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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
現実と虚偽、表と裏。
どちらがどちらか分からなくなる様。
主人公が死ぬのは意外だった。
芯まで役者だったと。
最後は出来すぎか。
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化け物シリーズがあんな感じなので今度は人が死なない話かな?と思ったら違ったよ!
芝居に、衣装に、鬘に、それぞれ取り憑かれた人たちの連作短編集。
カバー裏の犬饅頭かわいい。
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相変わらず、めちゃんこ面白いな…。
あの人は、あの役者は、本当は何を思っていたのか?
芝居狂いか、真人間か?
あの人を見つめる眼で、それは万華鏡のように変わってしまう。
それでも、この目で見たものだけを信じるしかないのだ。
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まるで歌うような文章力には驚く!舞台役者の舞台に対する執念には感心する。主人公の死に直面した時も舞台役者としてカッコよく取り繕うとはビックリ!
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江戸森田座で売り出し中の役者、今村扇五郎を中心に据えた連作長篇。
役者とは、その芸のためならなにをしても許されるのか──。饅頭屋が、衣装屋が、鬘屋が、彼に関わったことで変わっていく。
最初はぎょっとして、なにか仕掛けがあるのではと疑ったが、そんなものはなかった。まさに狂気と紙一重の所業が積み重ねられていく。無責任に煽り立てる観客がうざい。その行き着く果てには、自らを主役にした究極の大芝居が控えていた。
一話完結である短篇の面白さに加え、長篇としての整合性も併せ持った見事な作品だった。
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『おんなの女房』の蝉谷さんの最新作。
『おんなの女房』の読了後の感想と重ねてみると・・・
>結構読み辛い文体で、最初は物語になかなか入り込めませんでした。
そのままですね。しばしば話がぱ~っと飛ぶ。段落さえ変えずにそれまでの主要人物が死んだことになっている。キーワードを隠すように書く。気付かず通り過ぎて後もどり、を繰り返す。
>私が苦手とする情念の世界が非常にテンポよく描かれている
これもそのままです。さ~っと通り抜けるものがだから、後から「アレッ」ってなることも多い。
>「情」が走り過ぎて「理」に無理が生じたようなストーリーもありますが
ストーリーに無理があるのもそのまま。但し「情」や「理」という感覚ではなく、辻褄が合わなくてもオドロオドロしく描くことを重視した結果という気がします。
次作に手を出すかと問われれば、しばらく様子見カナ。
今までの三作はいずれも「芝居」を舞台にしたもの。他の世界を描いた時どうなるのかな?
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江戸の芝居小屋、人気役者に狂わされた人々… 天才と狂人の狭間に映し出されたものとは #万両役者の扇
■あらすじ
江戸の森田座、今村扇五郎は街中で大人気の役者であった。彼は芸のためなら人の道を外れても追求をやまない。そんな彼に魅了されてしまった人々は、次第に人生を狂わされてゆく。さらに人が亡くなってしまうような事件が発生してしまい…
■きっと読みたくなるレビュー
江戸時代、歌舞伎の芝居小屋。当時は街中を賑わせたエンタメの世界を背景に、人気役者である扇五郎を中心に関係する人々を描いたもの時代小説。中盤以降に思いもよらない事件に発展し、ミステリー要素もある作品となっています。
まずは臨場感ですよね、まるで江戸時代の芝居小屋にタイムスリップしてしまったようです。まるで映画やTVの時代劇と同じ、いやもっと綿密に感じられる。街の賑わいや活気、人間が生活している様子が伝わってくるんですよね。筆力がエグイっす。
本作は連作短編集になっています。扇五郎が中心となりながらも、各話ごとにメインとなる登場人物が変わりながらストーリーが綴られていきます。読めば読むほど扇五郎の天才ぶり、いや役者馬鹿っぷりが赤裸々になってくる。
扇五郎の妻、入れ込んでしまうファン、芝居小屋で売り子をしている饅頭屋、木戸芸者、衣装屋、鬘職人、ライバルの役者。そして芝居のためだったら命を懸けられる役者扇五郎と関わるがゆえ、人生が少しずつ狂わされてゆく…
どんなに華やかな世界でも、自身の活力につながる程度の関わり合いであればいいのですが、ここまで入れ込んでしまうと怖い。現代の推し活、推し狂いにも通じるものがあって、震えが止まらなくなります。ただ、ひとりひとりの扇五郎に対する気持ちだけは、静かに心に刺さってくるんですよね…
たしかに彼の行動は「粋」であるかもしれない。しかし同じ人間として、男として、社会に貢献する職人として、彼から学びたいとは思わない。たしかにモテる男で惚れる対象ではあるかもしれない、でも目指す対象ではないんですよね。
