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将軍の世紀 上巻 パクス・トクガワナを築いた家康の戦略から遊王・家斉の爛熟まで
著者 山内昌之
現代日本の礎を築いた徳川三百年の叡智イスラーム研究の泰斗として知られる山内昌之東大名誉教授の新たなる挑戦。徳川幕府の通史がついに完結!上巻は、家康の創業から、家斉の爛熟ま...
将軍の世紀 上巻 パクス・トクガワナを築いた家康の戦略から遊王・家斉の爛熟まで
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将軍の世紀 上巻 パクス・トクガワナを築いた家康の戦略から遊王・家斉の爛熟まで
商品説明
現代日本の礎を築いた徳川三百年の叡智
イスラーム研究の泰斗として知られる山内昌之東大名誉教授の新たなる挑戦。徳川幕府の通史がついに完結!
上巻は、家康の創業から、家斉の爛熟までを描く。家康の本質は、世界的に稀有な軍人政治家だったところにある。関ヶ原の戦いにおける冷酷な政治リアリズムによって形作られた「天下取りの大局観」は、天皇家を法度の内側へと追い込み、豊臣家を滅ぼすことで徳川の世を現出した。その強靭なシステムは、四代家綱時代の文治政治への転換、八代吉宗時代の享保の改革などを経て、十一代家斉の爛熟の時代、化政時代を生み出すまで続く。しかし、半世紀に及ぶ家斉の時代こそが、徳川の世の終わりの始まりだった。
担当編集者より
NHK大河ドラマ「どうする家康」が話題になる中、家康がどうしたか、がわかる傑作が登場! 関ヶ原での軍人政治家としての家康の冴えは、カエサルに勝るとも劣らない。そこが、江戸幕府270年をパクス・トクガワナと呼ぶ所以でもある。しかし、どんなシステムも永遠ではない。さび付いてきたシステムにテコ入れをして、なんとか徳川の政治体制を維持しようとした吉宗の努力を見事に無駄にしたひ孫、家斉。彼の代に、幕府は終わりの始まりを迎えることになる。
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イスラム史の泰斗・山内昌之氏が江戸時代の通史に挑んだ労作!
2024/01/28 21:26
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投稿者:こばとん - この投稿者のレビュー一覧を見る
イスラム史の泰斗・山内昌之氏が江戸時代の通史に挑んだ上下2冊の大作。徳川政権を一言で表せば、中世の分裂を克服して日本を「一つの国家」に近づけたとする。上巻は家康から家斉までを扱っていて、家康が作り上げた強靭な統治のシステムは爛熟の家斉の時代まで続くが、半世紀に及んだ家斉の治世こそが徳川の世の終わりの始まりだったとしています。
上巻だけで735ページという分厚い造りに小さな文字がびっしり。さすがに知らなかったことが次々と出てきます。冒頭の「序章 関ヶ原」において、“幕府、藩、朝廷、天皇”などの用語をどう扱うか、という議論が展開されていて、その内容からしてまず、知らなかったことだらけ。大作だけに、大きな流れを叙述するというよりは、ポイントとなる出来事や事柄を順に叙述していって、その中で大きな流れについても記述していく、というスタイルです。
読んでいて興味深かったのは、個人による通史だけあって、氏がさまざまな出来事や人物についての評価が率直に語られている点です。突き放したような否定的評価もあちこちに登場します。(もっとも私の読解力不足から、どのように解釈すればよいか分からない箇所もいくつもありました。)
イスラム史が専門の山内氏が日本の江戸時代の通史を個人で著わされるに当たっては、相当の勉強が必要だっただろうと想像します。各章に参考文献がびっしり並んでいます。氏の情熱にただただ頭が下がります。
何故に氏が専門外にも拘らず本書『将軍の世紀』を書くに至ったか。その答えが、「序章 関ヶ原」の末尾で明かされています。平成28年から「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」に参加した経験と繋がっており、日本人のメンタリティや現代日本の政治行動の基礎を改めて理解する手がかりを得られるのでないかと考えたためだ、というのです。