人機一体ブットバスター

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投稿者：求道半　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

人型ロボットに搭乗してボクシングする競技を描いた本作は、タイトルと同名の玩具の遊び方を踏襲したルールに則り、急所に、二発、ダメージを与えられると、選手は、強制的に、機外へ射出される。
　機体の製造、整備、訓練等に、多額の資金が必要な、この競技に挑むのは、貧しい家庭の少年ドドンだ。
　試合に出場する選手の年齢層は幅広く、男女が対戦する場合も多く、アリスは人気と実力を兼ね備えた女性選手である。
　ドドンと同年代の男の子の選手では、バキルが圧倒的な強さを示し、ドドンは一度もバキルを倒せなかった。
　己の不甲斐なさと活動資金の不足に悩むドドンは、スポンサー候補に名乗りを上げた若手社長と出会い、活路を見出す。
　試合用の機体だけではなく、サポートロボットも手作りする金欠のドドンは、この社長と共に、一旗挙げられるのであろうか。
　年少者向けの月刊誌に掲載された本作は、第七話で最終回を迎え、単行本も全一巻の刊行だが、画面の迫力は、週刊連載の時と比べて見劣りせず、作者の筆致は衰える事無く、新作を発表する迄のブランクの長さを全く感じさせない。
　特に、各選手の得意技は、それぞれの技の名前や特徴を的確に捉えて描き分けており、読者は、その破壊力の大きさを、視覚的に体感させられて、圧倒されるであろう。
　美少年も美少女も、美男子も美女も、ブットバスターに夢中である。
　人間と機体が一体化すると、選手と観客は心を通わせる。
　時には、場外乱闘も起きるが、対戦相手に敬意を払わない者は、絶対、王者になれない。
　ドドンは挑戦者だ。
　辛酸は嘗め尽くした。
　ポテトチップスも自棄食いした。
　また、負けても、這い上がれば良い。
　ドドンは前を向く。