紙の本
年代を超えた関係
2023/09/04 20:05
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
苦学生の真央ちゃんが職場の不思議な年上女性四葉さんと年代を超えた交流を持つことからスタート。
四葉さんとの交流が絶えても、四葉さん関係の人たちとの関りも生まれます。
と、書くととても前向きで心温まる感じがしますが、割と終始暗い・・・出てくる人、みんな何かしら諦めモードな感じ。
4章まで暗かった。何をしても上手くいかない女たちの来し方が眠気を誘うほど暗かった。
しかし5章で一変。諦めない女たちの起死回生のエンディング。
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
読後感はあんまり良くないなあ。
最後にちょっとしたサプライズがあって、良い方向で締めてるけどさ。
何が主題だったんだろう。
紙の本
分け与えるということ
2024/01/12 11:38
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投稿者:302 - この投稿者のレビュー一覧を見る
“オールノット”の3つの意味を初めて知り、面白いなと思った。
装丁や1章は好みの雰囲気だったが、2章から別の小説?という感覚で入り込めなかった。ラスト数ページは面白かった。
四葉さんの「嘘」「失敗」ってどれのことなのか私にはわからなかった。「全部が全部ダメなんてこと、本当にあるのだろうか」に同感。
紙の本
小説現代
2023/06/16 19:13
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつて、連載中に読んでました。こうして、通し読みしても、うーん……。と、言う感想です。この作者さんの小説はかなり読んでますけとをねえ。貧困の苦学生の真央が出会ったのは、栄華を誇った山戸家の生き残りの四葉という始まりですが。
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真央と四葉の連帯感と強い結びつきが際立っていました。オール・ノットの本来の意味を理解すれば本作をもっと楽しめたであろう。真央が四葉からもらった宝石箱が人生の転換期を向かえる。女性たちの意気込みを感じた傑作間違いなしでそしてしみじみと読んで欲しい作品でした。
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奨学金とアルバイトの掛け持ちでなんとか大学へ通う苦学生の真央は、バイト先のスーパーで試食販売員の山戸四葉と出会い、ふとしたきっかけで仲良くなっていった…。
女性の友情を軸にして、ヤングケアラーだったり毒親だったり、若年層の貧困やLGBT、性被害などなどの社会問題も盛り込まれています。
章ごとに時代も語られる視点も変わり、最終章ではなんと近未来の設定で、毎回話をつかむのに少し時間がかかりました。全編通してなんとなく重苦しい雰囲気がただよっています。
タイトルの『オール・ノット』には二つの意味があって、
ひとつは【all not】…「全部ダメ」逆に「全部ダメってわけではない」という意味も。
ふたつめは【all knot】…真珠のネックレスの繋ぎ方で、真珠一粒一粒の間に結び目を作り、糸が切れたとしても真珠がバラバラにはならないように仕立てる方法、なんだそうです。
柚木麻子さんのお話はビタミン系とドロドロ系とあると聞いていて、今までビタミン系ばかり読んでいたので、もしかしてこれが初ドロドロ系だったのかしら?装画が華やかでかわいかったので、期待していた内容とは少しギャップを感じました。
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小説現代で全編公開されていたのを読んだ感想。
「ランチのアッコちゃん」的な賢者の知恵を授けられて未来を切り拓いていくのかと思いきや、想像したのと違い、なかなかの低空飛行でどんより感がヘビーでした。
第一章のようなシスターフッドで問題解決!が読んでいて元気になるけど、それで問題が全部解決するわけではない現実が辛い。
ラストのアノ査定額、どっちだ?!
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今度の柚木麻子は何か違う。
これがシスターフッドの新しい現在地!
