日経「星新一賞」第十一回受賞作品集
著者 日本経済新聞社
ただ設定や小道具が科学技術的というのではなく、ものごとの根源を問いつづける姿勢。それこそ星新一が、私たちに示してくれた""理系文学""の想像力でした。日経「星新一賞」はそ...
日経「星新一賞」第十一回受賞作品集

商品説明
ただ設定や小道具が科学技術的というのではなく、ものごとの根源を問いつづける姿勢。それこそ星新一が、私たちに示してくれた""理系文学""の想像力でした。日経「星新一賞」はそれを受け継ぎ、今回で第11回を迎えます。
この電子書籍には、応募総数1389作品(一般部門・ジュニア部門合計)のなかかから選びぬかれた受賞作9篇を収録。
グランプリ受賞作は――
【一般部門】「冬の果実」柚木理佐
語り手の僕は体温が低下し、やがて死に至る病に罹っていた。博士が懸命に開発に取り組んでいる新薬の治験に参加するが、効果は得られない。博士は僕にたんなる治験対象者以上の温情をもって接してくれる。ふたりきりのやりとりのなかで、博士が僕に語ったひとつの仮説。この病は全地球的な異変とかかわりがあるのではないか……。
徐々に明らかになる絶望的な状況のなか、いちばん最後に、わずかな希望の光がさしこむリリカルな作品です。クライマックスで博士から僕へ、そして僕から博士へと手わたされる果実のイメージに注目してください。
【ジュニア部門】「ライトコート」竹腰奈央
生体認証が主流となった未来。生体情報を盗まれないよう、ライトコートという装置で黒い影を発生させ、全身を覆うことが当たり前になっていた。中学生のみるきーも、祖母の方針でとくに厳格に身体を隠すようしつけられている。そんなみるきーのクラスに転校してきた新田君は、まったくライトコートを用いないノーウェア派だった。彼を白眼視する者は多かったが、みるきーは興味をもって新田君に話しかける。
セキュリティの確保という社会状況を背景に、同調圧力の問題や自己決定権がクローズアップされます。自分らしく生きるとはどういうことかを、あらためて考えさせられる問題作です。
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