紙の本
著者の文字通りノスタルジー
2021/12/04 08:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こっこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の実体験が小説へと昇華したような作品。誰にでも起こり得る日常がつらつらと描かれていて、劇的な場面はさほどありません。だからこそ吹けば飛ぶような内容でなく、一歩一歩じっくり読み進める、そんな作品です。
紙の本
ヘッセをきっかけに読書再開
2022/10/19 09:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:爽ちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔、学校で紹介されたヘッセの車輪の下、割と周りの人は知らないようで、ジェネレーションギャップかと思いました。
郷愁は、久しぶりにヘッセの本を手にして読んでますが、文学的で抒情詩的な表現に触れて、次のページに進みたい、しかし、早く読み終わりたくない、と心が揺れる時を楽しんでいます。
直接的な表現が多い現代から離れることも必要かと感じる今日この頃です。次の作品を選ぶ楽しみを持って日々、暮らしていきたいと思っています。
投稿元:
レビューを見る
私の読書人生はヘッセから始まったので、私の心の故郷はドイツの風景だったりする。すごくすごく帰りたくなるんです…
投稿元:
レビューを見る
よ、読みにくかった。喉の通りにくさはコントレックス並み。
生まれ持った性質には逆らわないのが賢明よ、って話。
投稿元:
レビューを見る
すべてがとても美しい小説。
夜のボート、素敵な親友、好きな女の子、心の美しい子供と病人
本当に何もかもがきらきらして感じられます。文章も取り上げてるものも美しい。青春の瑞々しさ、あらゆる愛情。
訳も読みやすくて、60年代のものらしい少し古風で丁寧な言い回しが小説とぴったりですごく良かったです。
投稿元:
レビューを見る
狭い故郷を離れ都会に出たアルプスの自然児ペーターは、文筆家として身を立てるが、都会の文明に失望し、幻滅を感じるようになる。この彼を救ったのは、美しい少女エリーザベトへの愛と、姿は醜いけれども美しい魂を持った身障者ボピーへの愛の奉仕であった。ボピーの死後、自然に包まれた故郷へ帰ったペーターが、そこで見出したものとは──。
物語の中で、彼は幾度か大切な友の死を経験することになる。そして彼の恋は、いつも片想いで終わってしまう。
彼の人生の中で幸福かと言われる時期はないように見えてしまうけれども、大切な友と過ごした時間は、彼にとってとても大切なものであったのではないだろうか。
幸せになってほしいと、読み終えた今でも願わずにはいられない。
投稿元:
レビューを見る
ヘッセの自叙伝と言える作品です。
新緑を思わせる歓びと、暗く、重いねずみ色の憂鬱―。彼の人生はこの二つの繰り返しではなかったでしょうか。
苦い恋の経験も、彼が大酒のみであることも、彼への親しみを増させています。共通するものを持っている人は読むべきでしょうw
短い作品です。一日で一つの人生を体感できます。お勧めです。
投稿元:
レビューを見る
まるでヘッセの自伝を綴った小説のよう。
主人公カーメンチントは自然豊かな田舎育ち。
荒々しくも美しい山、川、森、空に囲まれ育まれた純真で透明感のある心で、無二の友人、恋心を抱く芸術家、障害者たちとの出会いを鮮明に際立たせる。
繊細でダイナミックな自然描写と、詩的な感情表現が美しい文学小説。
やや回りくどい感は否めないが、海外文学の入門書としておすすめ。
投稿元:
レビューを見る
とにかく、自然や主人公ペーターの周りの情景の描写が美しい。山間の小さな村も、湖も、街も、読んでいるだけで目に浮かぶくらい緻密で美しい表現。これまでに読んだヘッセの作品の中では、ストーリー的に大きな起伏がある方ではないが、全編にわたって「愛」と「死」による静かな感動が波のように押し寄せる作品だった。紆余曲折がありながら、自分のルーツを否定しない生き方には憧れる。自分の生まれ育った環境というのは、生きていく上でたびたび自分を動かす原動力をもたらすものなのだろうと思う。
