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双血の墓碑銘 みんなのレビュー

  • 昏式龍也(著), さらちよみ(イラスト)
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みんなのレビュー2件

みんなの評価3.8

評価内訳

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紙の本双血の墓碑銘 1

2019/02/07 14:49

幕末時代劇ミーツ吸血鬼異能バトル。異色にして王道の伝奇ライトノベル

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:無明 - この投稿者のレビュー一覧を見る

幕末。黒船と共に来航した欧米列強は吸血鬼の帝国だった。その外圧を前に、日本は吸血鬼文明との同化を迫られる激動の時代・・・という架空の歴史を背景にした世界観はこの作品独自のオリジナリティを感じ、非常に惹きつけられました。
シリーズ物の第1巻目らしく、王道的な主人公とヒロインのボーイミーツガールを軸に、この世界における吸血鬼のあり方、そして最初の強敵たちとの死闘および決着が余すところなく描かれ、最後に幕末史上最も有名と思われるある人物が黒幕として登場したところで次巻への引きとなる手堅い作り。

また、タイトルであり劇中に登場する異能力「墓碑銘」の設定も不死者(吸血鬼)物というジャンルとして必然性があり、それを用いたバトルの数々は本作のメインディッシュとも言え読み応えがありました。
特に吸血鬼ではない主人公の師匠・沖田総司が肉体的には敵わない強敵(ゲーテの戯曲で有名な鉄腕ゲッツ)と渡り合う対戦は、主人公のバトル以上に手に汗握る名勝負。また「彼」が抱えた秘密にまつわるエピソードも深みがあって好きです。

ライトノベルでは珍しい時代物。ただあくまで主人公・隼人とヒロイン・柩を中心とした物語であることや文章の読みやすさも手伝って、違和感なく読めました。続刊も予定されているようで、吸血鬼が来航したこの架空の幕末世界が今後どうなっていくのかを想像するのが楽しみなシリーズです。

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