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剣の天地 みんなのレビュー

  • 池波正太郎 (著)
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みんなのレビュー3件

みんなの評価4.1

評価内訳

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紙の本剣の天地 上巻

2009/04/05 21:46

池波正太郎が上野国の豪族上泉氏の大名、剣豪としての生き様を描く

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書は池波正太郎が得意とする時代小説である。かなりの長編であるが、あっという間に読み終えてしまった。文庫本で上下2巻のボリュームである。
 現在の群馬県である上野の国に展開する豪族、大名たちの物語である。室町時代も時代が進んでくると、元々力のない足利将軍家がいよいよ貴族化して飾り物になっていく。というより朝廷の力をうまく利用して幕府の延命を図るようになるのだが、崩壊は時間の問題である。
 日本各地で土地土地の大名同士が争い、あるいは離れた土地の大名を味方にして軍事上の優位を維持したり、統一のとれた政権はもはや存在していなかった。その結果が招来した典型が応仁の乱であった。主として近畿地方の豪族同士の争いであったが、関東の上野の国でも事情は似たようなものであった。
 関東では足利将軍の名代が権威の象徴となっている。鎌倉公方あるいはそれを補佐すべき関東管領である。関東管領の上杉氏はもともと鎌倉にいた鎌倉公方を支える一族であったが、小田原の北條氏、房総の里見氏などに押されてとうとう上野の国にまで追いやられてしまった。
 それを助けたのが越後の長尾氏であった。この長尾氏の補佐役が大河ドラマの主人公である直江兼続である。本書ではこの長尾氏、後の上杉氏の配下にあった箕輪城主長野業政、大胡城主上泉氏らの戦いぶりを描いている。もっといえば、上泉氏の生き様を大河ドラマのようにして浮き上がらせている。
 上泉氏の大名としての活躍は上巻であるが、下巻は剣豪としての上泉氏の生き様である。領主の地位を息子に譲り、自分は剣の道を進むのである。本当にそんなことができたのかどうか。これはあくまで小説である。しかし、剣豪として全国を行脚していく過程で、柳生但馬守との出会いがあり、新陰流の極意を伝授する。新陰流の創始者はこの上泉氏であったことになっている。
 真偽のほどはともかく、さまざまな束縛を逃れて領主を辞め、弟子を伴って全国を気ままに行脚する上泉氏。なかなか羨ましい存在である。上下2巻にするのではなく、タイトルを替えて、続編として別の物語にした方が面白かったような気がする。しかし、長編小説としても十分楽しめた。
 剣術の基本ができたのがこの辺りの時代だったそうで、それまでは剣術というよりは、金属製の刀や槍で相手を圧倒する方法で勝敗が決したようだ。領主として苦心する上泉氏、剣豪として、剣の師として各地の大名に招聘されて剣を教える上泉氏。どちらが本当の上泉氏だったのかは、読後の印象として一目瞭然であろう。

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