紙の本
解決できない、ただそこにある怪異
2023/02/17 15:45
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投稿者:もち - この投稿者のレビュー一覧を見る
しかしそれらの怪異ーー作中では「領怪神犯」を放っておくわけにもいかず、また金にならないので、調査は公務員がしている。調査地は田舎の因習の側面もあるが、そこに巣食う領怪神犯とそこに生きる人々のどうしよもなさは、どう足掻いても明確なハッピーエンドは導けない。むしろ足掻いて更に手を追えなくなるよりも、今の小康状態を保つ方がマシとさえある。
そんな中でも調査を続ける主人公の背景が、連作を追って徐々に見え始め、伏線が収斂するラストは圧巻。
紙の本
畏怖し祈り崇める
2024/01/22 17:10
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
地震 噴火 嵐 豪雪などの天災と同じように、自然の脅威に対して有効な手段を持たず ただ畏怖し祈り崇める というものが過去現在そして未来でもかならずあるのだ と思わさせられる作品である。絵柄は丁寧で巨大な神の肉体の部分 など随分とリアルな描き方である。
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超常現象を起こす神々と、調査する公務員のはなしという設定が好きすぎた。
村って都会と違うヤバいものがありそうなイメージがあるから舞台設定もめっちゃ好み。
好きなはなしは『水底の匣の中の神』と『辻褄合わせの神』『そこに在わす神』
昭和百四年、実は第三次世界大戦もあってすべて隠してある歪みが神をうみだしているのではないかという予測をしてしまう、もうたまらなく好き。
神は神だからそれこそ人間ひとりにひとりずついてもおかしくないし例えばひとつの村に神が何人いてもおかしくない。
歪みを知りすぎた宮木が前の部署からとばされてきたことも今後どんな展開になるのかめちゃくちゃ楽しみ!
紙の本でぜひ続きを読みたい!!
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最初は「神」による怪異を解決せずに調査するだけ、緊急性なし、なんて、時代かなと感じた。しかし、連続短編小説なので、徐々に明らかにされていく主人公の背景と共に、だんだんと世界の歪みが感じられ、最後には、大きなどんでん返しがあった。ホラーだと思って読んでいたので意外だったが、面白かった。
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最初の話が投げっぱなしのすっきり解決しない結末で驚いたけれど、冷静に考えれば、神が起こす天災にも似た事象に人間が太刀打ち出来るはずないなと理解。
そんな「領怪神犯」を調査はするけど、せいぜい妥協案を出すまでがお仕事、完全解決はしない(というかできない)特別調査課の物語。
カクヨム発だからか、話数が多い。
その分「領怪神犯」のバリエーションも多く、読み進めていくと解決できない展開も気にならなくなった。
一応真相に近いことは分かるし「ひと喰った神」や「こどくな神」など言葉遊び(解釈?)が面白いものもある。
解釈そのものも面白い話もあり、よくこんなにバリエーションを揃えたなあと驚くほど。
個人的には人魚の村の話と辻褄合わせの話が怖かった。
住人が怖いという意味で。
上記の通り、解釈が面白いので、前半は民俗ものとして読んでいたが、後半は一気にホラー色が増した印象。
特に人が消えているのに気付かない展開、主人公がずっと抱えていた件に関する話はトップクラスに怖かった。
会えたのに、どうにもならないのは、ヨモツヘグイや黄泉比良坂を思い起こさせた。
そして、最後の最後に明かされるとんでも設定。
あれには本当に「まさか!」となった。
もしかしたら、現実世界も……なんて考えると、まだまだこの「領怪神犯」の世界は広がっていきそうだ。
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幽霊とかの心霊系ホラーは大の苦手なのですが、都市伝説とか土着信仰的なものが好きで普通に楽しく読めました。
知られずの神の項が印象に残り、人が消えたのに消えたことを忘れてしまう描写にゾクゾクしました。私達の当たり前の生活にも見逃したり記憶から消えたなにかがあるのではないかと思わてくる内容で面白いものでした。
最後の項の話のような辻褄を合わせるというのは、きっと我々の学ぶ歴史の中では幾度も行われてきたことなのだろうなと思います。
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怪異が起こり、それを調査するといったのがこの物語の主な流れです。
