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実証研究 東京裁判 ――被告の責任はいかに問われたか
著者 戸谷由麻 , デイヴィッド・コーエン
従来の東京裁判論は、主に政治・外交史を基調とし、また「日本無罪論」で知られるインド代表判事パルやオランダ代表判事レーリンクによる個別反対意見をもっぱら話題とし、本来の東京...
実証研究 東京裁判 ――被告の責任はいかに問われたか
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商品説明
従来の東京裁判論は、主に政治・外交史を基調とし、また「日本無罪論」で知られるインド代表判事パルやオランダ代表判事レーリンクによる個別反対意見をもっぱら話題とし、本来の東京判決での多数意見を軽視してきた。本書は、東京裁判の事実認定がいかになされ、責任がどう問われたのかを実証的に解明。法廷で適用された責任論や、各被告人に対する判定の根拠を体系的に分析する。判決七五周年に向けて、東京裁判を国際刑事裁判史にどう位置づけて評価すべきか、その功績と問題点とを明らかにする。【目次】まえがき/第一章 裁判の歴史的文脈と枠組み/第二章 平和に対する犯罪の争点/第三章 日本政府組織論/第四章 戦争犯罪の争点/第五章 「東京判決」――多数派判事による判決/終章 今日の国際刑事裁判にみる責任論
目次
- まえがき/現代における東京裁判の意味/本書の成り立ち/本書の構成/ウェブ判決書草稿について/引用の表記・資料・人物の階級について/第一章 裁判の歴史的文脈と枠組み/1 戦争から平和へ/太平洋戦争の行方/窮地に陥った枢軸国/ポツダム宣言をめぐる攻防と日本の無条件降伏/2 極東における戦犯裁判の構想/アメリカ主導による戦犯裁判プログラム/天皇に対する取り扱いと免責の是非/3 東京裁判の概要/極東国際軍事法廷の成り立ち/弁護人と被告人の関わり/東京裁判の主な流れ/4 公判で適用された諸規則/被告人の権利に関する規定と言語の問題/証拠の提出方法の効率化と諸問題/5 収集された証拠/日本当局による文書の大量焼却/国際検察局による証拠収集とその問題点/文書証拠の主な種類/第二章 平和に対する犯罪の争点/1 起訴状/共同謀議論が適用される訴因の構造/日本の戦争目的をめぐる議論/2 起訴状付属書/起訴状付属書の構造/ふたつの責任論/3 ニュルンベルク判決の解釈/検察側の場合/弁護側の場合/共同謀議論の妥当性についての議論/4 検察側による訴因第一の事実関係/第一段階──「満洲の支配力獲得」/第二段階──「満洲より中国全地域へ支配統轄の拡大」/第三段階──「亜細亜並に太平洋に於ける侵略戦に対する内外の準備」/第四段階──「東亜の他地域及び西太平洋に侵略を拡張す」/第三章 日本政府組織論/1 検察側による当初の立証/法律上定められた正規の政府組織/法律上明記されない国家機関/法律上明記されないもうひとつの国家機関──「連絡機関」/帝国議会/枢密院/内閣/2 検察側と弁護側の合意点/政府と軍部の関係/さまざまな「連絡機関」の実態/国策決定機関としての御前会議/3 検察側によるもうひとつの政府組織論/戦時下日本の政府構造と被告人との関係/天皇の戦争責任をめぐる検察側のジレンマ/第四章 戦争犯罪の争点/1 検察側の適用する責任論/訴因第五四・五五における対照的な責任論/山下裁判の起訴状との相違点/起訴状における責任論の特色/最終弁論における検察側の「政府責任論」/2 検察側の立証/中国──南京事件/中国──南京事件以後/太平洋地域/検察側による立証努力の一例──東条英機/捕虜問題をめぐる責任の所在/3 弁護側の中国に関する反証/南京事件/南京事件以後/4 弁護側の太平洋地域に関する反証/陸軍関係者による証言/海軍関係者による証言/文官による証言/第五章 「東京判決」──多数派判事による判決/1 多数意見の構成と特質/2 平和に対する犯罪について/裁判所の管轄権/共同謀議論/共同謀議をめぐる議論の中で──広田弘毅/個人に対する判定──土肥原・橋本・畑・賀屋・重光・佐藤/3 戦争犯罪について/政府組織論と閣僚責任の基準/もうひとつの責任論──「秘密に命令されたか、故意に許された」/政府責任の主体の類型別考察──陸海軍武官・官庁の職員・閣僚/終章 今日の国際刑事裁判にみる責任論/国際犯罪の種類/個人責任の原則/責任の法理論──共同謀議論/不作為責任論──上官の責任/おわりに/引用文献/人名索引
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