海猫 みんなのレビュー
- 谷村志穂 (著)
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紙の本海猫 上巻
2004/09/30 17:33
脱純愛小説?!
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投稿者:ブラックティー - この投稿者のレビュー一覧を見る
久しぶりに傑作に出会った。
近頃、世間は空前の純愛ブームに沸いている。そもそも純愛の定義って
なんなのだろう。
今、流行の純愛小説は、古典的なストーリー展開と予想を裏切らない結
末が安心できるといえば安心できる。
でも、そんな子供だましのストーリーにみんな満足しているのだろうか?
ありがちな病気という枷(かせ)で、安易に作られた感動に果たして本当
の感動を見い出せるのか?
本書『海猫』は、そんな私のようなひねくれ者にも感動を与えてくれる
作品だ。北海道・函館の郊外にあたる南茅部という村を舞台に繰り広げられ
る親子2代に渡る壮大なラブストーリーである。
著者の心理描写の細やかさ、表現の豊かさもさることながら、艶っぽい
表現がなんとも美しくて上手い。
時代背景もしっかり取材された上で描かれているので、リアリティーが
あり、縦糸と横糸がしっかり絡み合い、ストーリーに重みを与えている。
読者を感動のラストまで、しっかりひっぱっていってくれる。これこそ
まさに極上の恋愛小説だ。
本書は第10回島清恋愛文学賞を受賞した。文学賞多しといえど、恋愛小
説だけを対象にした文学賞はこの賞だけだ。極上の恋愛小説にだけ贈られ
るこの賞の受賞は、やはり本書『海猫』がふさわしいといえる。
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