紙の本
シリーズ化&映像作品化に期待
2022/09/26 11:27
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投稿者:higassi - この投稿者のレビュー一覧を見る
伊兼源太郎さんは、警察やマスコミを舞台に本当の「筋」を通そうとする主人公を描いたドラマ性と、迫力ある格闘シーンも魅力の作家です。本作はそうした魅力が満載で「映像映え」しそうな、まさに著者渾身の一作!シリーズ化&映像作品化に期待します。
電子書籍
警察ミステリー
2023/05/03 22:34
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作家さんの警察ミステリーは、他のも読んでいますが、やはり、面白いです。手に汗握るという形で、進み方が速いし、ありそうな事件がきっかけになるし。テレビドラマにしたら良さそうな感じがします
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ギスギスした警察小説を求めて、伊兼源太郎「祈りも涙も忘れていた」読み終えた。
伊兼源太郎は「警視庁監察ファイル」3部作をAmazonオーディブルで聞いたばかりで、本作で4作目。
26歳の新人警察官僚が神戸と思しき神浜市なる架空の都市のあるV県警に赴任し、管理官として現場捜査官と対立したり、巨悪に立ち向かう話。
序盤の現場捜査官をやり込めるところまでは良かったのに、その先がシャキッとしなかった。
話を大きくしたわりに、終わり方が唐突でバタバタしすぎだし、読者置き去りなのでいまいち盛り上がらない。
肝心なところで主人公の思考を描かなすぎて唐突。
一番ダメなのは、主人公と成海の会話の嘘っぽさというか、あんな会話で魅力を感じるのか?ということ…人によっては魅力を感じるのか。
作中でラマイオリヒという作家の文章がたびたび挿入されるんだけど、実在の作家なの?それとも創作?
その文章が結構長いんだけど、興味なくて一切読まずに飛ばしてしまった。
読んだらもっと味わい深かったのか?
バーの場面をカットしても話が成り立ったのでは…と思ってしまう。
バーの場面なしでは話は成り立たないだろうし、作者はあそこを描きたかったのだろうけど、どうもあそこがベタベタと感傷的すぎて苦手。
もっとヒリヒリと渇いてギスギスしてほしい。
文句ばかり書いてしまったけど、終盤までは、成海周りを除けば、ギスギスしてて楽しかったよ。
伊兼源太郎の「警視庁監察ファイル」の皆口も要らないなぁと思ったので(皆口は主人公並みのキャラだけど)、この人の描く女性キャラが苦手なんだと思う(笑)。
「警視庁監察ファイル」では主人公の幼馴染の弁護士、本作では主人公と大学同期の新聞記者が出てきて、どちらもとても良いキャラで良い役回りを与えられながら今ひとつ活躍しないところまで同じで、面白い。もったいない。
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やっぱり伊兼源太郎はほんまもんだった。今まで読んだ警察ミステリー小説でベスト5には入る大傑作。濃厚で芳醇で青春をも感じさせる若きキャリアの活躍と挫折を神戸を舞台に描く。見事なプロットと煌めくような会話の数々、過不足ない主人公の心理描写、「だから、僕は人を殺した」に込められた心情投影、どこを切り取っても全く嫌味のないそこはかとないハードボイルドの香りが漂ってくる。もっと伊兼作品が認知されて多くの方に読んでもらいたいので、何か賞を取らせてあげてください。
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犯罪認知件数が20年連続全国ワースト5であるV県警捜査一課に配属される警察キャリア甲斐。26歳での赴任であるため、捜査員のほとんどが年上で経験も豊富なものばかり。赴任当初の甲斐は自分のポジションをわきまえ率直でどこか達観したような印象だった。冷めているわけではないが熱くなるようなこともない。だが、芯はブレることなく行動に移すことには躊躇しない。繊細さも持ち合わせた甲斐が次々と起こる殺人事件の真相に迫っていくほどに、覚悟と意志が確固たるものになっていくのは読み進めながら感じた。
正義のための犠牲、愛するもののために罪を犯すこと、悪と分かっていても逃れられない心、そんなことを強く意識させられた。祈りも涙も忘れていた一連の出来事は心が疲弊してしまいそうだ。
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初めて読んだ作家さん。正直に言うと読み始めは少し侮っていました。主人公の凄さを周りが「凄い」と言って「凄く」なる話なのかと。ただ登場人物が増えるに連れて、出てきたキーワードの点を繋げて導き出されたものと、話の残り4分の1からの答え合わせがとても楽しかったです。
また日本が舞台の警察ものとしては珍しく、海外ドラマのような終わり方が個人的にも良かったです。
最初と最後、作中の小説と甲斐、練り込んであって勢いだけでない印象を受けました。他の作品も読んでみたいです。
