愛の年代記(新潮文庫) みんなのレビュー
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紙の本愛の年代記 改版
2015/08/31 02:52
恋も命がけ
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きらきら - この投稿者のレビュー一覧を見る
中に収められている9話全てが激情の愛の物語。
もし舞台が日本の現代だったら、ただの昼メロ調なのに、塩野七生さんの手にかかると、
なぜ最後まで読んでしまうのだろう。
それに、巻末で著者が書いているようにこれらの物語は創作なのに、なぜか登場人物が実在したように錯覚してしまう(中には実在の人物も登場する)。
場所と時間を変えれば、人間のエゴな愛情の交錯が織り出す陳腐な愛憎劇。
「フィリッポ伯の復讐」のむごたらしさには目を閉じたくなる。
不義をはたらいた妻を拷問した後、奥行きのある壁の中に閉じ込め壁を再び塗り込める。
さながら現代のコンクリート殺人のよう。
「ローマでは、二十世紀の今でも、古い家の改装工事の折りなどに、壁の中から白骨が発見されることがある」とも書いてある。
古今東西、人間というものはエゴで醜い生き物なのだろうと思わせられた。
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