- 販売開始日: 2024/06/06
- 出版社: サンガ新社
- ISBN:978-4-910770-77-2
草木成仏の思想:安然と日本人の自然観
著者 著者:末木 文美士
「草木が成仏する」という思想のルーツに迫る「草木などの植物も仏になる」という草木成仏論は、いつ、どのように生まれてきた思想なのか?――それは単なる「自然の賛美」でもなけれ...
草木成仏の思想:安然と日本人の自然観
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商品説明
「草木が成仏する」という思想のルーツに迫る
「草木などの植物も仏になる」という草木成仏論は、いつ、どのように生まれてきた思想なのか?――それは単なる「自然の賛美」でもなければ、「日本古来の自然観」でもない。平安時代に注目され、議論されてきたその思想を根拠から問い直し、自然との向き合い方を再考する。
「山川草木悉皆成仏」は間違っていた!
日本古来の自然観を代表するかのように扱われる「山川草木悉皆成仏(さんせんそうもくしっかいじょうぶつ)」という言葉。しかし、仏典にも日本の古典にも、この言葉は存在していなかった――「草木も成仏する」という草木成仏論は、本来の仏教思想ではなく、平安時代の日本の天台僧・安然(あんねん)が、中国天台の著作を大胆に解釈することによって生まれたものであった。現代日本を代表する仏教学者が、安然の思想がどのように生まれたのを丹念に検証しながら、日本人の自然観や災害観をあらためて考える。
安然『斟定草木成仏私記』現代語訳を収録
【目次】
第1章 「山川草木」と「草木国土」
第1節 「山川草木悉皆成仏」は間違っている
第2節 草木成仏論の前提
第3節 忘れられた大思想家安然
第2章 草木は自ら発心・成仏するか―安然『斟定草木成仏私記』の世界
第1節 『斟定私記』の成立と概観
第2節 さまざまな草木成仏説
第3節 心の真理と草木成仏
第4節 草木成仏論の深化
第5節 密教的草木成仏論へ
第3章 草木成仏説の基礎付け―安然の密教思想と草木成仏
第1節 草木成仏論の解決へ向けて
第2節 すべてを統合する「一即一切」
第3節 根源としての真如
第4節 真如と草木成仏
第5節 真如の深みへ
第4章 日本人の自然観と草木成仏
第1節 本覚思想とその批判
第2節 密教と禅の草木論
第3節 東アジアの思想と草木成仏
第4節 「自然」とは何か
第5節 顕冥の世界観と草木成仏
第5章 自然と災害を考える
第1節 災害天罰論再考
第2節 日本人の災害観
第3節 自然の奥へ
付 現代語訳『斟定草木成仏私記』
〔1〕諸宗の説を論ず
〔2〕唐決をめぐって
〔3〕当今日本の議論
〔4〕円意の開顕
あとがき
文庫版あとがき
サンガ新社版あとがき
参考文献
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おぞましい「災害天罰論」
2024/06/06 14:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者が東日本大震災の時にイデオロギー的に対極なはずの石原慎太郎の発言を受けて「災害天罰論」を称えていたのは知っていたが改めて読むとおぞましいったらありゃしない。「災害天罰論」が正しいというなら被災地に行って講演でもすればいい。著者が安倍晋三を批判している言葉はそっくり著者に返せばいい。
ホロモドールがあった頃に一部の党幹部しか食べられないようなものをたらふく食べて「ソ同盟では餓死者がいるというのはウソ」だと「プロレタリアートの祖国ソ同盟」を礼賛した面々を連想してしまう。
こうなると戦時中の空襲は上海や重慶、ダーウィンへの爆撃に対する「天罰」、原爆は人体実験に対する「天罰」、満蒙開拓団の団員が土地を取り上げられた住民に殺されたのも「天罰」という発想につながってしまう。ユーゴスラヴィア共産党幹部から赤軍の所業について苦情を言われても耳を貸さない同志スターリンと違って蒋介石が「以徳報怨」を称えたのは寛容過ぎるのか?少なくとも国府軍や中共軍が武装解除した日本軍や居留民を大量虐殺していないので「佐々木テン証言」なるものを使って通州事件を取り上げて「支那人の野蛮さ」を主張しなければような面々がいるわけだし。