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犯罪認知件数が20年連続で全国ワースト5にはいるV県警捜査一課管理官に任命された若きキャリア警察官・甲斐。着任早々ノンキャリアの部下から嫌がらせの洗礼を受けるも反撃に転じ黙らせる。凄惨な殺人事件、不審死が立て続けに起こり、黒幕の存在が見え隠れするなか、12年前の警官焼死事件に端を発した警察の内通者疑惑が持ち上がる。裏切り者は誰か?誰も信用できない状況で、甲斐はある一手を仕掛ける。
あ〜面白かった〜。
久しぶりに、ずっと読んでいたいと思わせてくれる作品。甲斐の造形が魅力的で、どんどん引き込まれていった。正直、人が死にすぎて事件の全貌が詳らかにされた感がなくて、最初の夫婦焼死事件ではどうして彼らが死ななければならなかったのか最後までわからなかったし、最後になって駆け足での伏線回収がちょっと慌ただしくてミステリとしては難点も。
成海との会話はキザすぎてどうなの?って感じもあったけど、一貫して感じられる甲斐の哀しみのような感情が心を捉えて離さず、心に深手を負いながら成長していく男を描いたハードボイルドとして十分に楽しめた。
ドイツ人作家ラマイオリヒの「だから、僕は人を殺した」という作中作で描きたかっただろうこと、戦争の影を引きずっていた坂東が甲斐に放った言葉、それらはこの作品の大きな部分を占め、さらに深みを与えている。
そして、20年後再びV県警に赴任した甲斐が事件を回想するという構成が秀逸で、最後の1頁は涙が出そうでした。
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行間を流れる何とも不穏な空気に急かされ、次はどう展開?マグマはいつ噴き出すのとゾクゾクしながら読み進む。一人語りが昔のハードボイルド小説ポクって新鮮なのか?「物事の良し悪しは時代で変わる。けど好き嫌いは己で決められる」「性愚説」「清流に煙草を弾き飛ばして平然とする男」「役職や階級、肩書きはただの記号」「人間のまっとうさは社会のまっとうさと相容れない時がある。でもわたしたちは、もっともらしいまっとうさに何もかもを押し込もうとしてしまう」何故か震災直後に深夜、屋台で飲んでホテルに帰った神戸の街が頭に浮かんだ。
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管内の犯罪認知件数が全国ワースト5に入るV県警捜査一課に配属された新人キャリア警察官の甲斐彰太郎。彼は、警官一万人以上が所属する大所帯で、実地経験のないまま管理官として放火事件捜査の陣頭指揮を執ることになる。
ノンキャリアの警官たちから面従腹背の扱いを受けつつも、捜査一課長の大東、一課四係班長の渡辺、所轄署刑事の阿南らの助力を得て、甲斐は県警内で捜査の主導権を確立していく。
やがて管内で凄惨な殺人事件が次々と発生。見せしめのごとき死体遺棄と捜査関係者の不審死、その背後には警察関係者が? 一連の事件の黒幕を突き止めるべく捜査を始めた甲斐を待ち受けていたのは、十二年前の警官焼死事件に端を発する、V県の警察・政財界を揺るがす一大疑獄だった……。
ハードボイルドにしては、やや甘口。期待していたので残念でした。
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152だんだん良い作品が増えてくる。これまでで一番良かった。抑制とウィットも残っていて、単なる深読みの言葉遊びにならないセンスが心地よい。大作家の単発でがっかりした後だったので、余計に。たくさん人が亡くなったのでマイナス星一つなり。
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警察小説というよりも今までにはないエンタメ要素を含んでいる。
若きキャリア警察官である甲斐が、クールでスマートである。
だが内には熱いものを秘めているようで気になる存在。
バーでドイツ小説を読むくだりもあり、描写が美しい。
成海とのやりとりも会うたびに深みを増してくるのも楽しめるところである。
警察小説にしては、とても綺麗に完結していると感じた。
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「とても面白かった」というのが率直な感想です。
警察小説の魅力がつまっていたと感じました。
若手キャリアにスポットをあてている小説は、今まであまり読んだことがなく新鮮であったことも影響していると思います。
誰が裏切りなのか?どうなるのか?
ワクワクしながら読めました!
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03月-06。3.0点。
ある県警に赴任した26歳のキャリア。管内の連続放火事件を担当。捜査していくうち、県内の最有力者との闘いに巻き込まれ。。。
ハードボイルド。警察関係者が少し多すぎるかな。読むのに時間かかった。
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ハードボイルド作品なんだけど、主人公はいわば出木杉くんタイプで、人間離れしている感じがして、あまり惹かれませんでした。ハードボイルドの中にも弱みとか人間臭さがあればなあと個人的に思います。