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投稿者:ママさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
何ともない普通のお年寄りの言葉で、普段の生活、思っている事が綴られているだけの様なのですが、時代をうつしているのか、哀しい生い立ちだからなのか、シンと沁みました。
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認知症のカケイさんは2年前息子が死んだことは記憶にないが、壮絶な人生はしっかりと覚えている__内容はシビアで気持ちが落ちたけど、カケイさんの語りがユーモアなとこに救われた。最期は、不器用な愛に守られて幸せだったのだと思いたい。読了後の余韻を久しぶりに感じました。
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感想
きれいなもの。好きなもの。だけど組み合わせるとどこかシュール。自分の中ではうまく融合してるのに。外に出すとなんだか違和感。なぜだろう。
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初読み作家さん。
書評でよくお見かけして評判も良かったので購入した。ら、津田さんのダイジェスト朗読も付いていてめっちゃお得だった。
これがデビュー作とのことで驚きを禁じ得ない。文量は少ないが、読み応えが厚い。
認知症を患うカケイさんの人生を自らが語る。この喋り方、とっても馴染みがある気がするのだが、あとがきによると千葉県の喋り方だとか。親戚に千葉の人いないんだけどなぁ。
認知症故に時系列は飛び飛びで、連想も飛躍して、繋がら無いようなのに、ちゃんとカケイさんの人生が分かる。
この話は、フィクションだけど、現在のおじいさんおばあさんが実際に生きてきた人生の総体だ。何故ならば、祖母から聞く話と全く同じ世界だから。
生きるってね、生きるってほんと、こんなだよ。しんどいことはあったけど、しあわせがあった。ちゃんと、あった。
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文庫化をきっかけに。
「今までの人生をふり返って、しあわせでしたか?」と尋ねられたカケイは来し方を語り始める。
カケイの一人称で進んでいく物語。
独特の文体がおばあちゃんに話しかけられてるみたいで心地よく、スラスラ読めた。
カケイが語るのは紛れもない女の壮絶な人生。
親になった今だからこそ、途中からは涙なしでは読めなかった。
私も辛いことがあっても幸せな出来事を忘れないように、いつか幸せな人生だったと胸を張って言えるような日々を過ごしたいなと思った。
✎︎____________
親切でもって言ったこっちの方が、バツのわるいおもいをする。世の中そんなふうになっちゃったんだねぇ。(P6)
手柄話は、わすれたフリしてしまうのが、一番いい。それが一番、格好がいい。(P75)
殴ってほしくないときには殴られて、殴ってほしいときには、殴られない。というのは、バツとしては、一等、おもい。(P112)
なんかの折に、だれかに、
しあわせだったか?と、聞かれたら、そん時は、
しあわせでした。
と、こたえてやろう。
つべこべ言わず、ひとことで、こたえてやろう。(P118)
しみじみ、おもう。
わるいことがおこっても、なんかしらいいことがかならず、ある。
おなし分量、かならず、ある。(P153)
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壮絶な過去を持つ一人の女性。
だけど周りからみたら、介助の必要な認知症のヨレヨレのおばあちゃん。どれほどのものを抱えているのか、外側から窺い知ることはできない。
自分もいつか、つべこべ言わず、幸せだったと潔く答えられる日がくるのだろうか。
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いろんな「みっちゃん」から介護を受けて暮らす認知症を患うカケイの目に映り、脳内に去来する、彼女の人生の物語。一人の女の人生にこんなにも様々な山坂があり、当時は気づきもしなかった事情が内包されているのかと、重たい気持ちになる。と同時に、それでも幸せだったと言えるカケイの気持ちが愛おしくなる。
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カケイさんは認知症。昔のことは鮮明に思い出せる。継母に殴られ、働き先では搾取され…大変なことばかりだった。それでも人生の終盤になって、大切なことに気づく。読んでいて切なかったです。
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認知症のカケイさんの一人語りで物語がすすむ。作者がケアマネさんという事を知って、このリアルさに納得がいった 読むのが辛くなるほどリアルさで、語られる人生は壮絶だった。 認知症の人の考えている事、見ている世界。介護する側の話を見ることはあっても本人側の世界を描ける人がいるという事が衝撃だった。 不器用だけど守っていてくれていたお兄さん、最後に謝ってくれて義理姉。文句言いながらも世話をしてくれた嫁。薬をちゃんと把握して医者に意見してくれたケアマネさん。うん。つべこべ言わずに幸せだったと言える人生だったと思う。
