見えないものの影 みんなのレビュー
- 著者:小松 左京
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評価内訳
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2019/05/19 17:52
短編ジュニアSFの決定版シリーズ
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とあるUSJ好き - この投稿者のレビュー一覧を見る
SF、と一言に言ってもいろんな種類がある。ウェルズやヴェルヌのようなスチームからエレクトリックの移行期の古典SFから、スターウォーズのようなスペースファンタジー、70年代以降に考えられた未来・近未来社会のサイバーパンク、過去の完全な別世界線としてのスチームパンク、藤子不二雄・星新一のような少し不思議な物語と枚挙に暇がない。
その中で、このジュニアSFシリーズに名を連ねる小松左京・筒井康隆・福島正実らは、世界全体にスケールが大きく波及するものであろうとなかろうと、小さな日常に潜む空想的科学現象を描き出す。
小松左京のこの短編集の表題作は、そんな日常に潜む恐ろしい現象を列島の沈没の如く、容赦がない物語だ。
世界が危ういバランスで保たれていることに気づいて、またこの小説のように、バランスが崩れることを虎視眈々と狙う者の存在がいたとしたら。
そんな物語を突きつけることができるのもSFの醍醐味である。
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