0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作より、おとなになったと感じられる主人公かな。
結婚して子どももできてっていうのもあるだろう。
でも、探偵としての性は変えられないんだね。
投稿元:
レビューを見る
シリーズ2作目。
時が過ぎ、みどりが2児の母になり部下も持つようになっていた。
気になることがあると、過集中で周りが見えなくなってしまうところは相変わらず。
お父さんも息子も同じ傾向があるということは、こういう性質は遺伝するってことなんだろうか。
でも、探偵という職業をする上では、この性質は吉と出ている気がする。
安易に結論ありきで調査するのではなく、自分が納得するまで調べ上げる。結果、本当の真実が見えてくる。
その真実は知りたくなかったことであっても、そこからでないとリスタートはできないんだよなと思った。
投稿元:
レビューを見る
初登場時には高校生だった主人公。続編となる本作、社会人と母親業を両立させながら息子の性質が自分譲りの過剰なものなのではと心配している様子に、キャラの成長とか時の流れとかシリーズものの良さを感じたし、同じ母親として共感した。(中々な性格の主人公が結婚できたことに驚いたんだけど、司さんがいい夫すぎて。。うらやましい)
探偵とは簡単に結論をださない人、の言葉が残る。
犯罪がからむ短編は、主犯たちの計画が緻密すぎて。面白く読みつつ、こんなに上手くいくかいな、とつっこんでしまった。
最後家族の絆でほんわかする、いい読後感でした。
投稿元:
レビューを見る
★4.5
物語としては面白い、みどりさんの知りたがり癖のおかげで、いろんな謎や人の秘密に触れることができて大変面白い探偵小説。
奥行き深くなるのは夫である司さんと、二人の息子の存在。知りたい欲求だけを突き詰めるだけなら普通の探偵小説だけど、家族がいることで生まれる葛藤がリアルで胸に迫る。
333項「私とお前、ふたりとも大丈夫だったじゃないな。理もきっと、大丈夫だよ」大丈夫かもしれないけど、そこにいきつくまでに、司さんが大丈夫じゃないかもしれない未来も想像してしまう。シングルマザーの探偵小説が生まれてもおかしくない。が、どんなものになるか、心のどこかで期待してもしまう。
投稿元:
レビューを見る
探偵みどりは結構、いろんな作品に登場しているのですが、「五つの季節に探偵は」の直接の続編にあたる本作。前作より4年たった2022年夏~2024年夏までに起こった出来事を綴った5編からなる物語。探偵事務所の課長という役職が付き部下ができたみどり。現場での仕事はへり管理職としてのジレンマと家族の間で揺れ動く。華々しい探偵物語ではないが、全てのものを差し置いても自分の心のままに謎に向き合い相手の心の奥底まで踏み込んでゆく、家族を犠牲にしていることを把握しながらも自分のサガに逆らえないみどりの葛藤の物語。
投稿元:
レビューを見る
超★5 女性私立探偵の苦悩と生き様を、美しく味わい深い筆致で描く連作短編集 #彼女が探偵でなければ
おもろい!超★5 完成度高すぎじゃないすか、このシリーズ。どのくらい売れてるか分かんないですけど、もっと話題になってもいいと思うんすよね~ 連作短編としてのクオリティがエグイすよ、もうそのままドラマにして欲しいです。
前作から引き続き、私立探偵事務所に勤務する森田みどりを視点に物語が進行する。彼女は人の本性を見抜きたくなるという性格から、父と同じ探偵という職業に就いた。既に管理職となっており、二人の息子をもつお母さんという役割も果たしていく。
様々な切り口のテーマ、圧倒的な取材力、社会問題を踏みながらミステリーして読ませてくれるエンタメ小説。高品質かつ味わい深い筆致はもちろん、今回もひとりひとりの登場人物の人間性を丁寧に描いている。
主人公みどりについても、仕事と家庭の両立、父と我が子の関係性、探偵と本性を追いたくなるという性格との相性など、我々と同じような悩みを持つひとりの人間として描かれる。生きることの難しさと成長の道のりを、しつこさのないテイストで味あわせてくれるんですよね。
優しく爽やか、でもちょっぴりビターなミステリー。いつまでも読んでいられる一冊です。
●時の子 【おすすめ】
時計職人の父を亡くした少年の自宅にみどりが訪れる。かつてもらい受けた時計が壊れてしまい修理を依頼するためだ。その少年は幼い頃、生前父親と一緒に防空壕に閉じ込められた経験があって…
