いまは、空しか見えない(新潮文庫)
著者 白尾悠
父親からの抑圧に耐える高校生の智佳。誰にも言えない夢があり、密かに日帰り旅で東京へ向かう。そのバスで同級生のギャル・優亜と遭遇し、彼女の“男への復讐”を手伝うことに。智佳...
いまは、空しか見えない(新潮文庫)
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商品説明
父親からの抑圧に耐える高校生の智佳。誰にも言えない夢があり、密かに日帰り旅で東京へ向かう。そのバスで同級生のギャル・優亜と遭遇し、彼女の“男への復讐”を手伝うことに。智佳は大好きなホラー映画から着想し、復讐劇を実行するが……。何年経っても拭い切れない、怖れの記憶。暴力に歪められた自分の心を取り戻すため、懸命に闘い続ける少女たちの、希望への疾走を描く連作短編集。(解説・彩瀬まる)
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空しか見えない人たちへ
2025/02/11 14:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
白尾悠(はるか)さんのこの『いまは、空しか見えない』は、
2017年に第16回「女による女のためのR-18文学賞」の大賞と読者賞のダブル受賞となった、
「アクロス・ザ・ユニバース」(この本で「夜を跳びこえて」に改題)を巻頭の作品とし、
そこから派生していく書き下ろし短編4作品を収めた連作集である。
受賞作の「夜を跳びこえて」は、
父の支配する家から逃れるように東京行きの長距離バスに飛び乗った智佳という女子高校生が主人公。
偶然乗り合わせた同じ学校の優亜と行動を共にすることになる。
優亜が東京に向かう目的が東京から遊びに来ていた大学生に無理やり性行為にされた復讐と聞かされ、
智佳もともにその大学生に立ち向かおうとする。
結局は失敗に終わる復讐劇だが、この夜をきっかけに智佳は家を出る決心を固める。
次の「かなしい春を埋めに」は、智佳の母の物語。
三作目の「空のあの子」は大学に進んだ智佳が密かに制作する自主映画の理解者となる男子学生の話。
四作めの「さよなら苺畑」は最初の作品に登場した優亜のその後の話で、
彼女はあの忌まわしい事件のあと男性への恐怖心から抜け出せずにいる。
この作品がかなり衝撃的だ。
最後の作品「黒い鳥飛んだ」は、家から逃げ出し東京の映像会社で働く智佳の姿を描く。
2018年に出版された作品ながら、
今でも智佳や優亜が抱えている問題は現在進行形だ。
この世界に生きる多くの彼女たちにとって、やはり見えるのは「空」だけなのかもしれない。
登場する男性がクズが多い
2024/10/29 12:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
登場する男性がクズが多くて、
友達ポジのキャラクターにさえ
まさか豹変するのでは、と疑ったほど。
途中でやめたくなりますが、
最後に救われるのを期待してよかった。
闘う
2022/11/09 05:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
高圧的な父が本当に無理で、そこから逃げ出せた智佳はこれからも負けないでほしいと思う。
和姦とレイプ、今回読んでて他者からすると線引きがすごく曖昧なケースが多いんだろうなと感じた。こんな風に苦しんでる人は世の中にたくさんいるのではないのか、どうか闘ってほしい。
一歩前へ、過去を振り切るために。