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砂上の同盟 米軍再編が明かすウソ
著者 屋良朝博
本作品は出版社「沖縄タイムス」で配信されていたタイトルを再配信しております。重複購入にお気をつけください。なぜ、沖縄に基地が集中するのか。本社論説委員が米太平洋軍司令部の...
砂上の同盟 米軍再編が明かすウソ
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商品説明
本作品は出版社「沖縄タイムス」で配信されていたタイトルを再配信しております。重複購入にお気をつけください。
なぜ、沖縄に基地が集中するのか。本社論説委員が米太平洋軍司令部のあるハワイへ留学して「米軍再編」の真実に迫ったるルポタージュ。著者の屋良論説委員は「沖縄の地理的優位性を強調し、米軍基地は動かせない、という固定的な考えがある。しかし、それは根拠がないということを海兵隊のグアム移転を通して論証したかった」と話す。同著は第15回平和・協同ジャーナリスト基金の奨励賞受賞者。
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紙の本
真実を知ること
2011/03/08 04:54
6人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:良泉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
沖縄海兵隊のグアム移転に関し、ホノルルのあるシンクタンクの発言。本書より。
「そもそも機動性に富む海兵隊にとってはどこでもよかったのですよ。九州でもグアムでも海兵隊は同じように任務を遂行する能力がある。」
日本では、政権が変わろうとも相変わらず政府与党が言い続けてきた「沖縄には地理的な優位性がある」は、やはり嘘だったのか。
もともとが、そして今でも、海兵隊の居るべき場所が沖縄である必要なんて全然無かった!
こんな、日本を、そして沖縄をバカにした話があるか。
いや、あらためて言うまい。先の総理大臣だった人が、首相在任中の責任ある発言を振り返り、「沖縄の海兵隊は抑止力と言ったのは方便」と言ってしまった時点で、すべて明確だったのだから。そこまであっさり言われて、かえって気が抜けたくらいに。
それでは、なぜ、沖縄なのか。なぜ、これ以上、沖縄に過度な負担をかけ、沖縄をいじめぬく必要があったのか。
同じく本書より、防衛庁高官の発言。
「沖縄でなくても海兵隊は機能するのは事実だ。しかし、いまさら米軍を本土へ移転すると日米同盟は崩壊しかねない。60年、70年の安保闘争が再来する。日本はそうした政治的リスクを抱えることができないのだ。」
米国の都合で蹂躙され続ける沖縄があり、その沖縄を同国にありながら見て見ぬ振りをし見捨てようとする本土がある。
二重にも三重にも理不尽な差別を受け続ける沖縄を、また今、民主党政権は見捨てようとしている。沖縄蹂躙を米国と協同であらためて位置づけ直そうとしている。
さらには、「臭い物には蓋」のごとく、そのような政権とそのような政策に、安易に、全く安易にOKを出してしまう圧倒的大多数の日本人がいる。
もともと、海兵隊の居場所が沖縄である必要はなかったばかりでなく、そもそも日本にとって、米軍の海兵隊そのものが本当に安全保障のために必要だったのかさえ怪しい。沖縄を地理的に有利と言い、にらみを効かせる「仮想敵」は本当に存在するのか。
本書より、米国の政治学者サムエル・ハンチントン氏の言葉。
「敵がいなくなれば、国を守る軍隊はその存在意義を失う。軍が生き残るには別の脅威に対する戦略を新たに作る必要がある。」
地理的にも金銭的にも日本を利用して軍隊を存置させたい米国の意向と、米国に従順にあることによって現体制を保ちたい日本の日米安保派の策略に、いつまでもだまされ続けるほど国民はアホではない。
日本の将来を考えるとき、国民が連帯すべきなのは一般民衆であり、沖縄であるはずのことに、そろそろ気づき始めている。