しか感じられないやはり。なんかどこまでかフィクションなのか分からなくなってくる。こういうの良くないよね。。と思いつつ楽しませていただきました
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『コロナ黙示録』に続いて読みましたが、読んでいる間中、憂鬱になりました。
今、日本で新型コロナの感染者数は今年の夏の都心部四ケタの数字から嘘のように減って、東京30人以下10日間連続に落ち着いています。
その平和な状況の中で2020年9月から2021年7月までの記録形式の小説を読むのはしんどい作業でした。
もう忘れてしまいたい過去、というか思い出すのも嫌なのに、これでもかと言うほどの著者の批判精神も息づいているし。
私も当時は批判精神でいっぱいで五輪反対の署名までしました。
今のワクチン接種が進んで感染者が減っている状態で読むとまさに『コロナ狂騒録』なんですが、図書館でずっと前から予約待ちして借りたので、せっかくだから読みましたが、なんだか無駄な事の繰り返しだったような気がしました。
「Gotoキャンペーン」の酸ヶ湯首相と煮貝幹事長のやり取りは国民の為ではなく、酸ヶ湯首相の恩人である煮貝幹事長の為というのは全く改めて読んで腹が立ちました。
緊急事態宣言を出したり、解除したりするタイミングも感染状況を踏まえてではなく、全部五輪開催、IOCバッカ会長来日、聖火リレーに合わせたスケジュールだったというのも日本の政治は酷いと思いました。
日本がこれで滅亡していなかったなんて奇跡だと思うほどでした。
うまくいけば自分の手柄、失敗したら責任転嫁。日本の政治は腐敗していると思いました。
何もかも、マスコミさえも真実を舞台裏に隠していたことがたくさんあったり、情報すら信用できないというのは本当に恐いことだと痛感しました。国民の命が懸っているというのに本当に恐すぎです。
今は感染者、落ち着いていますが、次の波が年末年始にやってくるという予測もあるそうです。
これからの政治家のきちんとした、一般人にも納得のいく政治を望みます。
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2020年から2021年のオリンピックが始まるまでの日本の動きをぎゅっと面白く詰み、政治、政府皮肉、批判した作品。
安倍さん、菅さん、二階さん、尾身さんなど名前を変えて作品の中に登場してくるので入りやすかった。
途中、コロナやワクチンの説明は専門すぎてなかなか入ってこなかった。
まぁ何とか最後まで読んだという感じ。
続きが出たら読まないかなぁというレベル
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文体は、いつものバチスタシリーズといった感じで、おもしろく読みやすかった。
でも、内容は風刺に満ちていて現実逃 とリンクしすぎな気がした。
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前作「コロナ黙示録」の続刊「コロナ狂騒録」
首相の交代、Gotoキャンペーン、オリンピック
ワクチン問題等々・・・
海堂尊さんの作品が好きで出版されている
書籍はほぼ読んできたのですが、
今作は「コロナ」を題材にした政治批判色の
強い作品となっていたため読むのに
苦労したし、どちらかというと素直に
楽しめなかった。個人的には「コロナ」と
戦う「桜宮サーガ」及びそこにかかわる
人々をもっと描いてほしかった。久しぶりに
出てきた面々もいたのでほんとに残念・・・
もともと今回の2冊とも医療小説というより
政治批判小説って感じの内容に重心をおいて
書かれていたのかな・・・
海堂尊さん及び「桜宮サーガ」ファンとしては
もっと医療よりの作品が読みたかった。
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『コロナ黙示録』の続編。
『‥黙示録』も大概でしたが、今回はさらに風刺増し増しで、一応“この物語はフィクションです”と書いてるものの、明らかに現政権の批判でしょ。と思わせる皮肉まみれの痛烈な内容となっております。
田口先生や白鳥さん等“桜宮サーガ”の面々が登場してくれるのは嬉しいのですが、せっかくの魅力的なキャラ達のやりとり以上に、コロナ関係の解説や対策への批判が延々と続いて、特に調べたことそのままぶち込んだような、資料だだ載せっぽい部分はほぼ白目状態の私でした。
