商品説明
福島第一原子力発電所の事故で、福島県の多くの方々は甚大な被害を被むりましたが、事故で放出された放射性物質によって健康影響が出ると考えられる量の放射線被曝はないことが分かったのは不幸中の幸いでした。しかしその一方で、福島県の子どもたちに大変な問題が起こってしまいました。甲状腺検査でがんが数多く発見され、「過剰診断」という深刻な問題が発生し、これは原発事故がもたらした被害の中でもっとも深刻なものの一つです。本書では甲状腺検査に関する最新の情報を提供し、福島県の子どもたちのために何をなすべきかを提案しています。
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紙の本
行政は間違いを犯さないではなく、新事実がわかったら検討が必要では
2021/09/25 12:58
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投稿者:et.et. - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近、行政は間違いをおかさないから検討も必要ない、そのまま続行!!をいろいろみてきた。
国民全部が影響をうけたこともあるし、一部の人だけのものもあった。
この話は2011年の東京電力の福島第一原子力発電所事故で被害を被ったエリアの人々が、特に子どもたちが、人権侵害に近い被害を受けているとの報告の書であった。
まず、過剰診断という言葉が難しい。「治療せずに放置しても、生涯にわたって何の害も出さない病気を見つけてしまうこと」。また、福島第一原発事故によるヨウ素 131 の大気放出量はチェルノブイリ原発事故のにくらべ段違いに小さく、がんの発生率は上昇しないと国際的にも評価されていることが述べられていた。
ではなぜ、甲状腺がんがたくさんみつかるのか。それは過剰診断。
超音波で見つかるレベルの小さな甲状腺がんは、 成人では 200人に1人程度が持っているそうだ。
患者を殺すような甲状腺がんは高齢者だけに発生。
高齢者の甲状腺がんとこどもの甲状腺がんはちがうと。
ただ、子どもや若者に発生する甲状腺がんのは10 代、20 代くらいまでは比較的急速に増大。また、この段階で甲状腺の周囲や首のリンパ節にまで広がることも。10 個に1個もないものだけが、サイズが相当大きくなって若いうち外からしこりとなって確認できるがんとなり、手術が必要となるが。「どんどん 悪性化する」ということはほぼなく、命をとられることはまずないとのことであった。
いままでもっていた”がん”のイメージとはかけはなれた、新しい科学の話だった。
ではなぜ、こんな検査をまだ続けているのか。
それはこの検査で利害関係をもっている人々がいて、予算がついているからと。
たしかに、この検査のために検査施設、ポスト、雇用が生まれている。
反原発を進めたい人々には、甲状腺がんが一つでも見つかることは大変好都合のようだ。
注目されたいニュースとしても子どもの甲状腺がん多発は大々的に全国放送で取り上げられていたのを記憶している。
行政も高額の予算を必要ないものにつけたとなるとそれは問題になるだろう。学者も論文が書ける資料提供を歓迎。
しかし、そのようなことで一部の子どもたちだけ、結婚、就職、がん保険に入れない、レッテルを貼られる、心理的負担をしいられるのは、なるほど人権侵害だ。
とはいえ、子どもたちは不要だったかもしれない手術をうけ、一生涯薬を飲み続けたりする必要があったとしてもでも亡くなったりしているわけではなく、 場合によっては、本人や家族もはやく見つかってよかった。感謝していると発言することもあるそうだ。
国際的には甲状腺超音波検査は推奨されていないそうだが、日本ではいろいろな事情で国、県、学会がまったくうごこうとしないことが書かれていた。
新型コロナの騒ぎで、日本では、もういろいろなことがありすぎて、言ってもしょうがないのだとおもわされてきた。
福島の子どもたちをおもう人々がいることの記録であった。