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定本 沖縄戦
著者 柏木俊道
あなたは知っていますか、リアルなこの歴史を!市民を巻き込んだ理不尽な日米両軍のすさまじい沖縄戦の実相を、多数の図版と写真を使用し、その全体像に迫った入門書。「沖縄の『県史...
定本 沖縄戦
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商品説明
あなたは知っていますか、リアルなこの歴史を!
市民を巻き込んだ理不尽な日米両軍のすさまじい沖縄戦の実相を、多数の図版と写真を使用し、その全体像に迫った入門書。
「沖縄の『県史』、『市町村史』をみて驚くことは、すべての史誌が沖縄戦の惨禍に触れていることです。なかにはA4版1,000p×数巻を費やして扱っているところもあります。また、住民数百人の字(あざ)で1巻を使って沖縄戦史を扱っているシマ(沖縄方言で集落のこと)があります。これらの史誌は、多くが沖縄戦の解説とともに市民の投稿や聞き取り調査で構成されています。」(本書「まえがぎ」より)
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紙の本
沖縄戦の全貌を伝える第一級の著作
2021/09/03 13:16
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:レキオスタロウ - この投稿者のレビュー一覧を見る
沖縄戦に関する日本側・米国側の資料、県市町村史・手記・証言集(巻末に約五百点を掲載)を、二十年以上に渡り調査し完成された本書は、間違いなく沖縄戦の全体像を伝える定本として第一級の著作となった。
1. 沖縄まで 連合軍の反攻と沖縄の迎撃作戦
2. 上 陸 圧倒的な物量の差
3. 北部の戦い アメリカ軍の初戦制圧
4. 首里フロントの戦い 嘉数高地からシュガーローフへ
5. 首里撤退 最後の一兵まで
6. 摩文仁の丘 掃討戦と市民の犠牲
7. 自決と虐殺 軍が守ったもの
この目次にあるように、沖縄戦の全体像が時系列に沿って詳細に記述されており、日本軍にとって不都合な内容も、ありのままに記載されている。
第32軍司令官「統率の大綱」
第5[現地自活]…中国大陸や満州で戦ってきた外征軍部隊にとって、現地自活とは「略奪」と同義あるいは紙一重であったし、実際、満州事変以来外征軍はそのような「現地自活」をずっと続けてきた。また日本国内といっても、多くの兵士にとっては本土とは違う”沖縄人=土人”という抜きがたい偏見があったから、駐留以来、数々のトラブルが絶えることがなかった。そして食料が欠乏し始めた戦いの後半には、日本兵は銃を突きつけて県民から食料を奪い、そのために県民を殺害さえした。
第6項[県民徴用]…防衛隊や義勇隊・挺身隊・勤皇隊など名称はそれぞれだが、法規を超えた軍の勝手な召集、飛行場・壕・陣地造成への強制的徴集、救護班・炊事班などへの徴用の根拠となった。「郷土はおまえたちが守らなくて誰が守るのか」が、このような時の将兵たちの常用する言葉だった。そして、ついに夜間斬り込み、爆雷を背負っての対戦車特攻に、最初は道案内という名目で、最後は一般兵士より優先して選抜されるようになっていく。 P55
現代人が知りえない、75年前日本本土から遠い島で起きた国内唯一の地上戦の実像を理解し、その本質を考えるため、多くの人がこの著作を手にしていただきたいと思う。
本書は沖縄住民の証言を数多く記載しているが、著者は「あとがき」の中でさらにこう書いている。「その経験を決して話すことなく亡くなっていった人々がさらに多くいると
いう事実です。絶対に口外できなかった人々の深い悲しみ、あの世に持っていくことしかできなかった人々の激しい痛苦を思いやる想像力が必要だと思います。」