信仰に基づかないキリスト教の理解
2016/04/23 12:05
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なないなな - この投稿者のレビュー一覧を見る
入門と題していますが、私には読み応えのあるとても有意義な読書となりました。多くの本と違って、学術的に、史実的に真実はどこにあるのかという所にフォーカスを当てているところに、私は好感を抱きました。
長い歴史をもつキリスト教なので、1冊の本で全てを理解するのは難しいとは思いますが、読むことで得られる理解は、相当のものではないでしょうか。時を置いて再読したいと思います。
岩波ジュニア新書は、これだからやめられないのです。これからも良書・力作を刊行して欲しいです。
投稿元:
レビューを見る
「キリスト教会」の全体を見渡すには良い本だ。
しかし「キリスト教」「聖書」そのものについては、リベラルな立場が書かれているには残念。
カトリック、正教会については非常に詳しく、参考になるが、プロテスタントの諸派の成立過程については、メインライン中心で、後は簡単に触れているだけ。
異端についても書かれているところは幅広い。
投稿元:
レビューを見る
歴史的イエスの生涯から、その後の各教団の歩みまで網羅的に学べます。
世界史や倫理の教科書に載っているのは、歴史的イエスというより教理の上でのイエスだったように思うので、新鮮でした。
投稿元:
レビューを見る
非常に読みやすい入門書。
ユダヤ教からの流れからイエスの生涯、布教の過程と広がり、諸派の教義の違いなどを聖書を引用しながらわかりやすくまとめられている。
専門的すぎない、しかしポイントはしっかり学ぶことが出来る。「知識」としてキリスト教に触れる第一歩としてピッタリな内容。この一冊で概要を掴むことができる。
中高生向けの新書だが社会人の教養本としても十分な良書。
投稿元:
レビューを見る
こちらの本でキリスト教の歴史をおさらいしてみました。岩波ジュニア新書は、本来中高生くらい向けのものと思いますが、これが侮れず、あるテーマについてレベルを極力落とさず、しかしなるべく平易にかつ読みやすく、その分野の一流の方が執筆されているものも多く、「大人の学び直し」にも有用と思います。
この本も良書でした。「キリスト教入門」というより、正しくは「キリスト教の歴史入門」というべき内容ですが、コンパクトな中にとても要領よくかつ分かりやすくまとめられており、復習&勉強になりました。
投稿元:
レビューを見る
名著。非常にわかりやすい。
キリスト教の誕生から分離、現在に至るまでが非常にわかりやすくまとめられている。かなりスッキリ理解できた。おすすめ。
投稿元:
レビューを見る
キリスト教の入門としてとてもコンパクトにまとまっていた。
十二弟子についてとか、東方正教会の組織とか20世紀のカトリックの変化のすごさとか、勉強になった。
新約聖書の約は契約の約だというのは改めて学べてよかった。
投稿元:
レビューを見る
キリスト教の成立と発展、ローマカトリックと東方正教、宗教改革という内容構成となっている。個人的には、前半のキリスト教の成立と発展の部分の記述に魅力を感じた。もちろん聖書の解説が中心となるが、宗教的バイアスを排除して客観的にイエスの生涯と思想を検討する「歴史的イエス研究」の内容を絡めて解説されており、合理性をもってキリスト教を考えることができた。ローマカトリックと東方正教の項は前半と比してストーリー性に欠け、宗教改革および清教徒革命の説明はやや簡素すぎる印象を受けるが、前半のみでも読む価値のある書籍である。
投稿元:
レビューを見る
キリスト教を勉強してみたくなり、入門書を探しており、こちらを購入。
世界史のバックグラウンドがないとちょっと難しいかなと感じますが、コンパクトにまとまっていると思います。
・・・
キリスト教を学ぶとなると、ユダヤ教なしには話が進みませんが、ユダヤ教の言わば「閉鎖的」な部分の改良版的に始まった点などは、実はあまり知られていないかもしれません。そうしたキリスト教の端緒やユダヤとの違いは、簡潔で分かりやすかった。
・・・
まあ、キリスト教というと、カトリック、プロテスタント、正教と分かれていることは多くの人がぼんやり理解していることと思います。本作はそれぞれの流派の歴史をたどるのは当然のことながら、逸話というか、小噺みたいなものをちょいちょい挟み、それが良かったと思います。
・・・
例えば、カトリックも正教もそうですが、聖人崇敬の話。
キリスト教が一神教ということは有名ですが、その一方で聖〇〇とかっていうじゃないですか。立教とかSt. Paulだし、サンフランシスコも聖フランシスコじゃないですか。何なのよ聖って? って感じしませんか? んでもってたまに、聖〇〇に祈りをささげるとか、って洋モノの小説にさらっと出てきたりするじゃないですか。何だよお前、キリスト教って一神教じゃないのかって思いませんでしたか?