ほんと人間を描くのが上手、痺れるなぁ。親子の顔が目に浮かんでくるんすよね。まだ自分が何者でもなく、自信が持てない悩める少年。彼の成長記録がぎゅぎゅっと詰まってる。人間が輝く瞬間って、表彰台の上ではなく、やろうと覚悟を決めた瞬間だと思うわ。
●縞馬のコード
探偵事務所の管理職になっていたみどり、部下たちの相談案件で人探しの依頼を追っていた。無事事件は解決したものの、調査途中で失踪者の隠れ家を見抜いた千里眼をもつという青年に出会う。果たしてその不思議な能力の真相は…
現代ならではの社会問題を扱った物語、怖い怖い。私もよくネットショッピングでクーポン使いますが、クーポンを使う人に対しては、更に優遇されたクーポンが配布される仕組みなんすよね。サービスを使い続けるという工夫がされてるんです。切れ味鋭く、大人のみどりが力強い作品でした。
●陸橋の向こう側 【おすすめ】
スーパーのイートインスペースで、一心不乱に何かを書いている少年を見かけるみどり。彼のノートには、父親を殺害するという文章が書かれており…
まず冒頭6行が美しいんだよなぁ~、こんな文章を書けるようになりたい。幼い少年が抱く決心、苦しみ、葛藤が切々と描かれ、みどりのひたむきな愛情が胸いっぱいに広がるんすよ。ほんの少し、本当にほんの少しのきっかけで、人生なんて丸ごと変わってしまう。人と人の繋がりの大切さを学ばせてくれる作品でした。
●太陽は引き裂かれて 【超おすすめ】
クルド人のアザドから依頼を受ける���自身が営む店に赤文字で×印をつけられた。侮辱されたことを許せない彼は、みどりと要に犯人捜しを依頼することになり…
本編はみどりと同じ女性探偵の須見要での視点で進行していく。探偵の仕事に悩みを持っていた彼女ですが、この依頼をとおして自分を見つめ直すことになるんです。これが物語と上手くリンクしてんのよ。
本作は社会問題を背景にした重厚なテーマ、丁寧な取材をされており読んでるだけで勉強になります。ひとつひとつ手がかりを追っていく場面や、クルド人たちの世界にはいっていく交流シーンも惹きつけられますね。謎解きの真相も意外性と腹落ち度が高く、完成度の高いミステリー短編です。もうこれだけでも読んで。
●探偵の子 【おすすめ】
父の実家に旅行にでる森田みどり一家の物語、父の幼馴染である唐沢範子のお世話になることに。彼女の母芙美子はすでに亡くなってしまったが、才能のある陶芸家であった。みどりは母娘の関係性に違和感を抱き…
はーーー、身につまされる。私も二人の息子を持つ父親として苦悩せずにはいられないよ。そして初めて真正面から森田一家が描かれるんですが、これが素朴でイイんすよ。旦那さんも優しそうで、ホントどこにでもいそうな温かい家族。
終盤の謎解きや真相のくだりが淡く儚く美しい。みーんな幸せで暮らして欲しいす。
■ぜっさん推しポイント
本作ではすっかり大人の責任のある女性になっている森田みどり。しかしどんな立場や役割になっても、自分らしく生きていくのってホントに難しいですよね。
私も過去の自分の失敗を恐れるあまり、すぐに型にはめようとしちゃったり。考えるのが面倒で、入ってきた情報をそのまま信じちゃったり。この作品は語られているテーマがあまりに身近すぎて感情移入が半端ないんすよ。
まだまだこの女性探偵の行く先を追ってたいです、次回作を楽しみに待っています!
投稿元:
レビューを見る
彼女が探偵でなければ、知らないままでいられた真相が時に苦く、時に温かい。
〈答えを簡単に出す人〉の言葉にドキッとした。
前作があると知らずに読んだ。早速入手したい。
投稿元:
レビューを見る
探偵をしているみどりが扱った事件を描いた短編集。
ミステリというよりはハードボイルドものという感じで、謎を突き詰めて行かずにはいられないみどりがクール。
時計職人だった父とその息子の物語やクルド人問題、陶芸作家だった母と娘の物語など。
前作では幼なかった子供たちも成長していて、母として悩むみどりの姿も描かれている。
投稿元:
レビューを見る
朝日新聞社の運営する「好書好日」でベタ褒めだった本。『五つの季節に探偵は』に続く森田みどりが主人公の連作短編集。
確かに、トリック、というか、謎解きが”深い”感じがミステリータッチで、そういうのが好きな人にとっては楽しめる内容と思いますが、クルド人ネタみたいな社会問題で来られるとエンタメ的にはいまひとつな感じもします(個人の好みの問題ですね)
「好書好日」によれば逸木さんは「次代を担う作家さん」ということなのでこれからも注目していきましょう。
投稿元:
レビューを見る
女探偵、森田みどりの短編。
シリーズ二作目だそう。知らなかった。
純粋にどの話も続きが気になり、面白くて一気に読んでしまった。