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カケイさんの壮絶な人生…認知症を患って最近の記憶はすぐ忘れるのに、昔の思い出したくないような記憶だけははっきり覚えてる…でもその中にも一瞬でも幸せな時間は確かにあった…その記憶さえあれば幸せなのか…本当は兄たちに守られていたカケイさん、もうすぐ死を迎える最後の最後に広瀬のばあさんから真相が知れて、幸せな花を見ながら人生の幕を下ろせて良かったんだと思う。
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カケイさんの語りはフッと吹き出してしまうユーモアがあっておもしろいおばあちゃん。と思っていたけど、中盤からカケイさんの人生がどんどん明るみになるに連れて一人の女性の人生を知る読書になった。
最終的に、わたしも人生を終える時には一言「しあわせだった」と言えるように自分なりに一生懸命生きたいと思う。
どんな人にも、それなりの背景があってそれは比べるものでなく、唯一無二のものなんだと気づかせてもらった。
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ナツイチ2024の対象本ということで
初めて手に取りあらすじを読んでなんだか惹かれるものを感じ読んでみました。
文章も読みやすく、ページ数も多くなかったのであっという間に読了。
始めは壮絶な人生にとても苦しくなりました。
途中から幸せな事も語られ始め、辛い人生の中の救われる時間もあり、少しだけど良かったと安心しました。
自分が老いてしまったとき、更には認知症で色々な事を忘れてしまったとき、私は自分の人生のどんな幸せなシーンを覚えているのだろうか。忙しくてとても大変な今だけど、思い出すのは今の子供達の笑顔なのかもしれない。
胸がグッと苦しくなる一冊でした。
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タイトルと表紙に惹かれて手に取る。
読み始めは読みづらいかも…と思ったけれど
少し進めば慣れてカケイさんの考えや思いが
ぐんぐんと入ってくる。
一瞬の幸せが一生を彩ることもある
読んでよかった作品
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認知症を患っている独り暮らしのカケイは、介護士のみっちゃんから介護を受けて暮らしている。
このみっちゃんからある時「今までの人生を振り返って幸せでしたか?」
と尋ねられ、カケイの視点で生涯を描いた物語。
主人公のカケイさんの文体が認知症を患っているということもあり、
文体が独特なので慣れるまで少し違和感がありましたが、
途中からはこの文体がより自分の口から話しているようで人間味がよく伝わって味わい深かったです。
このカケイさんが語るものはとても残酷て壮絶な人生
だったことばかりが出てきて、重たい気持ちになりました。
けれどそれにめげることなく必死で生きて、
今も不自由な身体になりならがも一日を大切に
生きている姿に胸を打ちました。
今はあまり聞くことがないですが、
幼い頃に私もカケイさんのようにお天道様は見ているから陰ひなたなく生きていくようにと教えられました。
きっとカケイさんもこの教えを守っていきてきたから
こんなに頑張ってこれたのだなとも思いました。
カケイさんの中では幾つものみっちゃんが登場し、
そのたびに初めはどのっみっちゃんなのだろうかと思いましたが、
これが認知症の感覚とはこんな感じなのかなと思うと
胸のつまる思いになりました。
けれど最後まで忘れることのないみっちゃんをを思いながら幸せな時があったと言えるものがあっただけでもと
思うと少し救われた気持ちになりました。
年齢を重ねてくるとこのような事柄は他人事とは思えなくなり、
意識しなくても意識してしまうので、
この作品は読めば読むほど深く感じるものという印象でした。
人生の最後にカケイさんのように思えることが出来るのだろうか、
と思うと同時に小さな幸せを探しながら生きていくことを大事にしたいと思えた作品でした。
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ナツイチの季節。ナツイチフェアの対象文庫で津田健次郎さんの朗読付きのこの本を購入。
よまにゃチャンネルで最初の数ページは津田健次郎さんの朗読で聞くことができる。幸せ、幸せ。
さて小説はというと、「今までの人生を振り返って、幸せでしたか?」と聞かれたカケイさんの記憶の中にあったものは…。
少し認知症のあるカケイさんとヘルパーのみっちゃん、カケイさんの家族、読み進めていけばいくほど辛い。
認知症だけど、本当はわかってる。
辛いことがたくさんあったカケイさんの人生、悪いことがあっても良いことが必ずある。同じ分量必ずある。そう言いながら、カケイさんが最後に見たものは、幸せだといいなと願う。
辛い本でもあり、希望を願う本だった。