紙の本
なんとも・・・
2022/03/11 18:40
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
何でしょうなぁ。
最初から最後までずーーーーーーーっと要点の周りだけをぐるぐるぐるぐる回って一向に近づかないというような、とてももどかしさだけが募る話でした。
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新潮文庫の『Star Classics 名作新訳コレクション』、最新刊はヘンリー・ジェイムズ『ねじの回転』。
言わずと知れた怪奇小説の傑作だが、新訳になって、より不穏さが増したように思う。個人的には東京創元社版が好きなのだが、新潮文庫もいいなぁ。
また、巻末の訳者あとがきにあった、『主人公は仮想敵と戦っている』という視点には大きく頷いた。確かにこの主人公、思い込みが激しくて変に攻撃的なんだよね……。
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アンソロジーに入っていた短編が面白くて、ヘンリー ジェイムズの本を読んでみた。
これは面白い!
翻訳のせいなのか原文のせいなのか、最初読みづらかったけど、慣れてくるとグイグイ入り込める。
ヘンリー ジェイムズって思わせぶりが凄く上手で読んでる最中も先が読めない。
他の作品も読んでみたいけど、ねじの回転を別の翻訳で読んでみたい。
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私は、「幽霊は出なかった」派かな…。
何も具体的な証言や証拠は得られないまま、家庭教師が「そうしようとしている」と勝手に判断しているだけだし。
そのまま幽霊譚やホラーとしても読めるけれど、心理的なものと解釈出来てしまうのも面白い。
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すべて大人からの視点で語られており、あくまで大人から見た様子しか描かれないので子どもたちの詳しい心理はわからないが、大人の子どもに対するステレオタイプな見方が非常に滑稽であることを皮肉り、茶化しているお話のように感じた。この教師にとって子どもはいつでも愛らしくて傷つきやすく、守ってやらなくてはいけない存在なのだという大人の「常識(固定概念ともいう)」があり、だからこそそこから大きく逸脱した子どもたちが恐ろしく思える。怖いのは幽霊ではなくて生身の人間である子どもたちのほうだというのが面白い。
ただ文がすごく読みにくい。読みにくさがかえって語り手がパニックで右往左往している感じを出していると言えなくもないけれど、とにかくまどろっこしい。
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おもしろかった。
文庫裏側あらすじの「私が幽霊なのか?」にだいぶ惑わされたんだけど、読み終わってもはっきりした解答は得られず、ひたすら不思議な話だった。作者がいろんな趣向を凝らして、いろんな憶測ができるよう考えて書いたことがわかる。
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新訳ということで、読みやすくなった(わかるようになった)と期待していたんですけど……
しょっぱなから延々4行にわたって続く一つの文に(しかも続けて2文章)、思わずうめいちゃいました(笑)
いや、その後はそれほど長い文章はなかったんですけど、まあ、それでも読みづらい、読みづらい。
ただ、それは訳のせいでなくて、作者の地の文章がそうだから仕方ないんでしょう(たぶん)。
(ただ、訳はかなりこなれた日本語になっているように感じます)
訳者のあとがきを見ると、ヘンリー・ジェイムスという人の文章はわかりづらいということですが、この『ねじの回転』については、わざとわかりづらく書いている面もあるのかなーと。
つまり、幽霊は出たのか?出ないのか?ではなく、出たとも出ないとも読めるように書いたんじゃないですかね。
『ねじの回転』は10年前に創元文庫のものを読んだことがあるのですが、その時はそんな風には思わず、たんに「結局どういうことだったんだろう?」で終わってしまったんです。
でも、この新潮文庫のものは、なんとなくでも「もしかしたら、そういうこと?」となったんで、そういう意味ではこっちの方がいいのかなー。
ただ、創元版の方が、読んでいて情景が浮かんだような気がするんですよね(ただし、10年前の記憶なのでソート―いい加減w)。
なんと言っても、創元版は冒頭の一文が4行に渡ってないから、とっつきはいいし(笑)
まあ、幽霊は出た?出ない?じゃないですけど、どっちがいい/よくないは人それぞれなんでしょうね。
しかし、語り手のマイルズに対する、最初の萌えぇぇ~っぷりと終盤の怒りからくる嫌悪の落差。
「かわいい」というのはポジティブな感情である一方で、それはあくまで対象が自分の意に逆らわない、自分の興を削がないと感じた時の感情で。実は、身勝手に一方的に押し付ける、かなり“黒い”感情でもあるんだなーと思っちゃいました(笑)
で、結局どうだったのか?というのは、この訳を読んでもわからないですね。
というのは、終わりがかなり唐突に来るというのもあって。結局「え?どういうこと!?」になってしまうんですよね。
というか、読者がそうなるように書かれているんじゃないでしょうか(?)