ってあったけどデビュー作から柚木さんの作品全て読んでますが“違い”が分からず。
いつも通りイギリス気触れな描写やくまのプーさん、小公女などの文学が出てきて、美味しい焼き菓子たち、スコーンに紅茶。そしてシスターフッド。。
読みやすさはあるけど最後まで面白くならなかった。好みの問題なのかもしれないけれど、単に著者の趣向に飽きてしまったのかもしれない
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過去から、未来へ。
こういう話かな?とこちらに簡単にまとめさせない、いい意味で裏切られながら繋がっていく。
柚木さんらしい世界観だと思いましたよ。
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一言で言い表すならば、世代を超えたシスターフッドもの。でも、一言では言い表せないほど複雑な思いが、登場人物たちの間には交わされていて、単なる仲良しこよしの話でも、男性優位の社会に対抗する話でもない。
生まれ持った環境には抗えない、と考えること自体を諦めた瞬間に、強くなろうと奮起できる人は、強くなれると感じた。
色々な感情が渦巻いて、うまく感想がまとまらないが、一つ確実に言えることは、「真央や舞が、四葉さんに会えて良かった」ということである。佐々木さんにとっての真央が、真央にとっての四葉さんになるといいな、と祈る。
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苦学生の真央がスーパーの試食販売のマネキンをしている有名なおばさんと出会った事で、無味乾燥だった生活が徐々に変化していく…
真央がヤングケアラーだったのに全く報われなく、親もかなり酷かったのには閉口気味でした。やって貰って当たり前になっていたのに、ブチギレたら、我儘とか言われるのは心外ですし…そんな真央が自分の道を自分で切り拓き、奨学金で大学へ進学したものの、やはり金銭的に苦しいのは変わらずで。そんな時に出会ったマネキンの四葉との友情がほんわかしました。
ただ、そこまでは良かったんですけど、その後の視点がコロコロ変わって付いていけず、何度も読み返してしまいました。
最終的にあれだけ苦労して大学卒業しても、コロナの所為でまともな職につけずなんだか切なかったです。それでも、ラスト四葉と再会できたのが明るいラストで救いでした。
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物語はスーパーで試食販売員をしているパートの四葉と、苦学生アルバイトの真央との出会いから始まります。
・裕福な家庭に育った四葉。
・学生時代、四葉の親友だったミャーコ。
・毒親をもつ苦学生の真央。
三人の女性の人生の軌跡をたどるようなストーリー。
社会的思想や価値があるとされるものが時代とともに変化するなかで、三人三様の人生が描かれていていました。
今現在も、後にこんな風に振り返ることになるのかもしれない。
真央の場合は、四葉さんにもらった宝石箱が幸運を運んできてくれてる気がした。一種のお守りみたいなモノ。
小さな「出会い」が大きななにかを運んでくることがある。
それぞれの時代での女性の生き方を感じる作品でした。
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苦学生の真央がスーパーマーケットの試食販売で
出会ったのは、かつて栄華を誇った山戸家の
生き残りで、なんでも売れる嘘つきのおばさんだった。
彼女が託した宝石箱が、真央の人生を変えていき…。
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横浜山手の雰囲気ある情景、アフタヌーンティーの香りや可愛らしいスイーツの装丁に欺かれた。
苦学女子大学生のバイト先にしばしば姿を見せる試食販売の女性四葉さん。明らかに雰囲気が違うし抜群に良く売れるため、スーパーでも別格扱い。彼女は山手でも有数のお屋敷に住んでいたお嬢様だった。
彼女の波瀾万丈の半生。個性ある友人たち。回りを取り囲む著名人。長年勤めてきたメイド。なかなか面白い。
が、私の人生の過去を過ぎて近未来となった終盤、かなり斜め上の思っても見ない展開に・・・。
私が大分前から個人的に思い描いていて、大変危惧しているこの国の未来がそっくりこの小説に出現したものだから驚かされた。山手のお洒落な町並みも一変する。
それでも四葉さんは思いのほか強かで良かった。
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帯のせいで期待値が上がっていたこともあり別の作品と比べると物足りなかった。また表紙からは想像つかない暗い話だった。お金がなかったり、人間関係だったり、生きるのは大変だと思った。自分の環境に感謝しないといけない。
尊敬できるおばさんと思われたり、何もできない子と思われたり、利用できる子と思われたり、同じ人間でも、相手によって与える印象はそれぞれだと思った。ずっと親しい人、出会ったばかりの人、他人などどれだけその人のことを知ってるかにもよる。与え続ける人生はすごいけど、私は自分の好きな人にだけ好かれていればいいし、好かれたい人はほんの数人。好きな人に裏切られるのは辛いけど、裏切られてもいいと思えるくらいの相手に出会えたらそれだけでいい人生。どうせ死ぬんだから逞しくやりたいように生きていきたい。