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苦学と立身と図書館
著者 伊東達也
いまでこそ「自習」する場所として活用されているが、公共図書館はいつ・どのようにして勉強・独学の空間になったのか。明治期からの近代化のなかで、勉学の情熱を抱えた青年・女性た...
苦学と立身と図書館
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苦学と立身と図書館 パブリック・ライブラリーと近代日本
商品説明
いまでこそ「自習」する場所として活用されているが、公共図書館はいつ・どのようにして勉強・独学の空間になったのか。明治期からの近代化のなかで、勉学の情熱を抱えた青年・女性たちに果たした図書館の役割とは何だったのか。
明治初期の唯一の無料公開図書館である東京書籍館の成立と展開をたどる。そして、音読の禁止を背景にして、弁護士・医師・教員の資格試験の勉強空間として図書館を使う利用者が増えたことを掘り起こす。一方で、図書館での独学を軽んじる社会的な風潮もあり、そういった独学をしていた専門学校や社会人経験を経た大学入学者に対して差別があった事実も指摘する。
加えて、雑誌「成功」から当時の社会的な成功のあり方、独学と立身出世の関係を読み解き、学歴社会への移行も描出する。
これまで正面から取り上げられてこなかった「図書館と勉強」をめぐる独特な文化を掘り下げて、近代日本の風俗や社会的な感性も浮き彫りにする。
目次
- 序 章 “public library”と日本の図書館
- 1 日本の「公共図書館」は“public library”か
- 2 問題の所在
- 3 先行研究の検討と本書の意義
- 4 本書の構成
- 第1章 日本的図書館観の原型
- 1 福岡藩の庶民文庫の発展
- 2 近代図書館としての福岡図書館の成立
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