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「粘膜」シリーズ みんなのレビュー

  • 著者:飴村 行
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みんなのレビュー12件

みんなの評価3.7

評価内訳

  • 星 5 (3件)
  • 星 4 (3件)
  • 星 3 (5件)
  • 星 2 (1件)
  • 星 1 (0件)
3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本粘膜人間

2008/11/12 00:50

ライトではない、コアな伝奇が今蘇る!

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:御於紗馬 - この投稿者のレビュー一覧を見る

第15回日本ホラー大賞 長編賞受賞作です。

 非常にショッキングな描写が目を引きますが、単なる衝動的なバイオレンスではなく、民話的なイコンが散りばめられた物語に仕上がっています。

 何より清美が良い。
 河童との約束で利一が差し出す、「非国民」の妹。兄が恋人を連れて軍を抜けたため、憲兵より拷問を受け、薬物『髑髏』(このネーミングセンス!)を投じられ、精神を病んでいます。
 拷問の様子、『髑髏』による幻覚は偏狂的な描写があてがわれています。そして薬物の副作用で記憶から失せた兄の秘密。否、真実というべきか。その謎は次第に明らかになるのですが、ホントに、「清美」とはよく名付けたものです。

 何より河童が良い。
 純朴で、欲望に忠実(特に下半身的な意味で)、痛みを受けても次の瞬間にケロリとしている。 人の知らぬ知識を持ち、人間の倫理・思考の埒外に居る、そんな異形の生き物が真に生き生きと描写されています。
「今のが毒猫の毒ぢからだっ」なんてセリフ素敵すぎます。

 第壱章→第弐章→第参章と、次第に上がっていく異界的なテンションも見事です。特に雷太の存在は、よくよく考えてみれば彼自身が 「身代わりっ子」ではないか? 落雷で身籠ったから雷太?
そんな空想すら頭をよぎります。途中、彼は尋常ならざる状態に陥りますが、普通に考えれば人間ではあり得ないのです。

 よくよく考えると、漂浪者のベカやんは勿論、雷太も清美も、登場人物は皆アウトサイダーなんですよね。清美の兄をつけ狙う憲兵だって、権力を笠に着ては居るものの、決して表の人間ではない。利一と祐二も、雷太に殺意を覚え、それを実行に移した時点で、人の道から外れているわけで。

 そんな周辺者達だから、河童やキチタロウ、毒猫など、本当に人間外の存在と縁してしまう。 そして人外の報いを受けてしまう。 直接的ではないものの、因果報応的な作品だと感じました。非常に因習深き人の業が色濃く描き出されています。

 作者の二作目に早くも期待しております。
 仕込みに仕込まれた陰惨な世界に再びどっぷり浸りたいものです。

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紙の本粘膜兄弟

2010/05/30 17:22

粘膜にまみれた運命の歯車は 無慈悲に人間を飲み込んで行く

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:御於紗馬 - この投稿者のレビュー一覧を見る

粘膜シリーズも早くも第三弾。
帯には「シリーズ最新作にして最高傑作」とありますが、
ある意味これは正しい。
飴村行は一作ごとに、確実に腕を上げています。


ストイックなまでに今風の言葉を排除した地の文は
狂気じみた銃後と戦中の様子を淡々に描き、
登場人物の会話はややシモに走ることは有りますが、
ウィットに飛んだユーモアを感じさせます。

そして、悲惨な部分はとことん悲惨に、
残虐なところはとことんに残虐に、その筆は止まりません。

しかし、根底に流れるのは勧善懲悪であり、因果報応。
飴村行は海野十三や夢野久作の流れを組む
恐怖や推理や科学が渾然としていた時代の後継者です。
「新・冒険小説」と言っても過言ではないかもしれません。
本作品ではとうとう、メロドラマ的展開も身につけました。

どんなキャラクターでも、死ぬときは、コロッと死ぬ。
「一ページ先が、予測不可能」というのが
誇張でもでお世辞でもないのです。
ホラーの枠を越えた暴走する運命に酔い痴れてください。
予定調和的に全てが収まるのは、奇跡としか言い様がありません。


以下、蛇足:
実は『粘膜蜥蜴』を見かけた店頭で購入したために
ここでの書評が書けなかったのです。
どうしたモンかと煩悶しているうちに、
三作目が出てしまったのです。『粘膜蜥蜴』もお勧めです。

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紙の本粘膜人間

2024/02/06 17:25

何かとんでもないものを読んでしまった気がする。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:L療法 - この投稿者のレビュー一覧を見る

角川主催第十五回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作品。

ホラーかと問われたら違うかもしれない。
作者によれば、実際に見た悪夢を膨らませたものであり、物語は不条理で、グロテスクきわまる。

印象としては、三流エロ劇画であり、見世物小屋であり、荒俣宏が述べるように、残酷演劇=グラン・ギニョールである。

サディステックな暴力性と、汚らしさが、不快感を高める。
人様に勧められる内容ではないが、こんなものは読んだことがない気がする。強いていえば、ガロ系の不条理短編が長編化されたようなもの。

作品世界で恐怖は覚えないのだが、こんなもの書き連ねる作者に、恐怖や不安を覚える。

これはカルト作ではないのか。
完成度は高くない、もっと盛り上がる構成にすることは簡単だったろう、しかし謎のドライブ感がある。
ほんと、なんだこれ。

三島が小説は書き進めるものだと書いていましたが、これはまさに書き進めたのだろう。(受賞作を手直し)

何が粘膜人間なのかわかりませんが、粘膜シリーズとして続編がいくつか出てる。
紹介文読む限り、続きではないっぽい。

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