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囚われの山
著者 伊東潤
世界登山史上最大級の遭難――一九〇二年の八甲田雪中行軍遭難事件。一九九人もの犠牲者をだした痛ましきこの大事件に、歴史雑誌編集者の男が疑問を抱いた。鍵を握るのは、一二〇年前...
囚われの山
05/02まで通常968円
税込 484 円 4ptワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
囚われの山 (中公文庫)
商品説明
世界登山史上最大級の遭難――一九〇二年の八甲田雪中行軍遭難事件。一九九人もの犠牲者をだした痛ましきこの大事件に、歴史雑誌編集者の男が疑問を抱いた。鍵を握るのは、一二〇年前の白い闇に消えてしまった、ひとりの兵士。男は取り憑かれたように、八甲田へ向かうのだが......。未曽有の大惨事を題材に挑んだ長篇ミステリー。〈解説〉長南政義
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紙の本
天は我を見放したかに謎あり
2023/06/21 09:05
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投稿者:okh - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本陸軍の対露戦を想定した雪中行軍演習にして登山史上最悪と称される遭難事件。新田次郎の小説はベストセラーになり、映画化もされ、なんとテレビドラマも放送された。映画は高倉健に北大路欣也と、やはり俳優の力量は大きいのだなあと、改めて思わされた。
この小説のほうは、歴史的事実と残された謎を題材に、ミステリーに仕上げた巧みさは、思わずうなった。オチの部分は人によって評価は分かれるだろうが、深く考えずに楽しむというスタンスで読めば、問題なし。
手あかのついた歴史を新しくよみがえらせ、後世に伝えるという意味では、フィクションの役割は大きいものだと改めて思う。司馬遼太郎の代表作、「燃えよ剣」で土方を付け狙う剣客も架空の人物だし。
登山者の火山ガスによる死亡事件はいまもあり、山には今も謎が多いが、八甲田山遭難事件も、その責任や、組織と軍政の評価をめぐる問題など、あいもかわらず現代の日本にも引き継がれており、最近のニュースを見ても、デジャブな感覚に襲われることがある。人間の起こす大きな事件・事故のきっかけって、ささいなことからおこるものなのだと、つくづく思わされた。