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明治史講義【グローバル研究篇】
著者 瀧井一博
かつて西洋文明の圏外にあった日本は、西洋に由来する価値観や制度を受容し、定着させ、近代化を成し遂げた。明治維新が稀有な人類の歴史的経験であることに疑いの余地はない。それは...
明治史講義【グローバル研究篇】
明治史講義 グローバル研究篇 (ちくま新書)
商品説明
かつて西洋文明の圏外にあった日本は、西洋に由来する価値観や制度を受容し、定着させ、近代化を成し遂げた。明治維新が稀有な人類の歴史的経験であることに疑いの余地はない。それはいかなる思想と条件の下、可能となったのか。明治維新は世界史においていかに語られ、そこにどんな意味が見出されているのか。世界各地域の第一線で活躍する日本研究者の知を結集し、定説とされる歴史観に囚われず、国際的に大きなインパクトを与えた明治維新の世界史的意義を多面的に検証する。
目次
- はじめに……瀧井一博/第1講 オスマン官僚と明治官僚──ムスタファ・ビン・ムスタファと渡邉洪基が見たもの……ジラルデッリ青木美由紀/二人の帝国官僚の旅行記/二人のプロフィールと旅行の目的/二人の行動の違い/二人の見聞したもの/露土戦争前夜/二人の「東洋」観ギャップ/第2講 台湾で再現した「明治」──児玉後藤時代の鉄道技術者集団形成……蔡龍保/明治中期日本鉄道技術集団の崩壊および台湾への拡散/日本統治時代初期の鉄道技術者集団/児玉後藤時代における鉄道技術者集団の再編/随意契約と台湾の鉄道事業における産官連携/台湾で再現した「明治」/第3講 一九世紀の革命としての明治維新──ナポレオンのイメージとナショナリズムの矛盾……マーク・ラビナ/革命としての明治維新/一九世紀ハンガリーの国民革命との類似と差異/一九世紀ナショナリズムの理想/ナポレオン・ボナパルトという矛盾/吉田松陰とナポレオン/ジュゼッペ・マッツィーニ/ヨカイ・モル/グローバルな革命史のなかの明治維新/第4講 明治日本と世界経済との関連──情報通信の組織化……ジャネット・ハンター/はじめに/一九世紀後半の国際情報革命/日本の郵便制度の発展/日本の郵便制度への外国からの意見/結論/第5講 明治天皇の皇位継承儀礼とその遺産……ジョン・ブリーン/はじめに/新天皇の形成/明治にできた天皇と皇位継承儀礼/明治期のモデルと近代天皇の完成/大正天皇と天照大神・皇霊/結び──明治の遺産/第6講 中国の明治維新研究概観──中華人民共和国成立後七〇年間の展開……秦蓮星/劉岳兵/二〇世紀における明治維新研究の回顧/二一世紀以降における明治維新研究の整理/広い視角からの明治維新の影響の探究/明治維新の深い含意の探究/明治維新に関する学術書、史料集、通俗的な読み物および翻訳書/明治維新研究の今後の展望/第7講 明治に学ぶ──過去・現在・将来のグローバル化……ダリル・フラハティ/過去のグローバル化、現在のグローバル化/郷愁感──忘却と「過去のグローバル化」/楽観主義──時勢と「現在のグローバル化」/改革の希望──暗い「将来のグローバル化」のスペクター/第8講 地域社会の固有性と普遍性──明治維新前後の越前大野を例に……マーレン・エーラス/はじめに/大野に見る江戸時代の貧民救済/身分集団の自律性/明治以降の勧進の禁止/町人の貧民救済と役割分担/明治以降の地域福祉/他
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やや物足りない
2023/05/28 13:25
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投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界情勢がいかに明治維新に影響を与えたのか、外国から明治維新はいかに映ったのかを様々な角度から論じるものであるが、やや物足りなかった。重要な視点であるが研究としてはまた端緒についたあたりといったところか。