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歌舞伎の見方 みんなのレビュー

  • 著者:渡辺 保
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みんなのレビュー1件

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紙の本歌舞伎の見方

2010/05/21 19:27

この本を読めば、歌舞伎が面白そうだなあ、って思います。でも、実際にテレビなどの中継で真っ白な顔の老人が凄く遅いペースで女形を演じているのを見ると、本だけでいいかな、なんて思います。

5人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

『江戸演劇史 上下』(講談社2009)でも書いたんですが、今回も勘違いしていたんです。何がって渡辺保のこと。てっきり『逝きし世の面影』を書いた人だと思っていたんです。要するに私は歌舞伎や演劇については詳しくない。正直書いてしまえば、好きか嫌いか聞かれれば、嫌いと答えます、そんなレベルですから、渡辺保と渡辺京二を混同してしまったのでしょう。

脱線ついでに書いてしまえば、なぜか我が家に渡辺京二の本が二冊ありました。古い本ですが彼の代表作に名前があがる『評伝宮崎滔天』『北一輝』がそれでし。勿論、積読。でもご安心ください、さすが古典芸能大嫌いの私です、渡辺保の本は一冊もありません。ま、それって自分の無知をさらけ出しているだけではあるんですけど。

とはいえ、以前から大変もったいないことをしている気がしてならないのです。何故って、歌舞伎が面白いかもしれない、っていう気がしてならないんです。特にNHKのBS-hiで歌舞伎の中継があるたびに思うんです。つい先日も松井今朝子が案内する「待ってました!歌舞伎座クライマックス」を録画しながら、これなら楽しめるかな、でも顔白く塗りたくった男の顔や、老人の女形は好きじゃないよなあ、なんて思っていました。

だから気が向くと歌舞伎の本を手にするわけです。渡辺保でいえば、この間『江戸演劇史 上下』という超弩級の本を読んだばかり。あのボリュームにこの軽装本で対抗できるのか、なんて思いもしたわけです。それは杞憂に終わりました。なんといっても目的が違います。この本はあくまで歌舞伎を一般論ではなく、40近い演目を具体的に紹介しながら、その面白さと見所を教えてくれるものなのです。カバー後の言葉は、こうなっています。
             *
歌舞伎鑑賞に必要なのは知識ではない。学ばなければならないことがあるとすれば、出雲のお国以来続いている感覚の源泉だけだ。この魅力の源泉「官能のしたたり」は、役者のなかにも、音楽のなかにも、小さな道具のなかにも隠れている。「助六」(「助六由縁江戸桜」)、「忠臣蔵」(「仮名手本忠臣蔵」)、「寺子屋」(「菅原伝授手習鑑」)、「熊谷陣屋」(「一谷嫩軍記」)など40余の演目を中心に、歌舞伎ならではの演出や見どころ、役者の魅力を妙趣に富む文章で紹介する、至上の歌舞伎鑑賞案内。
             *
ついでにカバーなどに使われている写真の出典などを書いておけば

カバー写真=「京鹿子娘道成寺」の中村歌右衛門(1988年11月 歌舞伎座 撮影・渡辺文雄)
口絵写真 渡辺文雄(「暫」「忠臣蔵九段目」「盛綱陣屋」)、一光堂(「寺子屋」)
本文写真 渡辺文雄
協力   松竹株式会社
     日本俳優協会

となっていて、装幀者についてはどこにも記載がありません。目次をみると私が知らない作品の名前が沢山でています。読んだ印象は、なにより切り口がいいな、ということ。一つ一つの演目に、毎回異なる切り口で裁いてしまうそれが見事です。ただし、文章で読むと短いお話でも、実際の歌舞伎となると長いんです。だから話し全体ではなく部分が上演されます。私のように全体を知りたがる人間にはそれが我慢できません。

先日も真っ白な顔の老人の女形の姿をテレビで見かけましたが、私が感じたのは「老人の頑張り」ではなく「老残」の思いでした。名人と呼ばれる人の芝居なんでしょう、通が見ればそれなりに感動する。でも、私には老人の芸を2時間近く見る気力も暇もありません。同じ見るなら、やはり若い人のいきのいい演技を見たい。そうなると、結局、この本を楽しんで終わってしまう気がしてなりません。だって、各演目の勘所を丁寧に分かりやく、教えてくれているんですから。

最後は目次です。

    序
幕の開く前に 
    一
「対面」の秘密            寿曾我対面 
「暫」 ―― 隈取の美しさ           暫
「勧進帳」 ―― その魅力         勧進帳
廓の夜更け ―― 「助六」の星   助六由縁江戸桜
    二
別火物忌 ―― 菅丞相       菅原伝授手習鑑
荒事のたのしさ ―― 「車引」   菅原伝授手習鑑
桜の肩入れ ―― 「賀の祝」    菅原伝授手習鑑
ハラと性根 ―― 「寺子屋」の松王丸菅原伝授手習鑑
時代と世話 ―― 「鮓屋」       義経千本桜
けれんと涙 ―― 狐忠信義経千本桜 
芸のイキ ―― 「忠臣蔵」喧嘩場仮名手本忠臣蔵 
廻り舞台 ―― 夜と昼、昨日と今日仮名手本忠臣蔵 
一力の勘定 ―― 由良助の遊蕩仮名手本忠臣蔵 
雪の山科 ―― 「 忠臣蔵」九段目仮名手本忠臣蔵 
    三
花見、月見、紅葉狩 ―― 「新薄雪物語」新薄雪物語 
名優の芸容 ―― 「山門」楼門五三桐 
日本一の顔 ―― 「河庄」心中天網島 
面あかり ―― 花道の魅力忍夜恋曲者 
しめこのうさうさ ―― 三枚目敵隅田川続俤 
芸の構造 ―― 「道成寺」京鹿子娘二人道成寺 
牡丹の花びら ―― 「鏡獅子」鏡獅子 
    四
十六年の夢 ―― 「陣屋」の熊谷一谷嫩軍記 
芸の滋味 ―― 「陣屋」の盛綱近江源氏先陣館 
萌黄の石持 ―― 「御殿」のお三輪妹背山婦女庭訓 
綟張の障子 ―― 八重垣姫本朝廿四孝 
ノリ地の面白さ ―― 「菊畑」鬼一法眼三略巻 
闇に浮かぶ白い顔 ―― 女形の色気摂州合邦辻 
女たちの伊達騒動 ―― 「先代萩」竹の間、御殿伽羅先代萩 
男たちの伊達騒動 ―― 床下、対決、刃傷伽羅先代萩 
芸のウラオモテ ―― 岩藤の見得加賀見山旧錦絵 
    五
大阪の夏 ―― 「夏祭」夏祭浪花鑑 
幽霊は美女 ―― 「四谷怪談」東海道四谷怪談 
だんまり ―― 「八犬伝」円塚山南総里見八犬伝 
上布と血汐 ―― 「油屋」伊勢音頭恋寝刃 
作家の風 ―― 「五大力」五大力恋緘 
暗闇のなかの二人 ―― 「鈴ヶ森」御存知鈴ヶ森 
    六
切られ与三―― 世話物の型与話情浮名横櫛 
桜の彫り物 ―― 「弁天小僧」弁天娘女男白浪 
月も朧に白魚の ―― 「三人吉三」三人吉三巴白浪 
「らしく」の意味 ―― 「直侍」雪暮夜入谷畦道 
八ッ橋の笑い ―― 「籠釣瓶」籠釣瓶花街酔醒 

あとがき ―― 幕が閉まってから   

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