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犯罪へ至る心理~エティエンヌ・ド・グレーフの思想と人生~
著者 梅澤礼
令和4年の犯罪件数(刑法犯)は約60万件。その数は減っているが、なくなることはない。なぜ人は罪を犯してしまうのか。ある犯罪学者は3つの段階を経て人は犯罪へと至ると言った。...
犯罪へ至る心理~エティエンヌ・ド・グレーフの思想と人生~
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犯罪へ至る心理 エティエンヌ・ド・グレーフの思想と人生 (光文社新書)
商品説明
令和4年の犯罪件数(刑法犯)は約60万件。その数は減っているが、なくなることはない。なぜ人は罪を犯してしまうのか。ある犯罪学者は3つの段階を経て人は犯罪へと至ると言った。その人物こそが20世紀ベルギーの精神科医・犯罪学者・作家であったエティエンヌ・ド・グレーフ。国際的にも認められた彼は、誰もが罪を犯しうるとしながら、それでも犯罪を防ぐ方法を模索し続けた。本書ではそんな彼の思想と人生を丁寧に辿っていく。
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紙の本
「犯罪者とは、何よりもまず、人間である。」帯より。
2024/01/20 10:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やまだち - この投稿者のレビュー一覧を見る
「人間はいきなり罪を犯すのではなく、三つの段階を踏みながら実行へ移るといいます。」まえがきより。
ネタバレがあります。
コンテンツは以下のとおりです。
1.まえがき
2.精神科医としてのド・グレーフ〜信仰と科学のはざまで〜
3.犯罪学者としてのド・グレーフ〜「犯罪者」とラベルを貼るのではなく〜
4.作家としてのド・グレーフ〜共感本能を取り戻すために〜
5.ド・グレーフの最期
6.あとがき
帯に「本邦初の評伝」とあるように、国際的には有名でも日本ではまだ知られていない、精神科医で犯罪学者、そして作家でもあったド・グレーフについての書籍です。
ド・グレーフが生まれ育った環境や勤務先、当時の社会情勢、犯罪者や犯罪学にまつわる通説をまじえながらド・グレーフの「犯罪生成プロセス理論」を説いています。他分野の研究や実例、文学作品から説かれたこの理論は、犯罪や再犯を防ぐ一助になりえるのではないかと思いました。
また今では考えられない人権を無視したラベリングが、当時の学術界で行われていたことに驚きです。
そして犯罪に至るプロセスがわかると、実行に移す/移さない問わず、犯罪への願望を抱く人はもっと多く存在することに気付かされます。
「われわれはあまりに忘れてしまっている。犯罪者とはまず人間であり、他の人たちと違うどころかよく似ているのだということを。」P.142
ド・グレーフのこの言葉が特に印象に残りました。