- 販売開始日: 2022/11/14
- 出版社: 慶應義塾大学出版会
- ISBN:978-4-7664-2845-2
犬に話しかけてはいけない
著者 近藤 祉秋(著)
カリブー、ワタリガラス、クマ、ビーバー、ギンザケ、オーロラ ……多種とともに生きのびる知恵を知る人類学の冒険がはじまる内陸アラスカではかつて「犬に話しかけてはいけない」と...
犬に話しかけてはいけない
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商品説明
カリブー、ワタリガラス、クマ、ビーバー、ギンザケ、オーロラ ……
多種とともに生きのびる知恵を知る
人類学の冒険がはじまる
内陸アラスカではかつて「犬に話しかけてはいけない」という禁忌があった――。
マルチスピーシーズ民族誌と環境人文学の視点から、フィールドワークを通してアラスカ先住民の人々と「自然環境」との関わりを描く。
内陸アラスカ先住民の人々は、動植物や精霊、土地との関係性のなかで息をひそめながら暮らしてきた。「人間」が問い直されている今、彼らの「交感しすぎない」という知恵から「自然との共生」を再考する。
目次
- はじめに――ある日の野帳から
- 第1章 マルチスピーシーズ民族誌へようこそ
- 第2章 ニコライ村への道のり
- 第3章 ワタリガラスのいかもの食い──ある神話モチーフを考える
- 第4章 犬に話しかけてはいけない──禁忌から考える人間と動物の距離
- 第5章 ビーバーとともに川をつくる──「多種を真剣に受け取ること」を目指して
- 第6章 「残り鳥」とともに生きる──ドムス・シェアリングとドメスティケーション
- 第7章 カリブーの毛には青い炎がある──デネの共異身体をめぐって
- 第8章 コウモリの身内──環境文学と人類学から「交感」を考える
- おわりに――内陸アラスカ先住民の知恵とは何か?
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マルチスピーシーズ人類学の現在地
2022/12/20 14:42
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投稿者:しろた - この投稿者のレビュー一覧を見る
「犬に話かけてはいけない」は本の中の章タイトルの一つ。
内陸アラスカでは白人が犬ぞりを持ち込む前、犬に話かけると村に災厄が起こると思われていた。このような禁忌からアラスカでの人間と動物、自然との距離感、関係性を検討していく。
人間を中心に記述するのではなく、動物や自然物を含めてその中の関わり合いのなかで、「生」を記述していく。ビーバーやワタリガラスなどの動物たち、そして村の人々との生活。理論と実践(フィールドワーク)が非常にバランスよく描かれている。自然環境が急激に変化している昨今、生き延びるためのささやかな知恵が詰まっている。