紙の本
昔、エクスペンダブルズありけり
2023/05/13 21:08
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投稿者:yukiちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔、リチャード・エイヴァリーって作家のエクスペンダブルズってシリーズがあったよね。
そいつを痛烈に思い出しました。
向こうはチームだったけど、こちらは個人だよね。でも、本来必要とされてないということは一緒なのかな?
他人に必要とされないってことが、どんなに淋しいことなのか、考えさせられた。
作中、他の植民地で、資材がなくなるまで再生させられ続けるミッキーの描写があったけど、本当に気持ち悪かった。
舞台となる惑星に人類が生き残ることができるか不明だが、少なくとも明るい未来が見えてきたことは嬉しいかな。
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監督:ポン・ジュノ、主演:ロバート・パティンソンで映画化が進行している長編SF。あらすじを読んで面白そうだったので、当たってみることに。
人類が、居住出来る惑星を求めて地球外へ旅立つ近未来。命が保障されない危険なミッションにおいて、特別な役割を持つ者がいた。"エクスペンダブルズ(使い捨て人間)"―――それは、命を落とす可能性の高い任務を担当し、死ぬ度に過去の記憶を受け継いで、新しい肉体(クローン体)で生まれ変わる役割を持つ者。
氷で覆われた惑星ニヴルヘイムでのコロニー建設ミッションに"エクスペンダブルズ"として参加するミッキー・バーンズは7人目のミッキー、つまり"ミッキー7"であった。とある任務で6度目の死を覚悟したミッキー7だが、生き残ることに成功して基地へ帰還する。しかし、そこには次のミッキーである"ミッキー8"が既に生み出されており―――。
あらすじを読んですぐ頭に浮かんだのは、映画『月に囚われた男』だったので、サスペンス・ミステリ調の作品になるものと想像していたのだが、実際に読んでみた印象は、オーソドックスなSFアドベンチャー。「"再生産"出来るために使い捨てられる、記憶を引き継ぐクローン体」というのは、SF好きには堪らない設定で、さらに「本来1体しか存在してはいけないクローン体が、同時に2体存在してしまっている」となると、その設定を活かしたトリック等が期待されたのだが・・・だが・・・。
映画化のタイトルは、原題の『ミッキー7』から、使い捨てられた数がだいぶ増えたのか、『ミッキー17』に。ポン・ジュノ監督の力で、本作の魅力的な設定を活かした、原作を超える作品に是非仕上げていただきたい!
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うーん、面白いんですが、手放しで喜べないこの感じ。 主人公ミッキーとその彼女がなかなかなクズのせいかも知れません笑 最後はいろいろとモヤモヤっと急速に終わりました。
テセウスの船のくだりですが、使い捨て人間達は、単純に再生してるだけで、毎回同じ人では無いように思いました。
みなさんどう捉えたでしようか。
一気に読めたので面白いのは間違いないです♪
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面白くないとは言わないけど
クローン人間を主役に置いたファーストコンタクトものとして読むと、長い物語の割にはコンタクト部分が浅く感じる。つまり、コンタクトがテーマではないんだろうか?