確かに医療崩壊は深刻ですし、東城大学医学部付属病院での看護師さん達のパートは胸に迫るものがありました。作者の方が言いたいこと沢山あるのは伝わってきます。
ただね、正直“こういうのはもうええから、普通に桜宮サーガのエンタメ小説が読みたい”のですよ。
腐敗した現実社会にはうんざりしているので、彷彿させる内容のは気持ちがふさぐので読みたくないです。
“桜宮サーガ”のファンだから、辛口なこと書きました。(勿論、作者の方が何を書くかは自由です!“私が読みたいのは”という意味で、顰蹙覚悟で“正直な気持ち”を書きました。)
やっぱり楽しく本読みたいですからね。批判系は批判系で小説とは別に特化したもの(ノンフィクション等で)書いて頂いて、次はエンタメ系でよろしくお願いいたします・・。
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海堂についてはデビュー作からずっと「買って」きているのだが、これと前作の「コロナ」シリーズについては、楽しい読み物ではあっても、その作家としてのスタンスは、受け入れがたいところもある。単に現政権を風刺し批判し、反政権のアジテーション・マニフェストだとも言えるからだ。
海堂はもちろん医療を憂える国士であろうが、結局、医クラは何をしたいというのだろう。通常の世界に対して、コロナはまったくもって「追加」、それもおそらく5割増かそこらに相当する医療ミッションなのだから、何かをあきらめなければ、どうしようもない。医クラは、行動制限、全数検査、コロナの封じ込めなどをやれ、というが、それがベストの解決策といえないことは世界の現状が証明しているではないか。野戦病院の案もあるが、これは医療関係者の「強制徴用」と通常医療の数割抑制をセットにしないと成立しないだろう。ロックダウンを唱える向きも多いが、その策は、目覚ましい効果も出ず、国民生活を今よりも一層根本から破壊してしまうだけに終わり、コロナは当然撲滅など不可能だ。雪隠詰めになるだけだろう。
政府が必要な政策を行っていない、と医クラはいうが、彼らのプランも袋小路に過ぎないことは、多くの人が感じていると思う。
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嫌いではないんだけど...
今回の新型コロナウイルス拡大、国の対応はよっぽど腹にすえかねたのかな?
うまく桜宮の話と絡めて医療従事者の大変さ(こんな一言では済まないけど)を広めたかったのかな。
自分の職場も、周りの医療従事者、福祉従事者はハンパないストレス。緊急事態宣言が出たからって休みないし、リモートワークもできないし。
とにかく、政府は国民の健康被害予防より自分達の見栄などを優先させた。
医療保健をおざなりにした結果を見事に皮肉った内容でした。
この先どうなるのかな?物語の中も、現実も...
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酸ヶ湯、ではなく菅首相が自民党総裁選への不出馬を表明したのは、ちょうど本作の発売日だったという。著者の海堂尊さんも予想していなかったのでは。
海堂さんによれば、予定外の続編とのこと。前作の結末には、海堂さんご自身の諦観が滲んでいた。医療への、メディアへの、政治への、国民への。史実を物語として残すために、義憤に駆られて書いたということか。
前作同様、自称「フィクション」ではあるが、政治家を中心に、実在人物をモデルにしたキャラクターのオンパレード。正直、「史実を物語として残す」というのはよくわからない。実名を挙げて、自分以外全員バカとはっきり批判してはどうか、というのが正直なところである。バッカ会長という直球には苦笑したが。
昨年に前作を読んだ後、自分は2021年には終息しているだろうと甘い見通しを持っていたし、多くの国民同様にGoToキャンペーンを利用もしましたよ。だから、その辺のくだりには、すみませんでしたと言うしかありません、はい。
全体的に、当たらずといえども遠からずとは思う。日本はワクチン確保で出遅れたし、自分だって2回目の接種を終えたのはつい最近のこと。接種の予定が決まるまでは苛立ちもした。でも、五輪・パラ絶対反対ではなかったが。
