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南北朝正閏問題 ――歴史をめぐる明治末の政争
著者 千葉功
国定教科書の記述をきっかけとして起きた、日本の南北朝時代において南朝と北朝のどちらが正統かをめぐる明治末の論争は、当時の閉塞的な政治状況もあり、重大な政治問題と化した。最...
南北朝正閏問題 ――歴史をめぐる明治末の政争
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南北朝正閏問題 歴史をめぐる明治末の政争 (筑摩選書)
商品説明
国定教科書の記述をきっかけとして起きた、日本の南北朝時代において南朝と北朝のどちらが正統かをめぐる明治末の論争は、当時の閉塞的な政治状況もあり、重大な政治問題と化した。最終的に政府は危機を乗りこえたが、深刻なダメージを負った。多様なアクターがそれぞれ自分の信念や思惑をもって活動した結果として生じた、深刻かつ複雑なこの南北朝正閏問題を、現代政治における歴史問題・皇室報道問題の原点として徹底的に掘り下げて考察。そこから浮かびあがる近代日本の特質に迫る。 【目次】はじめに/第一章 南北朝正閏問題の背景/第二章 南北朝正閏問題の突発/第三章 藤沢元造の質問に向けて/第四章 大日本国体擁護団と政府弾劾決議案/第五章 桂内閣による「第一の政治決着」/第六章 南北朝正閏論争の構造/第七章 桂内閣による「第二の政治決着」/おわりに/参考文献/言説分析原典一覧/あとがき
目次
- はじめに/第一章 南北朝正閏問題の背景/1 喜田貞吉と国定教科書/本書の「主人公」喜田貞吉/喜田の同調者三上参次/教科用図書調査委員会の設置/国定教科書における南北朝の取り扱い方/喜田の著作『国史之教育』の内容/宮内省による歴代表調査/国定教科書の第一期から第二期へ/2 問題が熾烈化した背景/社会主義の取り締まり/野党立憲国民党の閉塞感/貴族院における伯爵同志会の閉塞感/第二章 南北朝正閏問題の突発/1 問題のはじまり/事の発端としての文部省講習会/問題の火付け役峰間信吉/当時の読売新聞が置かれていた状況/南北朝正閏問題のはじまり/早稲田大学漢学者グループへの飛び火/漢学者内田周平の参加/2 藤沢元造をめぐる動き/代議士藤沢元造の登場/藤沢による質問書の提出/藤沢への説得工作の開始/立憲国民党と伯爵同志会への働きかけ/文部省・宮内省の責任問題の高まり/第三章 藤沢元造の質問に向けて/1 質問演説まで/喜田貞吉・三上参次への人身攻撃キャンペーン/南北朝正閏問題と大逆事件の連動/国学者と聖断による決着という方法/藤沢・牧野・松平と喜田・三上の会見/帰省し帰京する藤沢/質問演説日当日/2 質問演説への反応/議員たちの反応/メディアの反応/石川啄木の反応/早稲田漢学者グループの反応/藤沢の弾劾質問失敗から政府の責任追及へ/加藤弘之の独自スタンス/第四章 大日本国体擁護団と政府弾劾決議案/1 大日本国体擁護団/いきり立つ水戸学関係者/大日本国体擁護団の結成/大日本国体擁護団の論理/大日本国体擁護団の檄と講演会/日本弘道会の例会講演/2 政府弾劾決議案へ/貴族院──伯爵同志会の動向/衆議院──政府問責決議案の提出へ/立憲政友会の立ち位置/政府弾劾決議案の採決当日/決議案否決後の国民党と政友会/決議案採決後の各種講演会/第五章 桂内閣による「第一の政治決着」/1 山県の危機感/井上通泰と森鴎外と常磐会/市村さん次郎と賀古鶴所と森鴎外/鴎外の小説「かのやうに」/激昂する元老山県有朋/二グループの訪問者によると/2 「第一の政治決着」へ/山県有朋と寺内正毅の書簡の往復/山県有朋と桂太郎の書簡の往復/南朝正統にかんする桂内閣の措置/南朝正統にかんする文部省の措置/実際の「世論」と文学者たちの反応/「第一の政治決着」を受けて/第六章 南北朝正閏論争の構造/1 正統性をめぐって/「正統」とはなにか/「論争」の特徴とその「構造」/2 北朝正統論と南北朝対立論/北朝正統論/南北朝対立(並立)論/3 南朝正統論/事実上根拠を示さないもの/漢学者グループによる古典的論法/政治家の論法/教育関係者の攻防/菊池謙二郎と笹川臨風/「国民道徳」の強調/de jure/de factoと「実力主義」への反発/国法(法理学)の観点/日蓮宗(日蓮主義)の影響/「官学アカデミズム」第二世代の論法/原理原則主義的な「北朝抹殺論」
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