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嘉吉の乱 ──室町幕府を変えた将軍暗殺
著者 渡邊大門
嘉吉の乱とは前代未聞の室町幕府将軍の暗殺事件。籤引き将軍・足利義教は専制的な強権政治、「万人恐怖」と呼ばれた守護や公家への理不尽な仕打ちを行い、その死は「自業自得」とまで...
嘉吉の乱 ──室町幕府を変えた将軍暗殺
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嘉吉の乱 室町幕府を変えた将軍暗殺 (ちくま新書)
商品説明
嘉吉の乱とは前代未聞の室町幕府将軍の暗殺事件。籤引き将軍・足利義教は専制的な強権政治、「万人恐怖」と呼ばれた守護や公家への理不尽な仕打ちを行い、その死は「自業自得」とまで書かれた(伏見宮貞成『看聞日記』)。将軍殺害は幕府と守護の関係に大変化をもたらしたが、事件にいたる背景には社会的な混乱も大きかった。旱魃や風水害による飢饉、重税、大規模な土一揆の頻発。大地震、疫病の流行による不安。幕府による抑えがきかなくなった守護や守護代の台頭。のちの下克上時代の到来を予兆する嘉吉の乱。その全貌とは。
目次
- はじめに/第一章 室町幕府と守護赤松氏/鎌倉幕府の滅亡から建武政権誕生まで/室町幕府の誕生/地方組織と守護制度/赤松円心と播磨/円心の挙兵/円心の功績/建武政権下からの離反/円心と尊氏の反乱/義貞との死闘/範資と則祐/則祐と幕府/則祐と義満/室町幕府と赤松氏との関係/第二章 赤松満祐播磨下国事件/三代将軍・足利義満/土岐康行の乱/山名氏の家督問題/明徳の乱の勃発/応永の乱と大内氏/応永の乱前夜/応永の乱の勃発/室町幕府と赤松義則/義満の死と新将軍・足利義持/弟・義嗣との関係/赤松満祐の父・義則の最期/三尺入道/三カ国守護職の行方/赤松春日部家について/揺らぐ満祐/赤松春日部家・持貞の厚遇/遁世者の密告/義持と持貞、蜜月の終わり/許された満祐/年貢の返還請求/矢野荘への過重な負担/播磨下国事件の不可解/第三章 籤引きで選ばれた新将軍/足利義持の後継者問題/籤で選ばれた将軍/将軍の正統性/政治に意欲的だった義教/恐怖に口を閉ざす公家たち/将軍・義教と鎌倉・持氏の対立/持氏の不穏な動き/永享の乱はじまる/持氏の最期/大和永享の乱──国人同士の紛争が拡大/土岐持頼と一色義貫の討伐/幕府における満祐の活動/山城守護を兼ねた満祐/和歌に通じていた満祐/満祐邸に足を運んだ義教/満祐と松ばやし/義教の播磨訪問/報恩寺・圓教寺の訪問/赤松貞村について/将軍と貞村の親密交際/赤松満政について/申次になった満政/比叡山の強訴/満政の所領など/満政と和歌・連歌/将軍に仕えた赤松氏庶流/第四章 社会情勢の変化──天災と疫病の時代/世情不安な時代/旱魃による大損害/続く矢野荘の損亡/災害の時代/一揆と疫病の時代/正長の土一揆/守護赤松氏の土一揆対応/困るのは耕作地の放棄/播磨国土一揆の後遺症/白旗舞い降りる/赤松氏に迫る危機/満祐、悩乱する/第五章 嘉吉の乱勃発する/あっという間の凶行/義教の首/自業自得──辛辣な義教評/初動が遅い幕府側/祈願を依頼/一丸になれない幕府側/反乱は計画的だったか/南朝・小倉宮/観応の擾乱と足利義尊/井原御所と称された僧侶/満祐が義尊を擁立した理由/満祐は天下を狙ったのか/播磨へ下向した幕府軍/満祐を利するニセ情報/赤松満祐は朝敵か/天皇自ら綸旨を添削/後花園が政治に示した意欲/序盤戦の勢い/進撃の幕府軍/追い詰められた赤松氏/誰が誰の首を獲り、誰が逃げたか/第六章 戦後処理と赤松氏の衰退/無残な梟首/生き残った子供/伊勢に逃亡した教康/恩賞の割り当て/足利義尊の運命/播磨国守護山名氏による支配/猛悪至極、虎狼のごとき支配/山名氏による支配の特徴/幼帝の早世でもっと幼い後継者へ/文安の乱と赤松満政/朝鮮半島へ渡った謀叛人・則繁/赤松則尚の台頭と山名持豊の没落/則尚の最期/生き残った赤松氏庶流/他
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本当に面白い室町時代
2022/12/06 16:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
室町時代の嘉吉元年に播磨・備前・美作の守護赤松満祐が室町幕府6代将軍足利義教を殺害した騒乱、混沌の時代という言葉がぴたりと当てはまる室町時代の中でも飛びぬけて異様な事件、満祐の子の教康の屋敷で猿楽を鑑賞していた将軍を甲冑を着た武者たちが座敷に乱入して殺害、招かれていた守護大名・近習達の多くは即座に逃げて将軍を助けようとしなかったようだ。私は北方謙三氏の小説「悪党の裔」を読んで以来、円心のファンで赤松家には肩入れしてるのだが、この騒動は残念至極、赤松氏の立場からすると、有力大名の家督相続に強引に介入してお気に入りに家督を相続させるといった暴君にしか思えない義教に次に目をつけられるは自分だと満祐が疑心暗鬼になるのも無理もないと彼の気持ちを慮ることも可能だ