他の方の感想にもあると思いますが、怪異を調査するだけで解決はしないので、なんとなく後味が悪いです。
しかし、名前からどんな怪異を起こすのか分からない領怪神犯もいるので読んでいて面白かったです。
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神々が引き起こす超常現象。人々の安寧を脅かすそれは、「領怪神犯」と呼ばれている。
役所内に密かに存在する特別調査課の片岸は、部下である宮木とともに日本各地で起こる超常現象の調査にあたっていた。
ある事情を抱えながら、神々が起こす超常現象を調査する特別調査課に所属する公務員の男・片岸を主人公とするホラー小説。第7回カクヨムweb小説コンテストホラー部門とComicWalker漫画賞を同時受賞した作者さんのデビュー作です。
ちょっとSCP Foundation(「異常存在を集めている秘密組織『財団』が密かに存在する世界」という設定のシェアワールド)味を感じる民俗学ホラー。
「巨大な体の一部が降ってくる村」「死体の内臓が消失する現象」など、人の力ではどうしようもない様々な現象を起こす「神」という存在を、排除したり戦ったりすることなく、実情を調査して最低限の対応で済ませるあたり、「公務員である」という設定の”らしさ”と「人の身では神に対して無力に近い」という雰囲気があってとても好きです。
すこし文章的に読みづらい部分もありますし、オチがすっきりしないという意見もありそうですが、こういう人知を超えた存在に対するどうしようもなさというか、諦観のような達観のような、あるいは対照的な憧憬、切願のようなそんな言葉で表せない感情が好きなので、この神と共存する世界の独特の雰囲気がとても魅力的。
個人的には『水底の匣の中の神』と『辻褄合わせの神』の話が好きでした。
7月に2巻とコミカライズ版も出るそうなので、そちらもぜひ読みたいです。
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ほぼどの怪異(?)にも対応出来ない。
なるほど、「神犯」ということか。
2巻が7月に発売とのことで予約した。
読み進めていると「もしかして…」と方向性は予測出来る内容。しっかり完結出来たらかなりの良作になると思う。次が楽しみ。
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後ろが怖くなったのは辻褄合わせの神。
理不尽とは違うけどそれに近い何か。
良くては無し、悪くて死。
ずっと違和感を感じていたが何か分からず。
でも昭和で違和感の正体が分かったような。
ゲームとは言い得て妙。
片岸さんではなく宮木さんだったのかと思った。
何がと聞かれても言葉にするのは難しい。でも、宮木さんの方だった。
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2023/7/16 読了
解決したのか、してないのか分からず、2話くらいまでは理解が追いつかず、モヤモヤ。でも、帯に書いてる通り、「善悪なし」「超常現象」と念頭におけば、読みやすくなった。流し読みしてたから、その辺読み飛ばしてしまったんだろうな、、2巻が近々出るようなので、買ってみたい
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ネタというか発想はめちゃくちゃ好みなので、あとは何が/誰がどういう動きをしてるか・なぜそう判断したのかもっとわかりやすい描写をしてくれたらまじで推すと思う。期待値で星増やしました!
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ホラーは苦手なのですが、ぐいぐい読み進めてしまいました。
後半の『辻褄合わせの神』『こどくな神』『知られずの神』が特にお気に入りです。
不気味な神による超常現象だけでなく、人間の手によって生まれた社会の歪みが恐ろしかったです。
そしてその歪みは閉鎖された村だけでなく、もっと大きなものっぽい…?というところで終わり、続刊を読むのが楽しみです!!
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一話ごとにすっきり解決するのでは無く、人の手に負えない神に会っては逃げる話が続く。クトゥルフものやクトゥルフ系TRPGと似ている。また随所に散りばめられたこの世界の違和感が最終話ではっきりと示される部分がとても良かった。2巻も楽しみ。
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面白かった。
設定がすごく好き。
主人公の終わりの無さと救い切れ無さがどうなっていくのか解決の道筋はあるのか気になるところ。