みどりな真実が知りたいがために、かえりみず突き進む行動のその先に感動もあれば、知りたくなかった事実もあり読み手としてバラエティに富んでおり面白い。
とはいえ、自分の周りにこんな人がいたらやだな。
家族旅行中なのに、嘘をついて真相を知ろうとするなんて本当に嫌だ。
投稿元:
レビューを見る
前作が良かったので期待して読んだが森田みどりのイヤな面が目立って読み進むことができなかった。ひさしぶりの途中下車。
投稿元:
レビューを見る
探偵·森みどりの物語。父の探偵事務所で探偵として働くみどりは、謎に出会うと、とことん調べ尽くさないと気が済まない。物事を安易に信じず、ひとつひとつ検証を重ね事実を積み上げて真実の姿をうきぼりにする。謎を追うときは、周りの何もかもが目に入らなくなり、時に家族や仲間たちに迷惑をかけるがやめられない。そんなみどりが真実を浮き彫りにする過程が興味深すぎる。最後の章は切なさもあるが、きっとこれからも変わらず探偵業を全うするのだろうし、理も大丈夫だと思う。もっと読み続けたい一冊だった。
投稿元:
レビューを見る
森田みどりは、二児の母で複数の部下も持つ中堅の私立探偵。家族を大切にしつつも、出会った相手の素性を執拗に追い求めてしまう好奇心旺盛な性分が故に、深みにハマってしまうこともしばしば。彼女が巡り合った少年達の内側に迫る連作短編集。
「時の子」
時計師親子の物語。
私も腕時計をオーバーホールに出したことがある。安くはない金額だったが、精緻極まりない時計を扱う時計師の緻密な技能には払って然るべき費用だったかなと。本書も、時計さながらの緻密な伏線が紐解かれた後の意外性が冴え渡る。
「縞馬のコード」
“千里眼を持つ”という謎めいた少年に引っ張られてグイグイ読ませる。
みどりの心理描写(下記)に大共感。子育てにも部下との関係にも活かせそうな金言だ。
「人を動かすとは、言葉を見つけることだと思う。ひとりひとりに違う言葉が必要で、それは時期によっても違う。正しい言葉を注意深く見つけ続けていかないと、やがて話すら通じなくなる。」
「陸橋の向こう側」
父親の殺人を図る少年と、それをなんとか食い止めたいみどり。“文通”で互いの心理を探り合うプロットが良い。「人間は書くことで思考を整理できる」というのも共感。だから私もレビューを書くのだ。
「太陽は引き裂かれて」
クルド人問題を扱ったセンシティブな社会派ミステリ。国を持たない民族の苦しみを考えさせられた。海に囲まれた自然が豊かな日本は、本当に豊かな国なのか?地政学はいずれ読書で学びたい興味あるテーマ。
「探偵の子」
自分に似て好奇心旺盛な子供に振り回され葛藤するみどり。親子愛に包まれたあたたかみのあるストーリー。親はいつまでたっても子供の事が心配。でもきっと大丈夫。うんうん。
「六色の蛹」「明智恭介の奔走」「僕は化け物きみは怪物」など、今年はミステリ短編集の良作が多かったが、その中でも本書は一推しだ。伏線を巧みに織り交ぜた謎解きと人間ドラマが実に上手く融合している。鋭い洞察力を持ちつつ根底には人として•母親としての優しさを持ち合わせる森田みどりは魅力的な探偵だ。謎が解けた後はハートウォーミングな心地良い読後感に満たされた。
また気になる作家さんが増えてしまった(嬉しい悲鳴)。
週刊文春ミステリーベスト10 16位
本格ミステリ・ベスト10 12位
SRの会ミステリーベスト10 4位
ミステリが読みたい! 20位
リアルサウンド認定国内ミステリーベスト10 1位
本格ミステリ大賞 受賞
《榊原(森田)みどりシリーズ》
1.星空の16進数
2.五つの季節に探偵は
3.彼女が探偵でなければ
投稿元:
レビューを見る
短編5篇。
知りたい!と思うと答えを見つけるまで、何をおいても到達するまで止まれない。
そんな自分を持て余している探偵のみどりさんが主人公。
知りたい事の答えに向かって直進する姿は肉食獣が獲物を狙って身を潜めている感じ。
そんな、自分責めるほどのこと?むしろ素晴らしいと思うけどなぁ。
「簡単に答えを出さない人」であるみどりさんはとっても格好いい。
シリーズ2作目のようなので、1作目も読んでみたい。
投稿元:
レビューを見る
みどりさん、第二弾。
人の本性を暴くことに執着してるってことなんだけも、私は不快になる程でもないかなって思う。何かを知りたいと思ったら、必死に調査してしまうだけで、その対象が人だっただけなのでは?と思ったり。
私は最終話が、好きでした。父と娘、母と息子。やっぱり、親子は似てくるんだよね。旦那さんがいい人で良かったじゃないか。