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無言板アート入門
著者 楠見清
誰かがなにかの目的で立てたはずなのに、雨風や紫外線などの影響で文字が消えてしまった街角の看板たち。そんな“もの言わぬ看板”=「無言板(Say Nothing Board)...
無言板アート入門
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無言板アート入門 (ちくま文庫)
商品説明
誰かがなにかの目的で立てたはずなのに、雨風や紫外線などの影響で文字が消えてしまった街角の看板たち。そんな“もの言わぬ看板”=「無言板(Say Nothing Board)」を、作り人知らずのストリートアートとして鑑賞する。美術評論家である著者が、まち歩きの道すがらに発見、収集した路上の芸術をカラーで約200点収録&解説。これを読めば、いつものさんぽ道がまったく新しい美術館に見えてくる!
目次
- 第一章 定義:無言板とは何か/役に立たない/もの言わぬ看板/レディメイドの禅/無言板の類型と特徴/ホワイトボード型/純粋看板/ペインティング型/わびさび型/ラッピング型/穴埋め問題型/枯れ文字型/シルエット型/残像型/異次元型/第二章 鑑賞術:気がつけば街角は美術展/1 コンセプチュアルアート──言うことなしの芸術/モジナシ──街角にじっと佇む「無意味の物理モデル」/ああ無情報板──失われたインフォメーションの残響/エア看板──空(そら)に空(くう)を掲げるという禅問答/代役フレーム──失われた主の代わりに何を語るのか/孤立無縁仏──道端にひっそりと佇む謎の彫刻/2 アノニマスアート──作り人知らずの芸術/野良絵──ワイルドでタフな前衛絵画たち/独立無言板──街角アンデパンダン展/地図絵──ここはどこでもないどこか/禁断のシルエット──禁じられた行為が浮かび上がる/どうぶつの無言板──ペットから珍獣まであつまれ!/糊跡芸術──接着剤で描かれたストリートアート/テープ絵画──テープ跡が織りなす幾何学的抽象/ストリートテーピング術──文字を消したり書いたり/3 ミニマルアート──最少限であることの美学/空っぽ水槽──消えた言葉の魚たち/空色看板──空の色に似ている/緑色看板──目にやさしく心にもやさしい/背面無言板──背中で何も語らず/ロードサイド・モノリス──202X年路傍の旅/〈無〉確認発光物体──無字との遭遇/4 ファウンドオブジェ──見立ての力/わびさび看板──錆びてこそ寂びの美あり/梱包看板──ブルーシートに包まれて/蛇口看板──水も出ないし言葉も出ない/モノボケ無言板──見立ての芸術は詩であり笑いでもあり/どこでもないドア──扉の向こうは異次元?/脱落看板──傾いても筋を通し、落下しても落ちぶれない/名コンビ──並んだ姿がいい感じ/顔パレイドリア──笑う顔には福来る/5 コンクリート・ポエム──ストリートの詩篇/穴埋め看板──街角のクイズマスターからの出題です/上の句看板──消えた赤文字と残された黒文字/枯れ文字──劣化した難読文字も山の賑わい/過言板──落書きに埋もれて何言ってるかわからない/サイレント花言葉──花に託された言葉を映して/6 都市のポートレート──現代を生きる私たちの分身/ストライクゾーン看板──いくつになっても気分は野球少年/割れ看板──破壊によって創造するパンクなアート理論/カメレオン看板──文字とともに気配まで消す/案山子看板──都会に残された一本足のお化け/電柱無言板──地中化の波にいつか消えゆく/スリム無言板──文字が消えても黄色いだけで多くを語る/近代化無言遺産──歴史は語らず、ただそこにあるのみ/高所無言板──上を向いてまちを歩こう/第三章 考察:無と消費をめぐる文化史/無のキャンペーン/ナンセンスの森/無為に多忙/何もしないという戦術
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