一年延期した五輪・パラを目前に、現実に新規感染者は急増したし、朝日新聞は中止を求める社説を掲載した。本作は五輪開幕直前で終わっている。作中、連中は中止を目指して動いたが、そこはさすがに事実に沿ったのか。結果的に、危惧された感染爆発は起こらなかった。だが、あくまで結果的に、かもしれないのだ。
連日、メディアは掌返して日本選手団のメダルラッシュを伝え、海堂さんはさぞかし醒めた目で見ていただろう。パラ閉幕後、新規感染者は減少を続けており、菅退陣の荒業により政権交代は実現しそうにない。海堂さんの目に、現状はどう映るか。
前作以上に、全部読むのは疲れた。シリーズ第三弾がもし出たとしても、もういいかな。ところで海堂さん、ワクチンデマについてはどうお考えでしょうか。
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桜宮コロナ編第2弾。
怒りで緊急執筆&出版された感じがにじみ出ています。
前作同様、時系列がおかしなあらもあり、少なくとも3ヶ所見つけました。
ただ、物語として成立させているのはすごいと言えます。
パロディ人物はほとんどダメダメ人間ですが、豪間(河野)大臣の懐の深さ(甘さかな)と近江(尾身)さんの見識の正しさが、魑魅魍魎の政治界の中で気持ちが良かったところでした。
とはいえ本当の評価は、完全にコロナ禍が収まってから振り返るべきものかなと思います。
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世界がコロナ禍になっている中で、オリンピック開催するなんて大馬鹿である。やっぱり、新規コロナ人数は増加した。ワクチン接種が進むにつれ新規コロナ人数は減少してきたが、オリンピックを開催しなければもっと早く終息したはずだ。それに連れて医療崩壊をこの本で語りたかったのだろう。早くコロナが終息して、昔の日々が戻りますように。
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既に皆さんが書いているように今回は今までの日本のコロナ蔓延状況の中でのオリンピックをどうするかの顛末とワクチンを国民に打つための顛末を書いた本で表に出ていないところを書いた顛末記。 先回のものはバチスタメンバーが活躍していたが今回はちょっと取ってつけた感が強い。まあ、コロナ顛末記としては面白いがちょっと長いかった。
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コロナ禍の桜宮サーガ第2作。
どこまでも後手後手の対応で、時間だけが過ぎてゆく。何をやっているのか、というのはダイヤモンド・プリンセス号の時から感じていたし、最初の緊急事態宣言を解除した時から感じていたこと。
その不満を吹っ飛ばしてくれた会見場での別宮さんや、村雨の浪速事変が心地よい。
その心地よさを感じるのは、フィクションだからこそ、というのがまた不満。
2021.10の現在。新型コロナの新規感染者は減り続けている傾向です。この状況ですべきは今後の準備。それを第一に考えて貰いたい。パンデミックに対応できる防疫・検疫体制の構築と、病床の確保。過去の失敗を検証して、未来へ繋げてゆく。
当たり前のことなんだけど、できていないからコロナ禍になってしまったんだと思います。
一つ思ったのは、別方向からの視点でコロナ禍を描いた小説って、どんなものになるんだろうか、ということですね。なんか気持ち悪いぐらい礼賛・絶賛・大合唱のものになるのかなぁ。
未来の歴史家がどのように、評するのか。この安保・酸ヶ湯政権時代。再びの登場となりませんように。
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「コロナ黙示録」続編。小説でありもちろんフィクションのはずなのですが。そうは思えないのは気のせいなのでしょうか……? 前作同様、いろいろ現実を彷彿とさせる要素が盛りだくさんで、さらに裏でこんな作為があったとは思いたくないのだけれど、あってもおかしくないよなあ、という気になります。おそらく完全なフィクションとしては痛快に読めるのだろうけれど、現実を思い起こすとまったく笑えません。いつかこれを能天気に笑って読める日が来るといいのに、と切に思います。
しかし田口や白鳥、彦根等々、いつものメンバーがこれほどカッコよく思える作品もないのでは。白鳥の毒舌が実に痛快でたまりませんでした。敵に回すと嫌だけれど、敵には一番ぶつけてやりたい人物ですよね(笑)。「バカ五カ条」、ぜひとも政治家たちにぶつけてやりたい!