そこいくと訳者はさすがで、何がどうなったのか?をわかっているようで、あとがきで「やっぱりそういうこと?」と読者がおぼろげに想像できるように書いてくれています。
ただ、あくまでそれは訳者の見解であって。何が起きたのか、起きていたのかは、オバケは出た?出ない?を含め、正解なんてものはなく、読んだ人がそれぞれ思ったストーリーでいいんじゃないですかね。
(訳者もそんなようなことを書いていますし)
正解(?)という意味では、訳者があとがきで、「…成就しない恋愛感情を、〇〇を可愛がる職務で代償して…虐待に行き着くのと、どっち(前任者と語り手の家庭教師)が醜悪だったのだろう」書いていましたけど。
その前任者の不義のエピソードをこの小説の「答え」代わりに、誰でもいいから書いてくれないかと切望します
(それでも、その作家の��釈でしかないわけですけどね)。
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随分前に岩波版を読んで、よくわからないわーとなり、新潮の新訳ならわかりやすかろうと手に取ってはみたものの、やはり難解。
私は家庭教師の妄想派ですが、みなさんはどうですか?
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恩田陸さんも以前『ねじの回転』というタイトルの長編小説を発表しており、タイムスリップSFモノだったので本作もそっち系なのかと思っていたのですが、全然違うお話でした。もっとも、本作の特徴である説明しすぎず解釈を読者に委ねる趣向は恩田さんも得意とするところなので、何かしらのオマージュは捧げているのかなあという気はします。
その趣向について少し述べます。主人公は語り手である「私」。両親と死別した兄妹の家庭教師として住み込みで雇われた「私」が、屋敷に出没する男女の幽霊から兄妹を守ろうとするのですが、実はこの幽霊は「私」以外の人間は見ることができません。そのため「幽霊は実際に登場した」という解釈や、「幽霊は語り手の妄想に過ぎない」等、物語の核となる部分で複数の解釈が読み手に委ねられています。私は子供たちの振る舞いを鑑みて、わずかの差で「幽霊は登場した」に一票を入れたいと思いました。さすがに裏表紙の内容紹介にある「私こそ幽霊なのではないのか」説はちょっと無いかなと思いましたが。これ以外にも様々な箇所で真相をぼかした表現が用いられており、その多面性こそが本作の大きな魅力になっています。
様々な解釈を許すことで作品世界に奥行きが出る小説は今でこそ数多く目にすることができますが、その先駆けとして本作の果たした役割は非常に大きい、というのも納得の面白さだったのでした。
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奇妙で独創的な文体で綴られた【ヘンリ-・ジェイムズ】の著作を翻訳した【小川高義】氏は、ねじの回転によって神経をギリギリと締め上げられるような拷問に等しい翻訳と後述されている。兎にも角にも、のっけから最終章までフラストレーションの連続であり、怪奇と幻想の雰囲気を濃厚に漂わせながら、謎の解明を暗い闇の奥に閉ざしたまま終わる奇抜すぎる小説であった。
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誰が悪いのか??? 最後まで読み、あとがきを読み、少しして結末を読み直し落ち着いた。こどもは餓鬼ともいうほど残酷なところがある。大人の裏をかくこともあるし残酷なこともする。だからどうやって子供たちが幽霊を演出し、仕掛けたのかを考えながら読んでいたから裏切られた気持ち。だからかな、読み終わった後に、なぜ伯父は?なぜ退学に?なぜクロース?なぜジェセル??となってくる。この余韻が名作なのかなぁ?長く楽しめるお買い得な本。
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不思議な小説だった。それは、クリスマスイブ、イギリスの古屋敷に集まった男女に向かって、今は亡きダグラスが彼の妹の家庭教師の手記を語った物語。でも、このお話は、それを聞いた私が書写した控えである。そして、その内容は、イギリス郊外の古屋敷に住む男の子マイルズと女の子フローラの家庭教師として雇われた私の体験記である。「私」は、その屋敷に現れる以前の世話係と前家庭教師の亡霊に遭遇するのだが、それが私の内面から書かれているものだけに、亡霊が本当に実在したのかどうか読んでいても分からなくなってくる。印象深い一冊。
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果たして、それは本当にいたのか?兄妹の家庭教師を頼まれた、女が徐々に狂気的になっていく様を彼女の手記を通して読み進めていく。最初はこの子供たにはなんと素晴らしいんだろう!と朗々と語っていたが、有る瞬間を境にそれは乱れていった。最初から少し子供の素晴らしさを手記に書き散らしていたときからかなり妄信的だなと感じた。それが、幽霊を見た(最後まで読むと其れも定かではない)日から少しずつ、しかし劇的におかしくなっていった。子供たちを誉める一方で、ひどく非難するような書き方をし、書き手の心理描写が一定ではなく不可解。
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イギリス郊外の貴族屋敷に住む、両親と死別した兄と妹。
「私」は伯父に、家庭教師として雇われます。
そこで「私」は幽霊を目撃しますが、幽霊は他の誰にも見られることがありません。
兄と妹との微妙な関係、不気味な幽霊。
とにかく、不思議な小説です。
現代のホラー小説の先駆的な名著です。
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色々な解釈ができる故の名作なのかもしれないが、謎が多すぎて個人的には宙ぶらりんになってしまった感が否めない。読了した後の達成感というか爽快感がなかった。
結局、曖昧に書きすぎて全てが謎のまま、謎すぎるが故のホラー??と思ってしまった。