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山本五十六、最期の15日間~歴史に埋もれた「幻の3番機」~
著者 池田遼太
「あの海軍甲事件で山本五十六長官が撃墜された時、私は1番機、2番に続く『3番機』の搭乗員として、長官と同じ空を飛んでいたんです」1943年4月18日。日本海軍の山本五十六...
山本五十六、最期の15日間~歴史に埋もれた「幻の3番機」~
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山本五十六、最期の15日間 歴史に埋もれた「幻の3番機」 (光文社新書)
商品説明
「あの海軍甲事件で山本五十六長官が撃墜された時、私は1番機、2番に続く『3番機』の搭乗員として、長官と同じ空を飛んでいたんです」1943年4月18日。日本海軍の山本五十六大将が搭乗していた機体をアメリカ軍の戦闘機に撃墜され戦死した「海軍甲事件」。通説では、この事件で登場する機体は「2機」である。この話は本当なのか。すると、先の言葉の主である99歳の青木藏男さんは、一冊の航空日誌を取り出した……。
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紙の本
山本五十六のラスト15日における人間ドラマを活写して大いに読ませた。
2023/04/30 12:04
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
山本五十六の死というと、撃墜後の死亡状況やその後の戦況あたりに目がいってしまうのですが、本作はインタビューと各種文献の渉猟により、彼のラスト15日間におけるさまざまな軍人たちの動静とずさんな飛行計画策定(野村了介少佐立案)の状況などをかなり生き生きと描いており見事。(この手の本は、今までなかったのでは。そういえば、『ヒトラー 最期の12日間』という映画もあります。)日本の指導者層(本書では軍人、現下では政治家・官僚)における現実非直視と希望的観測(楽観的見通し)に起因する基本的な危機管理能力の欠如に関しても、改めて参考になった。これはもう「ビョーキ」にして「宿痾」なのでしょう。
「五十六は急に神妙な顔つきになった。そして、「実は、ラバウルには行きたくないんだ」と答えたのである。・・・ 藤井は目を丸くして驚いた。五十六はさらに話を続ける。「考えてもみたまえ、味方の本陣が、段々敵の第一線に引き寄せられてゆくという形勢は、大局上芳しいことではない。もちろん攻撃のため、また士気鼓舞のための行動とこれとは、全く意味が違うが・・・・・・」(31~2頁、藤井茂中佐への言葉、なお長官出撃の理由については33~4頁参照)
「長官、明日の前線視察についてですが、今すぐ中止してください!」「ショートランドは現在、日米両軍の最前線となっている場所です。そんなところへ長官が行くのは危険すぎます! それに、あの電報は一体何ですか! あんなに長官の予定を事細かに書いて、もし米軍が解読でもしていたら・・・・・・」(117~8頁、城島高次少将の直言、なお他者同旨発言多数)
文章はクセがなく、大変読みやすい。なお、サブタイトルには「3番機」とあるが、当該「T2-902号機」は、別任務(視察・督励先への慰問品輸送)で長官・参謀長搭乗の二機と別の飛行場から飛び立ち、編隊を組んでいたわけでもないので(空戦の存在も知らず)、これは明らかにミスリーディングというか誇大表示でしょう(笑)。