日経「星新一賞」第九回受賞作品集
著者 日本経済新聞社
遠い宇宙の冒険を描いていても遙かな未来を舞台にしていても、星新一の作品は私たちの現在を照らしだすものでした。絵空事ではない、しなやかな想像力があればこそです。”理系文学”...
日経「星新一賞」第九回受賞作品集

商品説明
遠い宇宙の冒険を描いていても遙かな未来を舞台にしていても、星新一の作品は私たちの現在を照らしだすものでした。絵空事ではない、しなやかな想像力があればこそです。
”理系文学”という新しいコンセプトを掲げる日経「星新一賞」は、今回で第9回を迎えました。この電子書籍には、応募総数2603篇(3部門合計)のなかから選び抜かれた受賞作13篇を収録。
グランプリ受賞作は――
【一般部門】「リンネウス」関元聡
内戦や疫病で疲弊した人類にとって、地球上の遺伝子資源の活用は喫緊の課題だった。原子サイズのナノマシンで生体のなかに入りこむ「リンネウス計画」が立案される。主人公の「俺」はナノマシン搭載の意識だが、食物連鎖や自然界の循環に任せて宿主から宿主へと自然界をめぐるうちに、もともとの自分が何者だったかを忘れていく。
壮大な生命の連なりと自己認識のありかたを、宇宙的スケールで描いた哲学的な作品。感動的なヴィジョン、躍動感のある描写が際立っています。
【ジュニア部門】「カーテンコール」小林宗太
ぼくは円盤が故障して困っている宇宙人を助けた。全身が透明という不思議な姿。話をしてみると身体だけではなく心も素通しで、思ったことをすべて口にする正直者だった。ぼくは宇宙人をスケスケと名づけ、仲良くなるが、やっぱり地球人には心のカーテンは必要だとも考える。円盤が修理でき、自分の星へ帰っていくスケスケ。しばらくして、ぼくのもとに手紙が届く。
宇宙人との友情を通じて、静かに問いかける物語です。詩情あふれる結末がみごと。
【学生部門】「Love is free」紺せまる
性別も年齢もかかわりなく、純粋な恋愛が尊ばれる近未来。そんな恋愛至上主義とも言える風潮のなか、主人公の園子はあえて「恋愛しない」ために恋愛専用アンドロイド、ヨシヒコを手に入れる。ヨシヒコはロマンチックなモードに初期設定されているのだが、園子はそれに逆らい、彼とのあいだに恋愛とは別の信頼関係を築こうと試みる。
セクシャリティのテーマにアンドロイドの自我をめぐる問いかけを重ね、切実な物語が紡ぎだされます。
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