しかし終盤、役者としての壮絶な生き様を見せつけられるのですが… これは確かに惚れる。結局、すっかりと世界観と扇五郎に引き込まれてしまったのでした。
■ぜっさん推しポイント
本書とは全く関係ないですが、芝居の世界に足を踏み入れた知り合いを思い出しました。華やかな世界ながらも、辛く厳しいこともいっぱいあるだろうと想像できる。
きっと彼女ならどんな困難でも立ち向かっていくと思うし、きっと幸せな人生を送っているに違いない。思い切り芸を突き詰めて、好きなことを思う存分やって、めいっぱい自分を楽しんで欲しい。
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著者の既刊は全部読んでいて、化け物心中のコンビが一番好きなことに代わりはない。が、今回は研ぎ澄まされた連作短編で、完成度が一番高いような気がした。
おんなの女房や、他の方の作品だが、木挽町のあだ討ちも合わせて読むと、どんどん芝居小屋やその小ネタに詳しくなれる。
作品数が増えるにつれ、これが著者の世界だというものは確立したが、ずっと同じままというわけにもいかないだろうから、これからがさらに楽しみ。
現代の作品も書いたらどんな感じなんだろう。
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何かに囚われるほど好きであるということとは、という物語だった気がする。怖い。怖いと思えるほど、魅力的であること。
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大店の娘お春、饅頭屋茂吉、仕立て師お辰、木戸芸者狛助と金太、そして鬘屋柳斎と役者今村扇五郎に惚れ込んだ面々はそろって狂う。扇五郎に狂わせられる。明らかに常軌を逸した役者の所業なれど、贔屓熱は高まり、職人気質が捩れていく。芝居であって狂言なんだよ、どれだけ追求しようと虚であり現じゃあない。わかっているはずが、扇五郎のささやきで倫理が崩壊していく。芸のため、技のため、犬にとどまらず人の命をも犠牲を厭わず。挙げ句、己の命をも…。好みによるんだろうけど扇五郎視点で描く一話が欲しい。あの狂気を直に聞きたい凡凡読者。
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芝居に魅入られ、身も心も芸に打ち込む狂気を描く連作短編集
文章の隅々まで、芝居が息づいている
連作として通読すると、時代小説ザ•ベスト他で短編として拝読していた時とはまた違う迫力ある
(残酷描写あり 苦手、弱い方は気を付けてください)
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江戸三座 中村座の次は森田座が舞台。
千両役者の上をいく万両役者、森田座気鋭の役者今村扇五郎に魅せられた者たちの狂いゆく歯車。
芝居のためなら犬を殺しその血を搾り取る、扇五郎、そして扇五郎の芸を支えるため己の「女」を捨てて尽くす妻のお栄。
火に惹かれる虫のように集まりくる人々。日常から外れて踏み込む甘美で辛酸な罠。
扇五郎に惚れぬき、惹かれゆく心の危うさを蝉谷めぐ実の筆が艶やかに妖しく描いていく。
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『#万両役者の扇』
ほぼ日書評 Day800
実は半分しか読んでいないが、図書館本で期限が来たため返却する。
狂気の歌舞伎役者が主人公。
芝居のためなら、手段を問わない。人殺しの場面をリアルに見せるため、血糊ではなく、犬の血(何匹も殺して集めたもの)を舞台で使う等。
本当にやったら臭いやら、掃除やら、大変だろう等と、ついついツッコミを入れたくなることもあるが、文体自体が読みづらい。
同じ作者のこれまでのところの最高作品という評もあるようなので、時間をかけて最後までゆっくり読んで行けば、そうなのかもしれないが、自分はいったん離脱。
https://amzn.to/3MBAgaU
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扇五郎に惚れぬいた芝居周りの人達の熱さはしっかり伝わってくるんだけど…。
確かにホンモノの犬の血を絞って舞台で使うって、スゴいしエグいしインパクトあるけど、肝心の扇五郎本人の描写が少なくて。どれ程どうなのかを読者の想像力に丸投げしてる感が強いなあ。とは言え、ミステリお約束のどんでん返し、しっかり堪能させて戴きました。マジかあ。でもまあ、万両役者が余りにも頓馬な死に様を世間様に晒すわけにいかない…その気持ちはわかる。
あと、「目に綺羅を入れる」って表現が頻出するんだけど、個人的に馴染めなかったー。カタカナやびっくりマークやオノマトペを多用しない、テンション低めで淡々とした文章のスタイルは好みなんだけどなあ。
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扇五郎は歌舞伎役者で当代1の人気を誇っている。しかし、その妻を初め周囲が彼の役者魂に引き込まれて人生の危うい方向に流れていく。途中グロテスクな描写もあり、最初は役者への興味から読み進めたが、後半は狂気の部分についていけなくて離脱しそうになりながら結末まで読んだ。