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思想史講義【大正篇】
明治~戦前昭和の思想史を通覧する四巻シリーズの第1回配本の本書では、大正期に焦点を当てる。明治以来の「国体」の確立と文明化推進の動きはこの時期に変容し、現存する日本を改造...
思想史講義【大正篇】
思想史講義 大正篇 (ちくま新書)
商品説明
明治~戦前昭和の思想史を通覧する四巻シリーズの第1回配本の本書では、大正期に焦点を当てる。明治以来の「国体」の確立と文明化推進の動きはこの時期に変容し、現存する日本を改造し解放への希望を与える思想と運動が盛んとなった。国家主導だった文明化と「国体」の設定を、民衆の側から再設定する動きが広がり、知識人や運動家がその動きを担っていく。こうした大正期の多様な思想を15のテーマと11のコラムで、最新の研究成果と学術的知見を交えつつわかりやすく解き明かす。
目次
- 刊行の辞……山口輝臣・福家崇洋/はじめに……福家崇洋/文明化と「国体」の行方/第一次世界大戦と「文明化」再考/戦後世界の再編と民族独立要求/解放と抑圧の先に/第1講 憲政擁護論……小山俊樹/憲政擁護と閥族打破──「大正デモクラシー」のはじまり/「民衆的示威運動」の系譜/浮田和民の「倫理的帝国主義」/尾崎行雄の「立憲勤王論」/憲政擁護の論理構造/第2講 天皇機関説論争……住友陽文/何が問題になったか?/国家は団体なのか/国家法人説批判/主権・統治権の主体/天皇とは何か/国体論と憲法/論争以後/第3講 民本主義……平野敬和/民本主義の背景/民本主義の内容/民本主義論の波紋/帷幄上奏をめぐる議論/民本主義と社会主義/第4講 教養主義……松井健人/「歴史」としての大正教養主義/旧制高等学校とドイツ語/帝大教師ケーベルと大正期教養派/人格・社会のための読書と躓き──阿部次郎『三太郎の日記』/政治的かつオカルト的な大正教養主義へ──阿部次郎の満鉄講演/第5講 大正マルクス主義……黒川伊織/民本主義と日本資本主義論争のはざまで──山川均と第二次日本共産党/唯物史観による同時代認識──明治維新の性格規定をめぐって/社会主義運動の再活性化──一九一九年/コミンテルンの日本への働きかけと第一次日本共産党の成立/「デモクラシー」的諸要求の拒否──普通選挙をめぐって/「主義者」からエリート学生へ──福本和夫の登場/第6講 大正アナーキズム……梅森直之/大正時代の思想的課題/日本におけるアナーキズムの導入と展開/大正アナーキズムの輪郭/「自我」と「労働」からの解放/大正アナーキズムの外延/第7講 アジア主義と国家改造論……萩原 稔/手塚治虫が描いた北一輝/日露戦争前後の北一輝/中国革命とのかかわり/『改造法案』1──執筆の背景/『改造法案』2──国家改造の実行手段=天皇を擁した軍事クーデター/『改造法案』3──国家改造の具体的内容/『改造法案』の影響──その後の展開/第8講 民族自決論……小野容照/民族自決とセルフディタミネーション/ロシア革命と自己決定する主体/ボリシェヴィキからウィルソンの民族自決へ/三・一独立運動/さまざまな民族自決論/黎明会、新人会と朝鮮/第9講 小日本主義と自由主義……望月詩史/小日本主義とは何か/植松考昭の小日本主義/三浦銕太郎の小日本主義/石橋湛山と自由主義/石橋湛山の小日本主義/小日本主義の評価/第10講 女性解放思想……小嶋 翔/“性”を問う主体の登場──平塚らいてう「元始女性は太陽であつた。」/産む性であることの困難/“性”の自己決定権をめぐって/人間としての平等か、女性としての権利か──母性保護論争(一九一八)/権利を求めて──新婦人協会(一九一九~二二)/個人としての自由か、社会としての保護・規制か/資本主義社会と女性──時代は昭和へ/第11講 新教育……和崎光太郎/新教育の誕生/新教育の展開/八大教育主張講演会/川井訓導事件/新教育の「終焉」
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