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電子書籍
野に咲く花の生態図鑑【春夏篇】
著者 多田多恵子
オオイヌノフグリの青い瞳の花の秘策、虫を騙して命も奪うムサシアブミの花、キノコに養われる純白のギンリョウソウなど、野に生きる植物たちの美しさとしたたかさに満ちた生存戦略の...
野に咲く花の生態図鑑【春夏篇】
野に咲く花の生態図鑑 春夏篇 (ちくま文庫)
商品説明
オオイヌノフグリの青い瞳の花の秘策、虫を騙して命も奪うムサシアブミの花、キノコに養われる純白のギンリョウソウなど、野に生きる植物たちの美しさとしたたかさに満ちた生存戦略の数々。『したたかな植物たち』、『美しき小さな雑草の花図鑑』などの著作で人気の著者が植物への愛をこめて綴る珠玉の植物エッセイ集。
目次
- まえがき/春/オオイヌノフグリ──異国の青い瞳/ホトケノザ──ふたつの顔を持つ花/タチツボスミレ──光の花と陰の花/カタクリ──眠りの森の妖精/ムサシアブミ──鎌首の罠/レンゲソウ──花がつなぐ共生の輪/イカリソウ──森のUFOキャッチャー/エゴノキ──うつむく花の事情/ホオノキ──壮大な歴史/里山の雑木林の草花の生存戦略/夏/テイカカズラ──大人への階段/ハコネウツギ──紅白の宴/ギンリョウソウ──森の純白の精霊/アツモリソウ──伝説を背負う花/マツヨイグサ──真夏の夜の夢/ウマノスズクサ──誘惑の音色/イワヒゲ──岩場に生きる小さな勇者/ヨツバシオガマ──秘めやかな略取/クサギ──対比の思惑/ヘクソカズラ──においの防衛/高嶺の花の生き方と守り方/あとがき シカが日本の自然を食いつくす!
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紙の本
巧妙な花の仕組み。
2021/08/05 11:26
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2012年刊行の単行本を2分冊にして文庫化。こちらは春・夏の花。
生態図鑑となっているのできれいな風景として眺められる写真が豊富で楽しい。しかし本書のもう一つの特徴は「解剖写真」ではないだろうか。
例えばウマノスズクサ。色も緑色で目立たないし、ラッパのように伸びた不思議な形の花である。この花の雄しべ・雌しべはどこにあり、どうやって昆虫に受粉してもらうのか。拡大や断面の写真で巧妙な仕組みが説明されている。大きなタイサンボクの花は一つの花で雄しべと雌しべが日にちをずらして成熟するなども、よく観察しないと(あんな大きな花なのに)気づかないかもしれないものだ。
文庫本のサイズになって見づらくなったか、と思ったがそれほどでもない。かえって気軽に広げて読むことができるよさも加わった感じもする。