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超・博物誌 みんなのレビュー

  • 山田正紀
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みんなのレビュー3件

みんなの評価5.0

評価内訳

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3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本超・博物誌

2000/10/29 04:25

リリカルな本格「SF」

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:冬樹蛉 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 体内に核融合炉をそなえたプラズマイマイ、神経繊維を紡いだレーダーで宇宙に満ちる“思い出”の素粒子をキャッチするファントムーン、この宇宙の外をめざして(?)巨大な繭で暗黒の空間をゆくカタパルトリッパー……名前を見ただけでもどんなやつなのか知りたくなる遥かな未来の“むし”たちの生態を、独学の老学者が思い入れたっぷりに描く異色の博物誌である。え?“毛なめくじ”はないのかってあなたそれは別役実の『虫づくし』。
 なんだ、それだけのアイディア・ストーリー群かと勘ちがいなさるなかれ。真に読者を惹きつけるのは、語り手である老学者の、はかなく小さな“むし”たちへの愛情に満ちた視線であり、彼らを語ることでおのずと語られる老学者の波瀾万丈の人生そのものである。山田正紀のSFは、科学的ディテールの妥当性・整合性を武器とする、いわゆる“ハードSF”ではない。また、流行りもの科学の上っ面をアクセサリのようにツギハギした御都合主義だらけの、いわゆる“トンデモ”ではもちろんない。空想だけがどこまでもだらしなく広がってゆく類のふわふわファンタジーでもない。科学が内包する感動を科学に縛られずに描くという一見矛盾したことをみごとにやってのけ、紛れもないSFの感動を与えてくれる魔法使いが山田正紀なのである。本書のアオリ文には「リリカルな本格ファンタジー」などとあるが、これには納得できない。「ああ、ファンタジーなのか」と書店の棚に戻してしまったSFファンがもしいらしたら、悪いことは言わない、いま〈bk1〉で買いなさい。これはSFです。
 そんな山田正紀の魔法が遺憾なく発揮された本書をお読みになれば、見ようによってはギャグにもなりかねないほど荒唐無稽な“むし”たちの生態が、われわれの日常となんの接点も持たないように見える遠い未来の老学者の生きざまが、どうしてこんなにも愛おしく、輝かしいものに感じられるのか、自分でもよくわからないままに涙すらなさることだろう。最後のページだけは、絶対に開かないように読み進めていただきたい。

(冬樹蛉/SFレヴュアー http://web.kyoto-inet.or.jp/people/ray_fyk/)

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紙の本超・博物誌

2006/03/17 23:42

作者の代表作に挙げられるSFと比べると小粒ではありますが

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る

人類が宇宙の遠くにまで進出した時代、仕事を退職、これからは長年の夢だった博物学者として生き物を観察して暮らそうと辺境の星の田舎に土地を買い家を構えた老男性。そこで語られる、男の波乱に満ちた生涯と不思議で奇妙で愛嬌ある生き物たちの姿。抒情と感傷とに満ちた幻想的なSF小説。
途中、中性微子だのエントロピーの増大だの難しい言葉も出てきますが、物悲しい調子の文章と、作者の創り出した見たことも聞いたこともないような生物たちの奇妙な生態、もうこれだけで十分に読み応えがありとてもおもしろく、さらには最後の最後でアッと驚かせホウと納得させ感心させてくれるサービスのよさ。
作者のSFというと『神狩り』や『宝石泥棒』のような神々を題材にした壮大なスケールのものに目を奪われがちですが、本書のような、小粒ながらもピリリッと辛味の効いたものも多くあります。未読の方はぜひお試しあれ。

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紙の本超・博物誌

2004/09/21 18:26

煌めく宝石のような虫たちの饗宴

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:風(kaze) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 大宇宙を舞台に、ひとりの年老いた博物学者と不思議な能力を持つ生き物たちとの交流が描かれていく。ポエジーが羽ばたくような宇宙虫たちの描写も美しいが、この作品集の魅力はそれだけにとどまらない。宇宙虫を始めとする生物たちの観察記録とともに、今は第一線から退いた老博物学者の回想、死への想念などが交錯しているため、時空を超越した世界を旅しているような、そんな心持ちにさえ誘われるのだ。

 著者の山田正紀氏は、SF、ミステリー、冒険小説など、多方面のジャンルで読みごたえのある作品を書いている。シリーズものとしてのインパクトも強烈なものがあった「女囮捜査官」全5巻、有栖川有栖さんが『有栖の乱読』で太鼓判をばん!と押してお薦めされていた『謀殺の弾丸特急』、ダメサラリーマンが奮戦する『火神(アグニ)を盗め』などが特に面白かったが、本書もとても愛着のある一冊。読むのは今回が三度目くらいになるが、リリカルな風合いといい、滅びゆく生き物たちへの哀感の情が伝わってくる風韻といい、美しいきらめきを湛えた作品である。

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