確かに、コンタクトではなく、知性体は主人公がうまく立ち回ってるという背景の一部分なんかもしれないなぁ。
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大変楽しいエンタメSF。
環境厳しい植民星で、何度でも再生できるクローンちゅうかコピー人間“エクスペンダブル”のミッキー7(7体目)が、ひのんなことから生きてるうちに8が作られてしまい、必死で隠しながら、生き残る道を切り開く。
ポン・ジュノ監督で映画化が進んでるそうだが、ロバート・パティンソンはダークすぎないか…短躯で陽気なキャラなのだが。敵のムカデはともかく、あとムシが出てくる幻想シーンはやめてくれー見られなーい。
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人類が居住可能な惑星を探して入植していく未来が舞台。
とある氷の惑星に降り立った200人ほどのグループのなか、死を伴う危険な作業を専門に行う“使い捨て人間(エクスペンタブル)“と呼ばれるミッキーが主人公。
エクスペンダブルは、いわゆるクローン人間で、もし死んでしまったら直前のバックアップから同じ記憶をもった人間が再生される。
ミッキーは、過去6回死んで7人目のミッキー7。
いつもと同様に危険な業務に就き、氷の惑星に住む巨大ムカデに殺されてしまったと思われ、基地では新しい“ミッキー8”が生み出されたのだが、実はミッキー7は死なずに命からがら基地に戻る。
自分の部屋に戻ったミッキー7がミッキー8に出会い困惑。このことが周りにばれたら二人とも処分されてしまうということで、ミッキーが2人いるということがばれないように行動していくが・・・ということから始まり、物語は徐々に大きくなり最後は先住生物である巨大ムカデとの対峙に至る。
最近読んでいるものと同様設定はわかりやすく、宇宙モノのSF冒険譚として楽しめた。
ある人間が死んで、直前の記憶をもった人間が再生されたら、それは同じ人間と言えるのか。それが同時に2人存在してしまったらそれらは同じ人間なのか。
SFにはありがちだけども、この手の哲学的な問いをわくわくする物語の中にうまく埋め込んでいる。
映画化が進んでいるようだけれども、確かに映像向きの物語。公開されたらきっと観に行くなー。
というわけで万人にお勧めできるSF。
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もう、難しい話はいらないでしょう。
あたまをからにして楽しめます。
特に、ミッキー7と8との掛け合いは、1960年代アメリカのホームコメディ(馬や車が喋ったりするやつ)でのコントのように、奇妙に面白い。
それでいて、スリルありアクションありラブあり……映画化されるそうで、ええ、そうでしょう。わかります。
さて、主人公のミッキー・バーンズは歴史学専攻で、宇宙でも暇を見つけて過去の出来事を調べてました。
そこには、エンタメ作品の中にも社会風刺を潜ませてます。
やっぱり地球って大切なんだなぁ〜
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主人公ミッキーは使い捨て人間(エクスペンダブル)。氷の惑星でのコロニー建設ミッションで危険な任務を担当する彼は、任務で死ぬたびに過去の記憶を引き継いで新しい肉体に生まれ変わる。死を繰り返した彼は、現在ミッキー7。次のミッションで命からがら帰還すると、ミッキー8が生まれていて・・・
高評価!
設定も面白いのですが、展開もまた引き込まれる。ふたりのミッキーはその存在を隠しつつ、コロニー建設のゴタゴタやムカデ型の先住生物との抗争に巻き込まれてしまい、ついに・・・といった感じで、コンパクトな内容なのですが、合間合間に世界背景の描写があったりと、意外と奥行きも感じる作品でした。結末もキレイにまとめて良い感じ。
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映画化が決定しているSFエンタメ作品で派手な展開はないものの、SFならではのアイディアが沢山盛り込まれていてSF好きとしては楽しめた。現在の主人公の動向と、主人公のこれまでの「死亡履歴」、そしてこの世界の他の植民星の状況を歴史として語るパートがあり、ディテールが深掘りされていて、実在感のある世界観を形成できている。ただちょくちょくパートが切り替わるため、本編の展開の進み方のテンポは悪く、続きが気になって仕方がないページターナーとは言えないかもしれない。SF的思考実験をエンタメ化した哲学書という印象が強い。
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面白かった。読みやすい。
この作品を知った時は、面白そうだなと思いつつ、手に取らなかったけど、ポン・ジュノ監督、ロバート・パティンソン主演と聞いて読んでみた。面白かった。映画だとどう料理されるのか楽しみ。
死んだらまた一から身体を再構成される、というのは綾波レイを連想する。しかしミッキーは綾波レイの精神性は有してないので、死ぬのは怖いしお腹を空かせている。攻殻の少佐みたいに自己の同一性にこだわらない。