投稿元:
レビューを見る
朝読むと、ヘッセの詩的で情緒的で表現力あふれる描写に爽快な気分になるが、夜疲れている時に読むと、「めんどくさいわ!」となる。
投稿元:
レビューを見る
地元を離れ詩人として生きる主人公の姿が、自分と重なる部分があり思わず読み入ってしまった。
著書はヘッセ27歳の時の作品であることにも驚きを隠せない。
というのもとにかく文章が綺麗で美しい。
そして自然の描写が素晴らしく読んでいるだけで情景が思わず頭に浮かぶ。
私みたいに田舎で育ち、一度地元を離れたものに読んでもらいたい。
投稿元:
レビューを見る
ヘッセの作品を読めば、ヨーロッパのみずみずしい風景が呼吸しながら目前に現れる。処女作である本書も勿論例外ではない。また、甘く酸い青春の所々に表される主人公の抒情性に、思わず自分の体験と重なり感情移入して読んでしまう。ヘッセの全作品を貫く本質がうかがえる。
投稿元:
レビューを見る
http://ameblo.jp/sweet--ballet/entry-11497155576.html
投稿元:
レビューを見る
故郷を離れ都会で文筆家として暮らしをたてるペーター。エリザベートへの叶わぬ恋と、身障者ボビーへの献身的な愛とを通し、ペーターは成長していく。そして都会の文明が肌にあわず故郷へ舞い戻る。
「春の嵐」にも出てくる、両親への愛の挫折がここでも描かれる。というかヘッセはだいたいテーマがくりかえしなのだな。
文明よりも自然、勉強よりも感情、俗より聖。ほいでもってヘッセといえば恋愛について深く書いているという認識でいたけども、案外と友情のほうにより重きを置いている。
というより大抵は恋愛に挫折する青年が描かれていて、彼に愛を教えてくれるのは男の友情というわけだ。
本書では、あんまり筋がぴんと通りすぎているという気がする。自然描写が多くてかったるいし、思想のうねるようなヘッセ節みたいなものがさく裂しない。あるいは悩み自体がまだ多少は鮮度を保っていて、それほど時間がたっていないように思える。「春の嵐」のような快方への方向性もまだ模索の段階である感じ。
「過去」でなければ、それは「物語」とはいえない。
腐りかけぐらいがうめーってことだろうか。
>「おたずねしますが、その恋はあなたを幸福にしていますか、それとも不幸にしていますか、それとも両方ですか」
「ああ、恋というものは、私たちを幸福にするためにあるのではありません。恋は、私たちが悩んだり耐え忍んだりすることにかけてどのくらい強くありうるかを、私たちに示すために、あるのだと思いますわ」
>私は友情と女性の愛と青春を信じてきた。いまはそれがつぎつぎと私を見捨てた。なぜ私は神を信じ、より強いその手にわが身をゆだねなかったのだろうか。しかし私は終生子どものように小心で、しかも強情だった。ほんとうの生命があらしのように私を襲い、私を賢く豊かにし、大きな翼に乗せて、熟した幸福に向け私を運んで行ってくれるだろうと、私はいつも待ち受けていた。
しかし、賢明で、計算のこまかい人生は、沈黙したまま、私をただようにまかせた。人生は私にあらしも星も送らず、私がふたたび小さく辛抱強くなり、私の強情がくじけるのを待った。高慢と、知ったかぶりの喜劇を、私に演じさせておき、知らん顔をしてそれを見すごし、迷った子どもがふたたび母を見つけるのを待っていた。
>きれいな娘たちはたがいにひどく似ていたので、その美しさは私にはいつも種族的なものと思われ、個人的な特徴とは思われなかった
投稿元:
レビューを見る
人生にはある程度年をとったからわかってくることも多い。ヘッセの郷愁は年をとった今だからこそ理解が進んだんだろうと思うが、ヘッセの若い頃の作品と知り驚いた。心理描写も多く読みやすい作品ではないし、とっちらかっているのは否定できないが、若者の成長については本質をついている。