読割 50
電子書籍
創造性はどこからやってくるか ――天然表現の世界
著者 郡司ペギオ幸夫
何も閃かない、ネタ切れ、考えが浮かばない、アタマが硬い、センスに自信がない……。悩んでいてもいいアイデアは湧いてこない。それはふいに降りてくるものだ。従来の科学モデルでは...
創造性はどこからやってくるか ――天然表現の世界
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
創造性はどこからやってくるか 天然表現の世界 (ちくま新書)
商品説明
何も閃かない、ネタ切れ、考えが浮かばない、アタマが硬い、センスに自信がない……。悩んでいてもいいアイデアは湧いてこない。それはふいに降りてくるものだ。従来の科学モデルでは説明できない想定外で不気味なものを思いつき、作り出そうとする、計算不可能な人間の創造力。それはどこからやってくるのだろうか。生命科学、哲学、文学から芸術理論までを自在に横断し、著者みずからも制作を実践することでみえてきた、想像もつかない世界の〈外部〉を召喚するための方法。
目次
- はじめに/第1章 「天然表現」から始める/1 外側と外部/インスピレーションを受け取る/外部と外側/2 創造性はどのように考えられているか/ボーデンの創造論/価値の無際限さ/3 いやぁ死ぬこと思い出して眠れなかったわ/死の感覚/スティングの脂汗/4 トラウマと暴露療法/トラウマとストレス障害/津波におけるサバイバーズ・ギルト/持続暴露療法/暴露療法に抗う二重の困難/5 創造とトラウマ、死の問題/朝の喧騒に茶を喫す/創造と癒し/第2章 外部へ出るために/1 「ただ並べよ」という声/「とりあえず」の積極性/見たいものだけ見る・見たいように見る/書き割りと外部/2 想定外へと踏み出す/蕎麦かラーメンか/蕎麦とラーメンの脱色/3 トラウマ構造/肯定的矛盾と否定的矛盾の共立/肯定的矛盾の効用/4 アートと日常/デュシャンの芸術係数/初めて食べるラーメンの意味/第3章 作品における穴/1 小説に見出されるトラウマ構造/「意味」という綿毛/読書という降霊儀式・小説というその装置/2 吉行淳之介の短編/「いのししの肉」に流れる日常/「いのししの肉」の構造/「いのししの肉」に見出される否定的矛盾/作家が構成するトラウマ構造/3 保坂和志『ハレルヤ』における「キャウ!」/和菓子のように眠る猫/経験と理念の出会い、そして脱色/時間を変質させる「キャウ!」/一日一日という永遠/4 作家性という当事者性/完璧さと不完全さ/穴の積極性/第4章 脱色された日常/1 箱庭的な記憶/庭の記憶/虫たちの記憶/誰もいなくなった庭/2 一人称と三人称の捩れ/記憶の人称性/一人称的身体と三人称的身体/異質な身体の間の結び目/3 天然表現の場所へ/人の時間・物質の時間/日常が成立し、日常が成立しない/はじまりのアート、その種/脱色される遺品/第5章 虫でも人でもない痕跡/1 並べ、折り畳み、脱色する/虫たちの振る舞い/こけしを並べる/ハンカチと靴下の作り出す表面/2 岩松の中のオオミミズ/岩松のジャングル/喪服を引きずり、まるめ、自ら進む/家屋の中の虫ども/3 皮膚をむしるように段ボールをむしる/大量の段ボール/剥がし、引き裂き、ちぎる/4 ギャラリーで展示する/空いている地下室/動画・写真・インスタレーションへ/インストール/5 作ってみて確信された/生成の起源とはどのような問いか/当事者における確信/第6章 完全な不完全体/1 芸術は科学と同じなのか/フォーマリズムからミニマリズムへの変遷/形式(形相)か物質(質料)か/作家は何を見ているのか/科学の見るものと芸術の見るものの違い/2 記号としての芸術の死/記号化・貨幣化/芸術の死、はたして/人間中心主義批判/3 現代思想は芸術を救うのか/自然を取り込むことは可能なのか/現代思想における脱構築/外部を感じる者・感じない者/4 完全な不完全体が担う作家性・当事者性・「わたし」/「完全な不完全体」の射程/アガンベンの論じる作家性/完全な不完全体における作家性/作品の制作・鑑賞の当事者性と「わたし」の当事者性/他
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
無作為の作為
2023/10/11 16:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
根拠づけるといった表現や芸術の志向するものは「完全な不完全体」であるといった考え方を基に、自分が何か新しいことを実現したという創造の当事者であることの意味と方法を説いている。