設定的にはスカイクロワのキルドレにも近いかもしれない。最初にとったデータの身体にバックアップしておいた記憶を読み込ませる。
何度も死ぬ体験からは、リゼロのスバルを連想した。
死ぬことにコリゴリになって記憶のバックアップを拒否するのも面白い。
また、最初の自分を無限に作り出した初代の話は面白かった。侵略じゃん。
その他、細々と、主人公が歴史家をそぶく(ここら辺は銀英伝のヤンっぽい)ゆえに、過去の記録を読むことでこの世界の開拓史を追体験出来るのが面白かった。
開拓っていうかもう、流刑地って感じ。
ロバート・パティンソンは「ハイ・ライズ」ではまさに犯罪者故に超長距離の片道切符の宇宙船に乗って、そこは地獄か天国かみたいな宇宙飛行士を演じてたけど、ミッキー7ではどうなるか楽しみ。
ムカデも良かった。意思の疎通は取れるけど、交流まではいかない関係。共生か戦争か。
マーシャル司令はリーダーとしてはまあまあ。人間としてもまあまあ。感情を抑えて指示できたり感情のままに振る舞ったり。人間。友人のベルトも恋人も。主人公からして、友人の負けに大金をつぎ込むのでクズなのは間違いないと思う。
面白かった。映画楽しみ。
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お話として結構面白かったし、同じ体組成で同じ記憶を有しているクローンは同一人物と言えるのかというテーマもあり、地球以外に居住可能な星を見つけるための移動や環境整備、先住生物の問題だったり、結構深い話だった。
作者が物理の先生らしいから、全くの空想世界ではなくある程度裏付けがある世界なのも、楽しく読めた理由かもしれない。
ミッキー7が自身の機転によって見事に生を勝ち取ったラストもよかった。
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うーん期待した割に普通。ポンジュノが映画がするっていってたからクソおもしろいかと思ったが。考えてみるとポンジュノってストーリーテラーって感じじゃないよね。
自己とはなにかとか異生物との遭遇とか個展的なモチーフの組み合わせになっていて退屈にもなりかねない主題なのだけど、もう一人の自分との対話とかハードボイルド調の諦観に基づく語りの魅力とかでグイグイ読まされる。モノローグは上手。
逆に主人公以外の登場人物が没個性的で魅力が足りない。この辺は素人臭く、もっと熟練してほしい。
次作に期待。
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良い意味でぶっ飛びすぎておらず、POPな形でSF小説の古典的命題に踏み込んでいてとても楽しめた。
過去の失敗からきちんと学べば、人類は今よりましな選択ができるようになるのか?
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そうそう。こういうSFは好き。
真面目くさった壮大さはなく、学術書ぶってもなく、宗教観の押し付けもない。
エンタメに振ってますね。
以下うらすじ。
【使い捨て人間(エクスペンダブル)――それが俺、ミッキーの役割だ。氷の惑星ニヴルヘイムでのコロニー建設ミッションにおいて、危険な任務を担当する。任務で死ぬたびに過去の記憶を受け継ぎ、新しい肉体に生まれ変わる。それを繰り返し“ミッキー7”となったのが俺だ。だがあるミッションから命からがら帰還すると次のミッキーこと“ミッキー8”が出現していて……!? 極限状況下でのミッキーの奮闘を描く、興奮のSFエンタメ!】
読みやすいな~。子供の頃はこういうSFがたくさんあった気がする。
主人公のミッキーは借金取りに追われて、使い捨て人間に志願。
アッホだな~と思いつつも人間的で共感してしまう。
SFだとどうしても設定の説明や専門用語びっしりで、キャラの造りはぞんざいになってしまいがちたが、シニカル目線なミッキーには好感が持てます。
エンタメではありますが、生命を作ること、他の星を開拓することの困難さや問題点、人類とはなんぞやなどのテーマもしっかりあります。
特に主題となるのは個の同一性でしょう。
テセウスの船というパラドックスを用いて説明され、考えさせられるものがあります。
「人類が槍や家や飛行機や宇宙線を開発することになった理由は、普通の動物でいることが下手だったからだ。」
これも良い得て妙です。
主要登場人物も6人しかいないので、海外物SFが苦手な人にもお勧め。
オチにもうひとひねりあったらな~。
実はミッキー6は生きてました、なんてね。
あ、ミッキー1が生きてたなんてのもいいな。
★3,5です。
既に映画化も決まっているようで「Mickey17」のタイトルで2024年3月29日に全米公開予定と書いてある。もう公開済みなのかな?
筋は分かっているので観る気はないが、大型のムカデ型生命体のシーンだけはちょっと観たい。
怖いもの見たさで。
kemukemuさんのレビューを読んで、おもしろそうだな~と思って借りてみた1冊です。
ありがとうございましたm(__)m