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キェルケゴール ――生の苦悩に向き合う哲学
著者 鈴木祐丞
キリスト教国家デンマークに生まれ、いまなお哲学史にその名を刻むセーレン・キェルケゴール。母や兄弟との死別、厳格な父との葛藤、放蕩、婚約者との破局――。不憫な日々を過ごした...
キェルケゴール ――生の苦悩に向き合う哲学
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キェルケゴール 生の苦悩に向き合う哲学 (ちくま新書)
商品説明
キリスト教国家デンマークに生まれ、いまなお哲学史にその名を刻むセーレン・キェルケゴール。母や兄弟との死別、厳格な父との葛藤、放蕩、婚約者との破局――。不憫な日々を過ごした青年は、孤独と憂愁の淵で深くへりくだる。その愚直な信仰と思索のあいだに立ち上がった〈実存哲学〉とはいかなる企てだったのか。『死に至る病』『不安の概念』などの代表作のみならず、残された膨大な日記や手紙を読み解き、“神に仕えるスパイ”という使命を生きた人間キェルケゴールの実像にせまる。
目次
- はじめに/序章 神に仕えるスパイ/1 キリスト教界にキリスト教を再導入すること/キェルケゴールをめぐる謎/生涯の課題/キリスト教の教え/2 〈実存哲学〉/〈実存〉とは何か/ソクラテスという手引き/主体的思考/間接的伝達/〈実存哲学〉/3 神に仕えるスパイ/懺悔者という生き方/「最高の奉仕の任を与えられたスパイ」/第1章 原点/1 誕生/父と母/キェルケゴールの誕生/2 父と子/父の原罪/ミュンスターの影響力/ヘルンフート派の信仰/厳格な宗教教育/直接性と反省/憂愁と閉じこもり/想像力と弁証法的思考力/3 学校での学び/ラテン語学校/コペンハーゲン大学/マーテンセン/兄ペーターとグルントヴィ/第2章 著作家として立つ/1 ギレライエでの日々/青年の思い悩み/ギレライエの手記/ハイベア・サークル/2 放蕩/精神的危機/呪われた家族/放蕩息子/「大地震」/言い知れぬ喜び/懺悔者としての生を悟る/3 〈実存哲学〉の形成/神学部最終試験、牧師神学校、学位論文/地道な勉強/ヘーゲルの影響/レッシングという先達/4 任務の遂行へ/著作家への道/レギーネ・オルセンとの婚約と破約/なぜ結婚できなかったのか/懺悔者の任務/著作家活動へ/コラム 教師キェルケゴール/第3章 美的著作という餌をまく/1 美的著作と宗教的著作/著作家活動の説明書/著作家活動のデザイン/精神とは何か/美的著作/宗教的著作/間接的伝達/2 著作家活動の深み/実存全体を賭けた活動/仮名の使用/摂理の導き/コラム 秘書から見たキェルケゴール/第4章 美的著作/1 『あれか、これか』/美的人生観か、倫理的人生観か/善悪の選択/美的著作の企て/2 『おそれとおののき』/イサク奉献の物語/二つの「逆説」/信仰をめぐる思考実験/3 『不安の概念』/自由の不安定さについて/原罪をめぐる心理学/あくまでキリスト教という文脈において/4 『哲学的断片』/人間は永遠の真理をいかにして回復しうるか/知性と逆説の幸福な一致/哲学の立場から/コラム 『あれか、これか』の校正/第5章 宗教的著作と『非学問的後書き』/1 『二つの建徳的講話』/最初の宗教的著作/神と人間の関係性/読者に判断を迫る/2 『愛のわざ』/恋愛や友愛、そしてキリスト教的な愛/隣人愛/等身大の言葉で語りかける/3 『キリスト教講話』/「苦悩」はどこからくるか/絶望、罪をめぐる基本アイデア/4 『非学問的後書き』/キリスト者になるとはいかなることか/キリスト教に主体的にかかわる/パトスの高まり/「結びとしての」「後書き」の意味/5 著作家活動と実生活/神に仕えるスパイの活動の場/コルサー事件/著作家活動の一環としての実生活/第6章 逡巡/1 三四歳──牧師か著作家かという問い/プロローグとしての「大地震」体験/三四歳という限界/牧師か著作家か/変貌の示唆/2 『死に至る病』と『キリスト教の修練』/『死に至る病』と『キリスト教の修練』の執筆/キリスト者の理想像の提示/来るべき著作家活動/3 信仰の弁証法的な規定/憂愁と閉じこもりからの解放の試み/反省のあとの直接性/弁証法的な信仰/4 自己への無限の関心/ほか
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三十四歳
2024/03/06 16:45
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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
実存とは何か。ソクラテスから引き継いだ哲学をベースに神に仕えるスパイとして人々を神の元へ連れ戻そうとし、学術という営みとしての美よりも倫理、更に宗教活動へと転向し、終いにはこの世は牢獄であると語っている。