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円安が日本を滅ぼす 米韓台に学ぶ日本再生の道
著者 野口悠紀雄 著
日本を衰退させた基本的原因は、中国工業化への対処の誤りだ。本来は、技術革新で中国製品と差別化を図るべきだった。しかし、日本は、中国との価格競争で苦境に陥った産業を救済する...
円安が日本を滅ぼす 米韓台に学ぶ日本再生の道
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円安が日本を滅ぼす 米韓台に学ぶ日本再生の道
商品説明
日本を衰退させた基本的原因は、中国工業化への対処の誤りだ。本来は、技術革新で中国製品と差別化を図るべきだった。
しかし、日本は、中国との価格競争で苦境に陥った産業を救済するため、賃金を抑え、かつ為替レートを円安に誘導した。
そのために、古い産業が残り、技術革新が停滞して、経済全体が衰退したのだ。
目 次
はじめに―日本はどこで間違えたのか?
第1章 日本が先進国だった時代が終わろうとしている
第2章 どうすれば賃金が上がるのか?
第3章 円安政策こそが日本経済衰退の基本原因
第4章 日本衰退の基本原因は、中国工業化への対処の誤り
第5章 未来に向かって驀進する世界の企業群
第6章 韓国、台湾の成長は今後も続き、日本を抜く
第7章 日本企業はどこに行く?
第8章 日本再生のために政府は何を出すべきか
図表
索引
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紙の本
日本人よ目を覚ませ
2022/06/12 16:56
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書はダイヤモンド・オンライン、東洋経済オンライン、現代ビジネスに公表された内容を基にしている。<日本はいま、先進国の地位を失う瀬戸際に立たされている。さまざまな経済指標がそれを示している。・・・1990年代の中頃以降、日本の成長がストップし、日本はさまざまな国に抜かれた。これを食い止めなければ、約50年間続いた日本の先進国時代は終わってしまう。>という書き出しで始まる本書の内容は、決して読んでいて気分の良いものではないが、日本の現状を直視し、この衰退から逃れるために何が必要かを考えさせられる一冊である。以下に、本書の内容の一部を紹介する。◆台湾、韓国の1人あたりのGDPは、日本とほとんど同じレベルになった。成長率が高いので今後日本を抜くことはほぼ確実。◆日本は賃金が低くても物価が安いから問題なしとの考えもあるが、これは間違いである。国際的な人材確保などで大きな問題が発生する。◆20年以上の期間、円安政策がとられてきた結果、古い産業が温存され、日本経済の衰退がもたらされた。◆ソニー、日立、富士通、三菱電機、東芝、NEC、パナソニックの時価総額の合計は、韓国のサムスンの約7割。これら日本の総合電機メーカーにトヨタの時価総額を加えても、台湾のTSMCに及ばない。◆パナソニックの社長が、「わが打倒サムスンの秘策」(『文藝春秋』2010年7月号)という記事で、日本の製造業が振るわない原因として5点、その中の一つが円高、もう一つは法人税
を挙げた。現在、為替レートは円安、法人税率も下がったが、現在のパナソニックの時価総額は、サムスンの17分の1。著者は10年前の記事に違和感を覚え、いつかはこの記事がこうした著作で活用できると、手ぐすね引いていた(?)のではなかろうか。◆日本の衰退は、古い仕組みが残っており、これが激変する世界経済の動きに対応することを妨げている。とりわけ問題なのは、政府が衰退部門を補助することによって、古い仕組みの継続に寄与していることにある。政府の役割は成長をリードすることではない。政府の役割は、成長を妨げる既得権益と戦うことだ。
5月のバイデン大統領の訪韓はサムスン電子に始まり、現代自動車で終わった。大統領は今回の訪日で日本企業を訪れることはなかった。これも本書が指摘している、日本の現状を端的に示している一例ではなかろうか。