奇跡島の不思議 みんなのレビュー
- 二階堂黎人
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
1 件中 1 件~ 1 件を表示 |
紙の本奇跡島の不思議
2003/06/24 10:29
マニアックな筆致の冴える、全てに意味ありげな雰囲気が好もしい長編
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:PNU - この投稿者のレビュー一覧を見る
クサイ青春モノのごときイントロから始まった物語は途中から大化けし、印象をガラリと変え陰惨な真相に向かって急展開! 暗黒の中の一条の光、ファンにはニヤリなサプライズもあり(あのひとですよ、あのヒト! 登場事からもう醸し出しちゃってますよ、なにしろあのヒトだから)。怪奇きわまる連続猟奇殺人は派手派手しく、美術の知識が多少ある人には視覚的な愉しみが得られるだろう。
途中で明らかになる登場人物たちの共通の秘密、心の痛む過去には読者として疎外感を覚えてしまう。そこに登場する女性は、あまりにSF的である。残念ながら、私には彼女のそこまでの魅力というものが実感出来なかった(伊藤潤二の「富江」じゃなし、男の好みにはもすこし多様性があるように思うのだ)。
ラスト、納得のいきづらい抽象的な動機などは不満が残る。しかし、もともとの設定からしてロマンティック(非現実的)な見立て連続殺人を扱った小説に、どこまでリアリティを求めるかは判断が難しく、評価は読み手の好みにゆだねられるものだろう。
1 件中 1 件~ 1 件を表示 |