本作によるとキリスト教の偉大な貢献者や殉教者などを聖列するといって、簡単に言えば名球会みたいにすげえぞ名簿みたいなのに登録するらしいです。で、そういう方々へお祈りすることで、自分のお祈りを聖人を介して神様に「とりなして」もらうそうな。ややこしいな。あと、神への崇拝はWorshipでそれ以外の聖人への崇敬はvenerationというらしいです。むう。
で、実はこうした区分や整理は、そもそも土着の民俗学的な背景を取り込んで宗教が成り立ったということに起因しているそうです。なるほど。
・・・
それと、プロテスタントというとルター、っていのが世界史の常識かと思いますが、青年ルター君の話も良かった。
自己肯定感の低いルター君は、自分は天国に行くような人間じゃないと悲観していたそうだが、信仰義認説を実存的に理解して、そこから現状の教会組織に疑問を感じ始めたそうな。で、そうした問いをラテン語で貼り付けたのが「95箇条の提題」。要は一部のインテリにだけ分かるようにあえてラテン語で書いたんですね。たぶんシャイなんだな。したら誰かがドイツ語に翻訳し、リツイートしたもんで、バズってヨーロッパ中で話題になっちゃったということらしい。プロテストというより炎上?だったのかもしれません。
まだまだ面白い話が幾つかあるのですが、備忘のために書いておくとヘンリー八世の英国国教会成立の話も面白かった。いやあ、良く分からなかっんですよ、国教会ってカトリック?プロテスタント?って。このあたりの事情も書かれていて参考になりました。
・・・
ということでキリスト教入門の本でした。
一通り読んで、大学教養課程くらいの濃さはあるなあと感じました。そして興味のない方にとっ��はもう気絶するほど詰まらなく感じるのでは、と察しました。
ということで、キリスト教に興味がある方はもちろん、西洋史・宗教史に興味がある方、西洋文化に興味がある方、美術史に興味がある方、欧米文化に興味のある方等々には楽しんでもらえると思います。
投稿元:
レビューを見る
いろんな芸術作品を味わうために必要な知識が歴史的な背景も含めて詳しく書かれている。
新約聖書に書かれているパウロの宣教活動については、この本を読むと概要が理解しやすい。
宗教と政治が複雑に絡んでいるので、世界史の授業で聞いた単語がたくさん出て来て、試験勉強してる気分になった。
イエスキリストとされた人物が存在していたことは、歴史的研究でも証明されているらしいから、それから2,000年経っているということは事実として、それ以前にも人類の文化にはたくさんの神様が崇められていて、古代の解明されてない文明にもなにかしらを崇拝してる跡がある。
その中でも、ひとりひとりを平等に救済すると説いた宗教はめずらしかったのかもしれない。
日本のキリスト教の布教とともに、自由人権運動や他の社会福祉活動も発展してきた経緯は、ありがたいことだなと思った。
投稿元:
レビューを見る
キリストの誕生という歴史から、キリスト教がどのように各宗派に分かれ、現代においてはどのようになっているのかを初学者向けに解説している入門書
名前だけは知っている宗派にはどのような特徴があるのかや、実際に行われている儀式についてなどの解説がされていて、キリスト教徒ではないけど興味がある人にはちょうど良い本
聖書の中でも史実だとされている内容を研究する分野があるとは知らなかった
投稿元:
レビューを見る
何かの本で紹介されていたため手に取った。今まで読んだキリスト教関連の本で最もわかりやすい。
キリスト教の成立過程を、ユダヤ教から遡り、イエスの思想や言動を、神話的にではなく現代的な解釈を交えて伝えてくれるため、とても納得感があり分かりやすい。特に、キリスト教が、キリスト教として生まれたのではなく、ユダヤ教イエス派として解釈できることは恥ずかしながら知らない背景だった。
ペテロやパウロなど名前が似ていて覚えづらい登場人物のバックグラウンドや思想の変遷、磔刑前後の役割なども理解しやすかった。
そして、キリスト教成立後の、ローマ・カトリック協会、東方正教会、プロテスタント協会への分化やそれぞれの思想・慣習についても、歴史的背景から丁寧・平易に伝えてくれる。
科学技術が進展するなかで、現代の「聖書の非神話化」の動きや、米国大統領戦で度々話題になる米国の福音派とメインラインの動向も理解できた。欧米の文化や価値観を理解するうえで、キリスト教の理解は土台であり、もっと早くこの本を読んでおきたかったと思える本。
投稿元:
レビューを見る
『キリスト教入門』読了しました
岩波ジュニア文庫で西洋の歴史をキリスト教視点でまとめられており知っているようで曖昧だった知識が再整理されていきました
特に聖書で書かれたパート以降のキリスト教の歴史は断片的にしか知らなかったので学び直しに最適な1冊でしたね
アメリカをはじめヨーロッパの映画を見る上で必須なのがキリスト教の知識ですが、ボクもその歴史やカトリックとプロテスタントの細かい違いやプロテスタントの宗派の違いなどについては曖昧な理解のままでした
世界史、特にヨーロッパの歴史は民族や国の歴史が複雑に絡み合うので理解が難しい部分もありますが、キリスト教を主軸にすることで整理がなされており、わかりやすかったです
岩波ジュニア文庫は中高生向けの書籍という印象ですが、下手な大人向け新書よりもしっかりと学び直しができるいいシリーズですね
投稿元:
レビューを見る
一番わかりやすいキリスト教の本。「はじめに」にもあるように、非キリスト教徒が教養としてキリスト教を知るのにぴったり。とりあえず一回読んで!と勧めたい。
神の国の考え方や、カトリック、プロテスタント、東方正教会の歴史など、世界の3割の考えのベースを知れると、世界が広がる気がします。
しかしながらどの宗教も、宗教とそれに絡む政治が原因で戦いが起こっている事実が本当に......
なんなんだろうと考えてしまいます。
投稿元:
レビューを見る
ジュニア新書ということで、子供向けかと思いきや、非常に重厚かつ内容的にも分かりやすくなっている。非信者にとっては良い入門書だろう。
プロテスタントの流派が数多くあるのは知っていたが、掻い摘んでそれぞれ解説してくれており、勉強になった。